主流派が暗黙に強制する権力
私がミンデルに注目するのは,
「紛争の心理学」
たとえば,
会議場の雰囲気は緊張していた。コンプトンの外から来た人々はその雰囲気を怖がった。会議が始まると空気に怒りが感じられるほどであった。会議では,
人種差別に関するたくさんの熱いやりとりや論争がなされた。ある論争を特にここで取り上げたい。会議の二日目, 40代後半の白人男性が, にこやかに, しかし自信たっぷりに, 自分は多文化のグループでの経験が豊富であること, そこでいつも自分が怒りを示さず冷静でいたことを語った。彼は, 話している間中ずっと微笑んでいた。 それに対して,
20代のある黒人男性が, 『自分が何言ってるのか分かってるの?』 と静かに語りかけた。しかし, その白人男性は彼を無視したのである。黒人は立ち上がり, 白人に顔をつき合わせて, 聞いてもらえなかったことを激しく抗議した。その白人は, そのような 『怒れる人』 と話すことを拒絶した。そのアフリカ系アメリカ人の男性が次第に声をあらげるにつれて, その白人はそっぽを向き, 身体も別の方向に向けながら, 自分は誰に対しても開かれていると言い続けた。 この論争は,
私たちの一人が, 身体の向きを変えるというその白人の無関心な態度が, 人々は話し合うときに穏やかでなければならないとする彼の暗黙の前提に基づいているのではないかと指摘したときに, 一時的な解決を迎えた。この大変些細な暗黙の前提が, 排他や特権から生れた主流派の押しつけなのではないかということについての議論がわき起こったのである。穏やかであることは, 間近にある問題が厄介でないときにのみ可能なのだ。
(p.
普通の仕事では,
前出の電算室長は,
ということは,
本来,
ここで,
この解決をリードした電算室長は,
もし,
弱い立場の人は,
問題の深刻さはまったく違いますが,
葛藤は創造性の源
そして注目すべきことは,
これが示していることは,
このような抑圧がある時に,
葛藤を放置することは,
逆に言うと,
コンプトンの事例では,