Lifelog~毎日保存したログから見えてくる個性

第37回 ライフログを生活の武器にする

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辞書データから期せずして得たデータ

辞書は,メールで送られてきている過去に購入した商品の履歴を見ればいいだろうと考えました。一般化した辞書を作るのは商品の総数を考えるとたいへんですが,自分の購入した範囲で辞書をつくる程度であれば作業量はたかがしれているし,いつも買う定番の辞書を作っておけば,作業量のわりに効率が高いだろうと予想しました。

定番以外のモノを買うときには,あらためて考えることにしました。定番以外を買う作業はルーティンな作業ではないため,そこには時間をかけてもよいわけです。逆にいうと,定番の作業はルーティンなのでできるだけ省力化して作業し,できれば自動化し,ルーティンでないところに時間を振り分けたいわけです。

辞書を作り始めたところ,いくつか重要な知見を得ることができました。

Gmailから履歴ファイルを取得する

Gmailから履歴ファイルを取得する<br>Gmailはメールでコミュニケーションする観点からは強力だが,メールをデータとして扱おうとすると,結構めんどうです。いまのところメールをデータベースとして扱うPileMailの受信部分がアップデート中で動かないため,暫定的に手作業で作業しました。早くPileMailを再稼働しないと…。

Gmailはメールでコミュニケーションする観点からは強力だが,メールをデータとして扱おうとすると,結構めんどうです。いまのところメールをデータベースとして扱うPileMailの受信部分がアップデート中で動かないため,暫定的に手作業で作業しました。早くPileMailを再稼働しないと…。

最初に感じたのは,1年半の購入履歴での商品のバリエーションが,定番といいながらも意外と多かったことです。ざっくり200品目にも上りました。なるほど200品目では,個々の商標全体をぜんぶ覚えていることは困難ですから,このような辞書を必要とするニーズがあることが予想できます。

次に重要なことに気づいてしまいました。商品の辞書は,JANコード 商標 価格からなるのですが,1年半分の全データを一覧したところ,おなじ商品でも価格には相当なばらつきが出ていました。商品によっては200円くらい違うのです。sortしてuniqしても項目が減らなかったのは価格が違っていたためでした。

スーパーの商品は,特売などでひんぱんに変動しています。1年半分のデータを入手したところ,期せずしてその価格の「底値」を手に入れてしまったのです。10円,20円ならともかく,200円も違うとかなりの差です。

なるほど,これはスーパーは消費者に渡したくないデータですね。そのスーパーの底値一覧ですよ。よくスパイの蒐集するデータはほぼすべては公開されたデータだといいますが,それを実地で体験した感じです。

底値一覧がわかり,もうすこし分析をつづければ,1年間の平均消費量もわかるわけです。1年間に何回その商品が底値で販売されるかもわかります。これをマネジメントする機能をつければ…。

たとえば,商品Aの通常価格が500円,底値が300円,底値での販売は年に2回,年間に52個(週1個)消費するとします。これまでは週に1個ずつ買っていました。合計額は500×50+300×2=25,600円です。

これがもし底値で52個買ったとしたら…。合計は15,600円。差額は1万円にもなります。生物(なまもの)などはむずかしいですし,収納量などにも依存しますし,商品の在庫数もありますので,100%理論通りにはいかないと考えられます。それでもこのソフトのマネジメント効果はかなり大きいと予想できます。

今後さらに1年程度かけて,効果を検証したいと考え始めました。節約したお金でどこへ行きましょう。

著者プロフィール

美崎薫(みさきかおる)

夢想家,未来生活デザイナー,『記憶する住宅』プロデューサー,記憶アーティスト。住宅,書斎,机をはじめ,ハードウェア,ソフトウェアの開発をプロデュース。著書『デジタルカメラ2.0』(技術評論社)など多数。