シューカツ女子ともよの会社訪問記―知りたい!あの人のはたらきかた

第5回 大場寧子,久保優子~女性エンジニアの起業

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女性の起業

と:IT系って起業しやすい分野だと思うのですが,女性社長ってまだまだ少ないですよね。起業したい気持ちはあってもなかなか踏み込めないというか。

大:女性1人で起業するのはつらかったと思います。私も久保さんと知り合えていなかったら絶対起業していないでしょうね。

と:まさに二人三脚の起業ですよね。

大:起業にもともと興味はあったけど,久保さんとのタイミングが合って初めて「よし会社を作ろう」と思ったし。それに,私だけでは機能が足りなくて(笑⁠⁠。

久:最初からお金かけたくなかったので,約款(やっかん)作ったりとか登記したりも行政書士に頼まないで私がやりましたし,最初のうちは,従業員の給料計算とか社会保険の手続きも自分たちでやりました。

と:へー。大場さんのサポートを久保さんがやってる感じなんですね。

久:「この人を支えられるのは私しかいない」って会社を作ったときにも,そして今でも思いますね。大場さんの扱いは私が世界一うまいんじゃないかな。

大:めちゃくちゃうまいです(笑⁠⁠。

万葉の社内はとても特徴的。大きな長机に社員が向かい合う形で仕事していた。

万葉の社内はとても特徴的。大きな長机に社員が向かい合う形で仕事していた。

百人一首がきっかけ

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と:そんな仲良しのお二人ですが,サークルで知り合ったとか。同じ大学だったんですか?

大:あ,大学は違います。サークルは一緒なんだけど。東大の百人一首のサークルだったんです。

と:百人一首! それで大場さんのWebページで百人一首のソフトを公開しているんですね。

久:そうですそうです。

大:百人一首読み上げソフトを万葉から出したりもしていますし,練習のアプリケーションも作っています。

と:もしかして,会社名は百人一首に関係があるんですか?

大:そうですね。⁠万葉集」に由来しています(笑⁠⁠。

久:名前決めるときにね,万葉か古今か新古今かみたいな。

大:2人とも国文学科出身なんですよ。

と:文学をずっと学んでいて,なぜコンピュータの分野に?

大:私の場合は,国文学科に行くと決心するよりも先に,中学のころにプログラミングを経験していました。

と:なるほど。それで情報系の学部を選ばなかったんですね。

大:そうですね。自分でプログラム組めると思っていましたし,独学でも困らなかったので選ばなかったんですね。それにあんまり理系っぽいのって好きじゃなかったし。

と:えっ そうなんですか?

大:男の人多いしー。

と:あはは(笑⁠⁠。

大:それに,もともと文学とか古文とかが好きだったんですよ。ですので,大学までは趣味を突き詰めたかったんです。

と:久保さんも百人一首お好きなんですよね。

久:私は小学生のときに百人一首を覚えて,大学生になったら競技かるたをしたいって思っていたんです。

大:私が2年のとき,いきなり大学のサークルに,⁠参加できますか?」って電話が来たんです。⁠できるんじゃないかな」って答えたのが私で,その電話をかけてきたのが久保さんだったんです。

と:お二人の出会いは完全にその1本の電話だったんですね~。

久:そうですね。

大:まさか,あの電話がきっかけで,2人で会社まで作っちゃうとは思いませんでしたよね(笑⁠⁠。

出産と仕事

と:大場さんはもうすぐお子さんがお生まれになるそうですね。

大:12月に出産し注1⁠,4月には子どもを保育園に預けて復帰してくる予定ですね注2⁠。

と:早いですね。

大:そうですね。久保さんのほうもそうだったし。

と:久保さんは,ちょうど1歳になるお子さんがいらっしゃるそうですね。

久:はい,2011年12月2日に息子が生まれて,翌4月には保育園に預けて仕事に復帰しました。

と:早いです……。1年間育休を取る,とか考えませんでしたか?

久:いえ,まったく考えていなかったですね。4月までは自宅でお仕事していましたし,できるかぎり速やかに仕事に復帰しました。

大:弊社には久保さんの代わりになる人がいないんです。営業のことまるっきりお任せしてるので重要なんですね。

久:でも社長の代わりもいないですよ?

大:ま,そうだけどさ。でも,久保さんがいないと,本当に困っちゃう。会社の総務の仕事も,新しい案件の話とか,お客さんとの調整とか,お金の話とか。

久:もともと出産後はできるかぎり速やかに戻ってくる約束でしたしね。私もあんまり家にいたいタイプではないんです。

と:なるほど。

久:最初の1ヵ月はさすがに私もゆっくりしつつ,仕事はSkypeを使っていました。そのあとはもう営業に出ていましたね。子どもは母やベビーシッターさんに見てもらっていました。

と:すごい。

大:本当にすごかったです。復帰も早いし,入院前日ぐらいまで会社に来てくれたんですよ。

出産から仕事へ復帰したのはたったの4ヶ月。まさに仕事人という感じの久保さん。

出産から仕事へ復帰したのはたったの4ヶ月。まさに仕事人という感じの久保さん。

注1)
無事に元気な女の子を出産なさったそうです。
注2)
取材日は2012年12月。

著者プロフィール

堤智代(つつみともよ)

1989年,北海道生まれ。学生。釧路高専卒業後,大学へ編入。Livlisなどのサービスを手がける(株)kamadoにてアルバイト中。IT企業を中心に就職活動し(株)カカクコムに内定。2013年春入社予定。

Twitter:@ttmtmy