実践!GTD~一歩先の仕事管理

第8回 実行ステップで理想に近づこう

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実行ステップでよくある問題点

実行ステップは,単純な実行部分ではありますが,つまづきやすい部分でもあります。代表的な問題点について,まとめてみました。

Q1.NextActionリストの数が膨大で怖ろしいです。見たくありません。

A1.リストの意味を見直そう。

NextActionリストで誤解されがちなのは,このNextActionリストを全て終わらせなくてはいけないと,義務感に陥ることです。その心意気は非常に大切ですが,それに振り回されないために作られたのが,このリストです。

NextActionは,次に行動することのみが決まっていますが,いつ実行するかの時間の指定はありません。上司から仕事を言い渡されたけど特に期限が決まっていない場合,⁠特に期限を言われてないので何もやってないもんね」と,言い逃げすることのできるような仕事の状態でもあります。

仕事に忙しい人は,項目を洗い出すのがやっとで,目の前にやってきたすべきことをさばくことで,精一杯です。その「目の前にやってきたすべきこと」がNextActionになるわけですが,いつ実行するかを決めるような時間など,到底ありません。また,仮にいつ実行するか決めても,すぐに別のことがやって来て,やると決めた日にできるとは限りません。

GTDは自分に約束することを大切にしており,約束できないものは約束しないようにしま す。NextActionリストは,次に実行することを約束していますが,いつ実行するかは約束 していません。

NextActionリストの膨大な量に目がくらみそうになった時,今日実行しなきゃいけないと 決めたわけではないことを,思い出すようにしてください。ひとまず気軽に付き合ってい きましょう。落ち着くためのおまじないとして,⁠いつ実行するかは,約束してないもん ね」と唱えるとよいかもしれませんね。

とはいっても,いっぱいあるNextActionリストはうんざりしますよね。だから,その日その日に実行するものをNextActionから選び,どこかに書き出してから実行するというのも,一つの手かもしれません。

ひとまずは,冷蔵庫にある食品リストを見るように,気長に見るように切り替えるとよいと思います。

Q2.Projectのすべきことを細分化し,全てNextActionリストに乗せるとどこから手をつけたらいいのかわからなくなりました。

A2.一番最初に行う項目だけ,NextActionリストに記載しよう。

プロジェクトのすべきことを細分化すると,二つのパターンのすべきことがあります。一つは,旅行の準備など,同時並行でも問題ない場合です。そしてもう一つは,お客様の問い合わせ対応など,順番の決まっている場合です。

一つ目の場合は,同時並行でも問題ないので,全て実行可能です。なので,NextActionリストに全ての項目を載せても問題ありません。

しかし,もう一つ目の順番の決まっている場合は,一番初めに行うことのみをNextActionリストに載せます。

例えば,仕事でお客様から問い合わせがあった場合,問い合わせが終わった後で「内容を確認する→お客様にメールで返答する→お客様より返答を受けとる→[終了]」というような行動の流れになりますが,⁠内容を確認する」前に「お客様にメールで返答する」ことはありえません。これは,⁠内容を確認する」前では実行不可能なことであり,実行可能なもののみがリストアップされているNextActionリストには,不適切な内容です。⁠お客様にメールで返答する」は,⁠内容を確認する」を実行した後の時点で,NextActionリストに記載するのが妥当でしょう。

Q3.膨大なアクションから選び取るのに迷います。

A3.NextActionリストをコンテキスト別に再分割して,その状況下でできるものに絞り込もう。

例えば,100以上のNextActionから,今すべきことを選ぶのは大変です。そもそも,人間は7つ以上の項目から一つを選び取ることに長けていません。GTDでは,コンテキストを使って,NextActionリストを再分割することを提案しています。

コンテキストとは,日本語では「状況」と称されます。NextActionには,⁠自室の片付けをする」など,特定の状況下でのみ実行可能なものがあります。この『特定の状況下』がコンテキストであり,このコンテキスト別にNextActionを分類し,現時点での状況下では実行可能なものと,そうでないものとに分けます。

コンテキストには,自宅・職場・PC・電話・メール・外出の用事等があります。他には,上司等の人自体がコンテキストになる場合もあります。例えば忙しい上司の場合,捕まった時に確認する質問事項などをまとめるのに重宝します。

コンテキストを理解する上で,次のような間違われ方があります。例えば,以下のようにNextActionにコンテキストを決めたとします。

NextAction - コンテキスト

  • 文房具の備品確認を文房具屋に電話する ⁠03-xxxx-xxxx)- 家

上記の場合は,⁠文房具の備品確認を文房具屋に電話する」は私用なので,家というコンテキストを設定しました。けれどもこれは一方で不適切です。⁠文房具の備品確認を文房具屋に電話する」は確かに家の用事ですが,携帯がありさえすれば,家でなくとも用事は済ませられるわけです。コンテキストを「携帯」に設定すると,電車の待ち時間でも,携帯を使って,このNextActionを実行することができます。

著者プロフィール

nomico(のみこ)

GTDジャンキー。IT系企業に勤めて仕事にアップアップの日々に,藁をも掴む気持ちで始めたGTDに味をしめ,その後突っ走って過ぎること1年半。研鑽内容についてはブログのworks4Lifeにて展開中。現在は,GTDの理解を日本で深めるためにmixiでGTD勉強会も開催している。好きなウェブサービスやソフトウェアを使い倒す癖あり。目下の興味はEvernoteとDiigo。最近はプロジェクタとストールがほしい。

work4Lifehttp://works4life.jp
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