インタビュー

誰もが手軽にゆるく使ってつながれる――絵と絵でつながるソーシャルネット「OEKAKIGRAM」登場

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限られた機能で出てくるテクニック

――今回のインタビューは,リリースしてから約1ヵ月後に行っています。ユーザからの反応について教えてもらいました。

馮:リリース後のユーザの反応はどうでしょうか?また,担当から見てどのようなサービスだと感じましたか?

飯塚:私はプロジェクトがキックオフしてから,後からディレクターの立場として参加しています。少し俯瞰できる立場から見ても,本当に当初からコンセプトがしっかりしていてブレないサービスだと感じました。その点は,ユーザの皆さんのアウトプットからも伝わってきます。たとえば「画力の個人差」が直接的に反映されない点はOEKAKIGRAMならではだと思います。ですから,誰もが変な競争意識を持たずに楽しめます。

一方で,少し矛盾しますが,絵の特徴に差が出るところが面白いです。というのも,使える機能が限定されているのですが,私たちが想定しなかった使い方をするユーザがいて,それがアウトプットされる絵にも反映されるからです。たとえば,テクスチャを色に使ったり,消しゴムを上手に使って線の細さを調整したり,そういった部分です。

「みんなすごいなー」と,本当に感心します。

馮:限定されているがゆえに,いろいろなアイデアを絞り出しているのかもしれないですね。ちなみに私もリリース後から使っていて,背景や消しゴムを活用しています(笑)

一方で,何か足りない点や改善しなければいけない点などは見えてきましたか?

野口:ユーザ数はこれから増やしていかなければいけませんが,まずは今使っていただいているユーザの皆さんの動向を見ています。その中で感じたのが,つながりの弱さです。

先ほど⁠ゆるい⁠つながりが特徴とおっしゃっていただきましたが,その特徴を活かしつつ,つながり自体を強くしたいですね。そのために,

  • ハッシュタグを利用したお題機能の強化
  • お勧めのお題を軸とした共有

の2点を検討しています。

馮:なるほど。つながりとしてのゆるさは保ちつつ,1つ1つのつながりの濃さを強めるイメージでしょうか? 機能面では何か検討してることはありますか? たとえばアンドゥ機能はどうでしょうか?

野口:機能を増やすというのは悩ましいですが,現時点では予定していません。アンドゥ機能もすでに社内で検討し,賛否両論の意見が出ました。⁠便利」という声があったのですが,あえて入れていません。機能追加ではなくツールの拡充という点で背景を増やすなどは考えています。

今ネットで注目しているもの

――OEKAKIGRAMの裏側が少し見えてきました。ここで,少し趣向を変えて3名が今,ネットで注目しているサービスやものについて聞いてみました。

馮:皆さんが今,ネットで注目しているサービスやものってありますか?

野口:ありきたりかもしれませんが,2012年はとにかくLINEです。あの普及の仕方がすごいですね。というのも,最近,自分の弟のやりとりがLINEになってきていて,自分の家族とのコミュニケーションがこういう形になったことに驚きを感じています。最近の新卒の者ではLINEコミュニケーションはあたりまえのようですが世代の違いを実感しています(笑⁠⁠。

福田:私もLINEの普及は注目しています。自分の子どもが参加しているサッカーチームで,子ども同士のやり取りがLINEになってきていますし,世代が変わることでコミュニケーション(およびツール)が変わると感じています。

それから,一番注目しているのはシモダテツヤのIT四コマふんわり劇場です。あれだけは毎週欠かさず読んでいます!

馮:ありがとうございます(笑)飯塚さんはどうでしょう?

飯塚:私は,ソーシャルネットではPathそれからStampedHipsterを使っていますね。その他は,tuneTVを使うようになりました。私はNHKばかり観ていたのですが,tuneTVで他の番組にも興味を持つようになりました。こういう興味の共有ができるものはいいですね。

OEKAKIGRAM,ペパボのアプリのこれから

――最後に,OEKAKIGRAM,そして3人が考えているこれからのアプリやサービスについてコメントしてもらいました。

馮:最後に,皆さんが今後OEKAKIGRAMをどうしたいか,どのようなものをつくりたいかについて教えてください。

野口:OEKAKIGRAMについては,カフェなどに置いてあるお客様ノートのような空間を実現したいと思っています。それから,お絵かきリレーについて,もっとリレー感を醸し出せるようにサービス側で工夫したいですね。

また,OEKAKIGRAMは名前からもわかる通りInstagramに影響を受けているので,Instagramと同じように,iPhoneユーザに愛されるアプリにして行きたいです。また,このアプリにかぎらず,ペパボとして英語圏も意識したアプリ開発を行っていきます。

飯塚:私は今,他のアプリの担当もしていて,これからもシンプルなアプリ,とくに子どもが自由に使えるものをつくっていきたいです。OEKAKIGRAMと同じく,昨年末にリリースしたこどもカメラもその1つです。

シンプルなもの,子ども向けというのはペパボらしいと思いますし,これからもこういうコミュニケーションを促進できるものを目指します。

そして,今年は痩せる!

馮:がんばってください(笑)最後に,福田さん,お願いします。

福田:今,飯塚が話したように,子ども向けというのは大事です。作り手として制限するのではなく安心して使ってもらえるものを目指します。また,ペパボとしては,とくにスマホをターゲットにしたアプリ開発に注力していきます。ぜひ,2013年もペパボがリリースするアプリに注目してください。

馮:ありがとうございました。

今回お話を伺った3名によるOEKAKIGRAMの作品。
左からみかんくん⁠福田さんの作品)
#アルパカ⁠飯塚さんの作品)
#お正月 栗きんとん山盛り。⁠野口さんの作品)

「みかんくん」(福田さんの作品) 「#アルパカ」(飯塚さんの作品) 「#お正月 栗きんとん山盛り。」(野口さんの作品)

スマホとシンプルさ

今回,OEKAKIGRAMにフォーカスしてインタビューを実施しました。シンプルな機能とゆるいつながり,それを自然に生み出せるのがOEKAKIGRAMならではの特徴ではないでしょうか。また,ユーザが空いている,ちょっとした時間に遊べる点も良いですね。

そして,今年はより一層スマホ向けアプリ開発に力を入れていくとのこと。今後も注目していきたいと思います。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室部長代理。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属,同誌編集長(2004年1月~2011年12月)や『Web Site Expert』編集長を歴任。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)の責任者として,イベントやWeb・オンライン企画を統括。現在は,技術評論社の電子出版事業を中心に,デジタル・オンライン事業を取りまとめる。社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

Twitte ID:tomihisa(http://twitter.com/tomihisa/

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2013年

  • 誰もが手軽にゆるく使ってつながれる――絵と絵でつながるソーシャルネット「OEKAKIGRAM」登場