VOCALOID(初音ミク,鏡音リン・レン)の上手な歌わせ方教えます!

第3回 調整のテクニック

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細かいニュアンスを出すための調整

下準備が整ったらここからが本番です。前回お話したとおり,VOCALOIDの調整はまず自分で歌ってみることから始めます。自分だったらどのようなニュアンスを付加するか,というのをイメージしながら調整していきます。また,調整が上手くいっているか,イメージどおりになっているのか,繰り返し再生して確認しながら前に進みましょう。

ここでは,細かいニュアンスを出すためによく使う技を紹介したいと思います。

ポルタメント

表情コントロールプロパティを開き,ポルタメントを付加にチェックマークを入れます。前回も紹介しましたが,こうする事によって音程を下からずり上げるように歌わせることができます。手軽に人間らしさを出すことができますが,多用するとくどい印象になるので注意が必要です。

アクセント

表情コントロールプロパティを開き,テンプレートからstrong accentを選びます。子音の発音が弱いと感じるノートに対してこの調整を施します。また,歌詞の区切りでアクセントを付加すると歌詞が多少聞き取りやすくなります。

例えば「今日の夕食はネギと卵焼き」と歌わせたい場合を考えます。歌詞の区切りを考えると「今日の,夕食は,ネギと,卵焼き」となります。このとき「kyo⁠⁠,⁠yu⁠⁠,⁠ne⁠⁠,⁠ta」にアクセントを付加すればよいのです。

ただし,この場合もやりすぎるとくどくなります。キーワードになるような単語や,強烈に聞かせたい単語などがある場合に使うのが効果的です。

ポルタメント,アクセントを別の手法で再現する

表情コントロールプロパティではポルタメントの細かい調整は無理です。さらに,アクセントもあまり効き目がないことがあります。そこで表情コントロールプロパティを使わずにポルタメントとアクセントを再現する方法をご紹介します。

ポルタメントについては二通りの調整方法があります。まずひとつ目はPITを使って調整する方法です。PITを駆使すれば自由自在にポルタメントを操ることができますが,上手く調整するのはかなり大変です。

そこでオススメなのが,先程も使った子音と母音を分離する方法です。この手法を使えば手軽に,しかもかなり自然にポルタメントを再現することが出来ます。

アクセントを再現するにはDYNをいじります。アクセント=アタックが強い=音の立ち上がりの音量が大きい,ということを考えればいじり方は大体想像がつくと思います。ノートの最初の部分のDYNを大きめに設定し,ノートの発音が始まったらすぐにDYNの値を絞ります。こうする事によってアクセントを擬似的に再現することが可能です。しかも表情コントロールプロパティでアクセントをつけるよりもかなり強烈なアクセントをつけることが出来ます。

フェードアウト処理

フレーズの最後の伸ばす音にフェードアウト処理を施すと,自然に消え入るように歌わせることができます。方法は,発音中にDYNの値をゆっくりと0まで下げていくだけです。よくビブラートとの混合技で使います。

この手法を使えば,ぶつ切りではなく滑らかなスタッカートを再現することも可能です。柔らかく音を切りたい,というときはこの方法を使うのがお勧めです。

各技術を活かした例

各技術を活かした例

(シンガー:ミク)

歌詞の改変

何度も言うように,調整で大切なのはどのように聞こえるか,どのように聞かせたいかです。そのためには,わざと歌詞を変えて歌わせるのも一つのテクニックです。例えば「o」「wo⁠⁠,⁠a」「ya⁠⁠,⁠e」「ye」と歌わせたりしても,それで自分のイメージ通りになればオッケーということです。特に「o⁠⁠→⁠wo」などは,強烈な印象を持たせたいときに有効な手法です。

おわりに

今回は,さらに内容を掘り下げて,基本の声作りから具体的な調整の方法までお話しました。次回は今回ご紹介した手法を取り入れた実際の調整例や,ちょっと変わった歌わせ方などについてご紹介しようと思います。

それでは,次回もよろしくお願いします。

著者プロフィール

OSTER project

音楽好きなただの大学生。ネットを中心にDTMで制作した楽曲を公開。リスナーに楽しんで貰える遊び心いっぱいの楽曲作りを心がけている。

VOCALOIDと可愛いものと辛いものが大好き。

URLhttp://fuwafuwacinnamon.sakura.ne.jp/