「SHIFT UP」――DeNA TechCon 2019,2月6日開催

後編:おすすめセッションはこれだ!クラウドシフト,AI,テスト~DeNA TechCon 2019の見どころに迫る②

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

DeNAの本流ゲーム分野へのAIの導入とその先に見える効果と新しい価値

今,DeNAはオートモーティブやヘルスケアなど,新しい領域へ積極的に展開を広げています。しかし,ただ新しいものへ挑み続けるだけではなく,本流である領域を,一段も二段も上のレベルへ上げる取り組みも行っています。

それが,今回紹介するゲーム領域へのAIの導入です。

運用中のゲームにAIを導入するには~プロジェクト推進・ユースケース・運用~

セッションの狙いと見どころ

スピーカはDeNAでAIのゲーム利用を推進しているチームから,プロジェクトリーダーの奥村純氏,同じく岡田健氏です。

株式会社ディー・エヌ・エー
システム本部AIシステム部
AI研究開発第三グループ
奥村純氏

株式会社ディー・エヌ・エー システム本部AIシステム部AI研究開発第三グループ 奥村純氏

スピーカから本セッションの狙いを伺ったところずばり「DeNAのAIプロジェクトの全体像を見ていただくこと」とのこと。AIプロジェクトというとどうしてもAIのモデリングや技術それ自体にフォーカスされることが多いですが,実際にAIをサービスに組み込むには,表に出づらい部分での多くの考慮点があります。

今回,⁠逆転オセロニア』を例に挙げ,⁠ユースケースの設計やシステム周りの運用など,プロジェクトの全体を俯瞰することで,これからAIの導入・活用を検討されている方に実用的なAIの知見をお届けしたい」とのこと。

株式会社ディー・エヌ・エー
システム本部AIシステム部
MLエンジニアリンググループ
岡田健氏

株式会社ディー・エヌ・エー システム本部AIシステム部MLエンジニアリンググループ 岡田健氏

見どころは,実際のゲーム事業におけるAI活用事例をもとにした実践的な知見が公開される点です。特に,ゲーム特有の大量のリクエストをどのようにハンドリングするか,リリース後の運用をどのように考えているかなどを見られるとのこと。まだ試行錯誤が続いている領域でDeNAのアプローチを見ることができるのは大きいと言えるでしょう。

奥村氏・岡田氏は,今回の登壇にあたって次のようにもコメントしています。

⁠2018年のTechConでは,ゲームの運用課題を解決するためにどのようなAI活用を目指しているか,具体的なAI技術の部分にフォーカスを当て紹介しました。その後開発は続き,実際にAI機能をサービスとしてリリースできる水準までプロジェクトが進捗しています。

この1年間で私たちが得た知見は非常に多く,とくにプロジェクト・技術観点で学びがありました。登壇内容はそうしたエッセンスを伝えたいという気持ちで構成しています」⁠

このセッションをおすすめしたいのはどんな人たち?

AIを活用して事業価値につなげたいという方はどなたでも歓迎。とくに,AIプロジェクトのリーダー,機械学習エンジニア,サーバーサイドエンジニアとして業務に携わっている方であれば踏み込んで理解していただけるでしょう。

なお,プロジェクト全体に関わることとシステムの技術詳細という2つの軸で展開する予定なのでどのようなレイヤに属するエンジニアでも役立つノウハウを盛り込んでいます。

SWET:DeNAが行う,開発プロセス改善最前線

3つ目はIT/インターネット企業,とくに事業者には常につきまとう課題の「開発プロセス」をテーマにしたセッションを紹介します。

今,DeNAではSWET(Software Engineer in Test)というテストをとりまく開発プロセスの改善を専門的に扱う部門があります。このセッションでは,SWETエンジニアが,どのようにDeNA内でテストの自動化に取り組み,開発プロセスの改善を行っているかを紹介します。

あるSWETエンジニアの開発プロセス改善最前線

セッションの狙いと見どころ

このセッションを担当するDeNA SWETチームの国分佑樹氏。セッションの狙いは「テストでお悩みの方向けに,SWETという役割の意義や具体的な取り組みとその成果を紹介し,テストの在り方について考えてもらうこと」⁠

株式会社ディー・エヌ・エー
システム本部品質管理部SWETグループ
国分佑樹氏

株式会社ディー・エヌ・エー システム本部品質管理部SWETグループ 国分佑樹氏

SWETでは,主に自動テストを起点とし,⁠DeNAサービス全般の品質向上」⁠DeNAエンジニアの開発生産性向上」により,価値あるものを素早く提供できるようにすることを目指し,日々働いているとのこと。

この発表ついて国分氏は,⁠SWETで働く私の携わった大規模開発を含む具体例について,それぞれ4つのことをお話します」と見どころを教えてくれました。

  1. SWETは具体的にどのような取り組みをしているのか
  2. どのような技術を使っているのか
  3. どのような成果が出ているのか
  4. 今後はどのような取り組みをするのか

これらを話す理由として,⁠私たちのテストの悩みとその対応を紹介することで,聴講される方々が持つ,テストにまつわる悩みを解決するヒントをお伝えできるのでは」と考えて決めたそうです。

もう少しイメージしやすくするために,この発表で紹介する具体的な取り組みの1つを事前に教えてもらったので,ここでコメントとともに紹介します。

⁠最近私たちが今興味をもっている領域はいくつかあります。そのうちの1つに,ゲームクライアント領域における単体テストの形式知化を目指すというものがあります。

単体テストは,開発を高速化させつつスケジュールの不確実性を下げる重要な技術ですが,ゲームのクライアント領域では単体テストがほとんどされていません。そこで,ゲームに重要な高い性能要求を満たし,かつ手触り調整などをしやすいようなデザインパターンとそのテストについてをまとめています」⁠

このコメントからも,実践的な話題が公開されるのがわかりますね。テストや開発プロセス改善に興味のあるエンジニアの方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

このセッションをおすすめしたいのはどんな人たち?

本セッションは,テスト(とくに自動テスト)に関する具体的な事例を紹介するため,とくにテスト(自動テスト)で悩んでいる方におすすめです。また,今後,組織的なテスト体制を目指すマネージャや企業の方にも,SWETというロールをお伝えしたいです。


以上,2月6日開催のDeNA TechCon 2019から,おすすめのセッションをいくつかご紹介しました。他にも魅力的なセッション満載で,DeNAのさまざまな事業領域から,インターネットテクノロジを活用した最先端ビジネスと展望を,技術的観点で知ることができる1日となっています。まだ申し込み受付中ですので,ご興味のあるエンジニアはぜひお申し込みください。

DeNA TechCon 2019
https://techcon.dena.com/2019/

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

Twitte ID:tomihisa(http://twitter.com/tomihisa/

バックナンバー

「SHIFT UP」――DeNA TechCon 2019,2月6日開催