実践!GTD~一歩先の仕事管理

第9回 営業職におけるGTD実践例

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毎朝実施!レビュー作業

GTDのレビューサイクルは,このサイクル周期で必ずする! などと厳密には決まっていません。個人の状況によって,そんなに忙しくなければ週一回でのレビューで充分です。Hさんの場合,GTD+Rの特性もあり,毎朝レビュー作業を行っています。

Hさんのレビュー作業は,仕事前に実施します。作業時間は約40分で完了します。この40分内の内容について,詳細を紹介します。尚,GTD+Rでは,レビュー作業は戦略フェーズ・戦闘フェーズという名前で説明されていますが,今回はGTDのステップにあわせて紹介します。

Hさんの40分のレビュー作業は,大きくわけると以下のステップで構成されます。

  1. 収集ステップ
  2. 処理ステップ
  3. 整理・レビューステップ

以下にレビュー作業の全体図を用意しましたので,合わせてご覧ください。この図は,物理的な物体に焦点を絞ってまとめてあります。

レビュー作業全体図

レビュー作業全体図

1.収集ステップ

Hさんの場合,収集ステップで以下のような場所から『物』を収集します。

  • 43Folders ― その日付のフォルダに入ってあるタスクシート
  • 財布 ― 名刺・レシート
  • 名刺入れ ― 名刺
  • ロディア ― タスクシート
  • Eメール ― 未処理のメール
  • 超整理手帳 ― 名刺

これらの『物』は,A4トレーのInboxに収集し,次の処理ステップに向かいます。上記は,Hさんが意識的に集める『物』ですが,A4トレーには,それ以外にも仕事で使う資料などが収集されています。

Hさんが特に意識しているのは,全て物理データにする,ということです。Eメールのような,電子媒体で処理が可能なものであっても,メールを印刷して物理的な『物』に変換し,どんな物理的な『物』を処理するのかを明確にしています。このように,⁠物』を物理的な『物』に統一すると,どれを処理してどれを処理していないかが明確になります。

収集ステップで,皆さんに注目してもらいたいのは,以下2点です。

  • (1)どこから『物』を収集しているのか
  • (2)どのような『物』を収集するのか

どこから『物』を収集しているのか,については,ロディア以外にも43Folders・財布・名刺入れ等のいろいろな場所から収集していることがわかります。ごみの収集車のように,自分が後から処理しなければいけないような『物』がある場所を巡回して『物』を収集していることがわかります。

どのような『物』を収集するのか,については,Hさんの場合は営業職ということもあって名刺を毎回収集していることが特徴的です。名刺は,いろんな場所に散逸しがちです。また,受け取ることもさることながら,それを管理する方法も大変です。Hさんの場合は,GTDのステップに組み込むことで,散逸になりがちな名刺を漏れなく収集し,処理するようにしています。

2.処理ステップ

処理ステップでは,先ほどの収集ステップで収集した物理的な『物』を処理していきます。⁠物』の一つずつについて,どのリスト行きに行くかを決め,具体的な作業を実施します。

Inboxに入ってくる『物』は,一つの『物』に,しなければいけないタスクと,それに必要な資料との二つのものが,入り交ざって入ってきます。Hさんの処理ステップでは,それを処理ステップで分離させるための作業工程が顕著に現れ出ます。これから説明する実際の方法では,⁠物』から,しなければいけないタスクはGTD+Rのタスクシートに分離しているところに注目しながら確認してみてください。

レビュー作業全体図では,処理ステップでの左側は,収集ステップで収集し,そのリスト先になった『物』を表しています。右側では,実際どんな状態になるのかを示しています。例えば,Somedayリストでは,⁠物』は資料でしたが,右側ではロディアのタスクシートと,ファイルにまとめられた状態になった,というような意味になります。尚,処理ステップでの『物』は一例ですので,必ずしも同じ状況になるとは限りません。今回は,わかりやすいように,よくある一例のみを取り上げています。

Referenceリスト行き

『物』がミーティング・製品等の資料ならば,それはReferenceリスト行きになります。

Referenceリスト行きの場合,資料は,封筒に入れてテプラでインデックスを作って保管します。GTDでは『仕事を成し遂げる技術』の中で,資料を個別フォルダでまとめることを薦めています。Hさんは,超整理術も行っていたため,封筒で管理しているとのことでした。

Somedayリスト行き

『物』が,いつかは読まなければいけない資料等の,実行する必要があるけど直近には不要ならば,それはSomedayリスト行きになります。

Somedayリスト行きの場合,タスクシートを作り,資料自体は4番目のトレイに保管します。資料自体は資料で管理しますが,実行しなければならないこと自体は,わざわざタスクシートを作って2つに分けます。資料に含まれる情報を2分割して,作業しなければならないことを管理しやすくします。

Projectリスト行き

『物』が,実行が必要だけれども,複数の作業が発生するようなものならば,それはProjectリスト行きになります。

Project行きの場合,タスクシートを作成し,そのタスクシートに1つ以上のActionを記入します。

『物』が,ロディアのシートだった場合,それがそのままProjectのタスクシートになります。⁠物』が関係する資料だった場合は,タスクシートを新たに一枚用意します。そして,⁠物』である資料自体は,2番目もしくは3番目のトレーに保管します。

従来のGTD+Rでは1アクション=1タスクシート,という取り扱いですが,Hさんは,1プロジェクト=1タスクシートとして取り扱っています。つまり,1つのタスクシートの中に,複数のアクションを記入するようにしています。アクションが記入しきれなくなると,タスクシートをホッチキスでつなげて使っています。

実際のタスクシート

実際のタスクシート

Calendarリスト行き

『物』が,実行が必要で,ある特定の日付に実行するならば,それはCalendarリスト行きになります。

Hさんの場合,Calendarリストには超整理手帳と43Foldersの二種類を使っています。月次処理などの定期的に実施するものは 43Folders行きに,飲み会などの1度限り実施するものは超整理手帳行きになります。定期的に実施するかどうかで,超整理手帳と43Foldersを使い分けています。

WaitForリスト行き

『物』が,人に依頼するような項目ならば,それはWaitForリスト行きです。

WaitForリスト行きになる『物』の形状は,ロディアのシートである場合が多いです。⁠物』がロディアのシートの場合,そのままタスクシートになります。

NextActionリスト行き

『物』が,実行が必要で,一つの作業が発生するものならば,それはNextActionリスト行きになります。

『物』が,ロディアのシートだった場合,それがそのままNextAction用のタスクシートになります。⁠物』が関係する資料だった場合は,その資料用に,タスクシートを新たに一枚用意します。そして,⁠物』である資料自体は,2番目もしくは3番目のトレーに保管します。

著者プロフィール

nomico(のみこ)

GTDジャンキー。IT系企業に勤めて仕事にアップアップの日々に,藁をも掴む気持ちで始めたGTDに味をしめ,その後突っ走って過ぎること1年半。研鑽内容についてはブログのworks4Lifeにて展開中。現在は,GTDの理解を日本で深めるためにmixiでGTD勉強会も開催している。好きなウェブサービスやソフトウェアを使い倒す癖あり。目下の興味はEvernoteとDiigo。最近はプロジェクタとストールがほしい。

work4Lifehttp://works4life.jp
GTD勉強会http://mixi.jp/view_community.pl?id=3013597