Re:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門

第2回 PoIC入門~PoICの始め方

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パイルドライブ~積み重ねたカードの使い方

では,PoIC活用事例として,この連載原稿がどのように書かれているかを説明したいと思います。

僕はPoICのドックにパイル(Pile:積み重ね)したカードを,ドライブ(駆使)する方法という意味で,蓄積したカードを用いる作業全体をパイルドライブと呼んでいます。

まず,以前にBlogを書くために用いて退役となった43Tabsのタスクフォースと,その時に使用せずにドックの中に残したカードをピックアップします。この時,PoICのカードすべてを使い尽くしてやろうと思わないことです。すべてを何らかのタスクフォースに組み込み,ドックの中を空にしなければならないということはありません。

そして,ピックアップしたカードをめくりながら関連のありそうなものをまとめ,それをデスクトップに並べながら,アフィニティダイヤグラムを作成していきます。アフィニティダイヤグラムとは,多くのカードを関連するもの同士グルーピングし,並べ替えながら考えをまとめていく手法です。

次いでそれぞれの束を,⁠1)背景,⁠2)問題意識,⁠3)アイデアの要点,にまとめます。すると,⁠1)の背景は(1-a)PoICを始めるまでと,⁠1-b)PoICを始めてからに,⁠2)の問題意識は(2-a)GTDとPoICの比較と,⁠2-b)PoICの問題点に,⁠3)のアイデアの要点は(3-a)43Tabsと,⁠3-b)カード以外でのPoIC,に分類できました。無論,どこにも属さないカードも存在します。それらはとりあえずひとまとめにして別にしておきます。

この分類したカードを見ながらジュニアリーガルパッド(後述参照)に,各回ごとに書いていくべきことを,箇条書きでまとめていきます。さらにジュニアリーガルパッドを見ながら,足りない部分をカードに書いて補完していきます。この時,新しいアイデアが出たら,それもカードに記入して加えていきます。

6つに分けたカードの束をMoleskine Memo Pockets(ポケットの数が6つでちょうど良かったので)に入れ,家や職場,カフェ等で見直しながら,暫時カードを書き足していきます。構想に変更が加われば,そのつどジュニアリーガルパッドの内容も書き換えていきます。この辺りは,常にカードとジュニアリーガルパッド間のフィードバック状態です。

アフィニティダイアグラムの手順

アフィニティダイアグラムの手順

そして,いよいよ各回のカードの束とジュニア・リーガルパッドを基に,Macintosh上のアウトライナーに,センテンスごとに箇条書きしていきます。ここからの作業はデジタルがメインになります。

まず,各センテンスとセンテンスの間をさらに充実させていきます。センテンスの量が伝えたいことを充分に満足させる量になれば,これを肉付けし,文章化していきます。完成したアウトライナー上の文章は,書き出し機能でテキストファイルに書き出し,不要なタブや記号などを削除し整形します。

書き出したテキストファイルをGoogleドキュメントにアップロードして家や職場で校正します。大体,全体の3分の1くらいは切り捨てます。USBメモリなどで持ち歩くという手段もありますが,面倒くさいので僕はGooleドキュメントを使用しています。

完成した原稿は,再びテキストに書き出してメールで入稿する,という手順で執筆しています。

ジュニア・リーガルパッドを使う理由

PoICでの再生産に際して,僕はオフィス・デポのジュニアリーガルパッドを使っています。正式名称は,オフィス・デポ レターパッド 12冊パック ジュニア イエローと言います。

その理由は,まず価格が安いということがあげられます。1冊50枚(両面使用可)×12冊セットで599円ですので,ページ1枚あたりの単価は0.998円ほどになります。そして何より,そのサイズが,5×3インチサイズの情報カードと一緒に使うのに相性が良いのです。ジュニアリーガルパッドのサイズは縦203(切離し後182)mm×横127mmで,文字を書くスペースは156mm×127mmになります。5×3カードの大きさが125mm×75mmですので,これはほぼ5×3カード2枚を並べたときの大きさになります。

片岡義男はその著作文房具を買いにの中で,インデックス・カード(情報カード)とジュニアリーガルパッド,及びリーガルパッドに関して考察しています。片岡は,1枚につき断片をひとつだけ書き込まれたインデックスカード(情報カード)は,やがて構築され組み上げられるであろう全体という可能性を,もっとも小さな断片という位置から予感させている,と書いています。

そして,ジュニアリーガルパッドは,インデックスカードに書き留めたいくつかの断片を組み立ててひとつのパラグラフを書くものであると言い,そのワン・パラグラフを推敲していく為のスペースがリーガルパッドであると結論しています。リーガルパッドは,ジュニアリーガルパッドを単純に二倍したサイズで,合理的かつ論理的です。僕はそのリーガルパッドの役割をMacintosh上のアウトライナーに任せているというわけです。

まとめ

今回は,僕なりに試行錯誤しながらPoICを始めた経緯と,実際の活用方法と失敗例などについて説明しました。しかし,これはあくまでも僕個人の環境での話で,それぞれの人にそれぞれのやり方があると思います。PoICを始めるのに「さて」と気負う必要はありません。PoICのシンプルなルールは,書いて貯めるというシンブルな手順を保証します。

PoICを知的生産とはあまり関係のない餃子づくりなどに活用していたりと,かなり恥ずかしいことも書きましたが,それによってPoICを始めることをためらっている方が,少しでも「やってみようかな」と思ってもらえれば,僕としては望外の幸せです。

第1回の連載の概要において,第3回にはGTDとPoICについて記すと書きましたが,先に第4回として予定していたPoICの特性について説明したいと思います。アウトラインを作成するうちにこちらの順序の方が論旨がよく伝わるのではないかと思えたためです。ご了承下さい。

よって次回は「ハンドリング・バイ・PoIC~PoICの考え方」と題して,PoICの特性を理解し,PoICとは何であり,かつ何でないのかについて考えていきたいと思います。

著者プロフィール

野ざらし亭(のざらしてい)

「Blog:野ざらし亭」亭主。他人のアイデアに相乗りする自称知的ヒッチハイカー。現在 はPoICの荷台に厄介になっている。

Blog:野ざらし亭
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