“プロボノ”という新しいキャリアパス

第1回 プロボノについて

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発想転換 自分の引き出しを増やす方法として捉える

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NPOの多くがWeb業界のプロフェッショナルの力を求めていることは自明のことですが自分が持っているものをただ一方的に提供するだけ,がプロボノではなく,自分に返ってくるものがあるのも嬉しいポイントです。

最新技術が次々と移り変わっていくWeb業界は,常に自己研鑽,スキルアップへの投資が無ければ生き残れない業界であり,さらに,ビジネスに関わる仕事人として経済動向や社会の流れにも敏感であることが求められます。そうした常に自分の引き出しを増やすにはどうすればいいのか,その方法の1つとしてぜひ,プロボノという選択肢も!というのが本稿の大きなメッセージです。

プロボノは,社会人が仕事を続けながら,いまの会社に所属しながら,会社以外の一部の時間をうまく活用して参加することができます。しかも,⁠社会貢献」のみならず,同時に,これまでにない人的ネットワークを広げたり,新しい視座の獲得など,自分の引き出しを増やす方法として実に効果的です。

サービスグラントに登録しているボランティアの多くは,⁠自分ができること,得意なことで社会に貢献する意思⁠をベースにしながらも,同時に,プロボノが自分へのリターンも期待できる合理的,現実的なボランティアスタイルであるという認識を持っています。

ここで皆さまの声を一部ご紹介しましょう。

  • 「私の動機は以下の3つです。自分のスキルを生かして,何かの役に立ちたい。仕事だけじゃない何かで充実した毎日を送りたい。仕事以外で実績を作りたい」⁠Webデザイナー)

  • 「純粋に誰かの笑顔のために。というキモチもありますが,活動を通して新しい人脈作りやNPOへの理解を深めたいというキモチもあります」⁠Webディレクター)

  • 「さまざまな所で,⁠もう少しかっこよくすれば手に取ってもらえるのに」⁠もう少し読みやすくすれば内容は面白いのに」などと感じることがよくありました。意志ある人の手助けになればいいなという思いと,インターフェースのダサいサイトを一掃したいです」⁠Webデザイナー)

  • 「活躍できるフィールドを広げたいのと,クライアントワークやプライベートワーク以外で自分のスキルを活かし,磨いていきたい。また人脈形成にもなれば」⁠マークアップエンジニア)

  • 「色々な価値観の人と触れる事で刺激にもなるし,色々と学ぶことも多いと思うので。通常のボランティアではなく,仕事を生かせ,仕事に生かせる所がとても魅力だと感じ,参加しようと思いました」⁠プログラマー )

  • 「体力などに自信があるほうではないので,体を動かして貢献するような事は向かないなと思い,今持っているスキルを活かした活動ができれば,と。また子育ての合間の時間を,自分のスキルを利用して何か社会に役立てないかと感じ,応募いたしました。また,社会貢献をおこないながら,子供にも,人に役立てることの喜びを感じてほしいという,個人的な親の感情もあります」⁠Webディレクター)

  • 「デザインは好きだし,仕事も毎回新しいことをできるので刺激的です。ただデザインが社会の中で果たせる役割は,企業の利益を増やすための広告だけではないはずで,わたしもその中でなにかできることはないかと探していました。自分の持つ資源が社会の役に立つのであればうれしいです」⁠Webデザイナー)

このように,プロボノは,自分のいつもの仕事での経験やスキルを活かしながら,NPOや⁠ソーシャル⁠という日ごろあまり接する機会がないフィールドでチャレンジする,という知的刺激に満ちた大人の社会科見学です。

ぜひ,みなさまも経験してみませんか?!

次回からはリアルトーク,プロボノを実践されている3名のWeb業界人のプロボノ鼎談をお届けします。プロボノと自分,プロボノの実際,プロボノのこれからなど。どうぞお楽しみに!

サービスグラントでは,ボランティア登録を随時受付中です。

また,プロジェクトの進め方やスケジュールなどについて共有させていただく説明会を東京エリア(渋谷⁠⁠,関西エリア(阿波座)にて定期的に開催しています。詳しくはこちらから。

著者プロフィール

岡本祥公子(おかもとさよこ)

NPO法人サービスグラント

慶應義塾大学 総合政策学部卒業後,映像,ゲーム,ウェブ,広告などクリエイターに特化した人材会社クリーク・アンド・リバー社にて,企業とクリエイターのマッチング業に従事。サービスグラントのNPO法人化にあたって,週末ボランティアとして参加を始め,2009年9月より専従スタッフ。プロボノワーカー(ボランティア)のリクルーティングや企業との協働プロジェクトの運営を担当。