インタビュー

プロ野球開幕記念,DL4Jでペナント予想!今年勝つのはどのチーム?――AIは解説者たちに勝てるのか season 2

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AIによる順位予想はどこまで辿り着くか?

Q:そもそもとしてAIによる順位予想はどのぐらいまで確度を高められると思いますか?

上川: まず,先ほども話したとおり,予想を突き詰めると,さまざまな観点での大量のデータが必要と考えています。ただし,ペナントレースの予想というのは,将棋や画像認識などと違い,解析すべき情報もよくわかりません。

将棋であれば,盤と駒とルールを解析すれば良いですし,画像認識であれば,対象の画像データを解析すれば良いのです。

しかし,ペナントレースは,そうではありません。ペナントレースは試合の積み上げですし,試合は各回の積み上げです。そして,各回は,打撃や投球,守備や走塁等々,人の動きの積み上げです。

このような人の動きなどを予想し,積み上げて,ペナントレースを予想するのは,非常に難しいと想像できるのではないでしょうか。

そこで,我々は,もう少しシンプルな因果関係があると面白いと考え,過去の戦力が翌年の成績につながる,という仮定の下,過去の戦力データを,1球団223次元のデータに詰め込んで予想をしています。

おそらくですが,この各球団の戦力を表す情報を拡充すれば,確度を上げられると考えています。たとえば,各個人の戦力を数値化して球団の戦力データとして使う,等が考えられます。

ただし,戦力データだけだと,たとえば,試合中の怪我,電撃トレードといった変化に関する事象を予想に反映させることはできません。

こういった点もあるので,順位予想は,ある程度の限界があるだろうと考えています。逆に言うと,順位予想の確度が100%に近づけることができるのであれば,世の中のいろいろなことを確度高く予想できるようになっていると思います。

すみません。回答になっていないかもしれませんが(笑)

2018年の野球観戦への意気込み

Q:2018シーズン,お二人のプロ野球の展望,見どころ,注目選手がいれば理由とともに教えてください。

上川柴田:実は,二人ともあまり野球に詳しくないので,社内の有志から情報を集めてきました(ペナントレースの開始に合わせて,数日前,社内の予想大会が開催され,大いに盛り上がりました⁠⁠。

野球ファン(とくにカープファン)にはおなじみBig-Pig神田カープ本店で行った順位予想大会。盛り上がりました

野球ファン(とくにカープファン)にはおなじみBig-Pig神田カープ本店で行った順位予想大会。盛り上がりました

  • カープのリーグ3連覇と日本一になれるかどうかが楽しみです。ヤクルトが今シーズン最大の敵と思っています。メジャーからヤクルトに復帰した青木と,川端,山田哲,バレンティン,畠山といった打線やカープから移籍したコーチ陣(石井琢朗打撃コーチ,河田雄祐走塁コーチ)が脅威です。
  • 今年のベイスターズは去年の勢いからすると脅威だと思っています。
  • 松坂世代としては,中日に移った松坂が復活できるかどうか注目しています。
  • メジャー帰りの上原が第2の黒田になるか。
  • ソフトバンクの連覇(パリーグ,日本一)に期待しています。選手では,2016年ドラフト1位の田中正義の復活に期待です。セリーグは,やはり強い巨人が戻ってくるとより盛り上がるので,広島と巨人で首位争いをしてもらえると楽しそうです。
  • ベイスターズの3年連続CS出場可否に注目しています。選手としてはベイスターズルーキー東克樹投手に期待したいですね。ラミレス監督は若手の抜擢もバンバンやってくれるので,去年の濱口投手のようにいきなり二桁勝利の活躍もあり得ると思います。

AIと人間社会の未来

Q:この1~2年,AIという言葉はほぼ毎日たくさんのメディアで見かけるようになり,また,スマートスピーカーの登場や自動運転など,私たちの日常生活にも入り込んできました。この先,AIがもたらす未来について,お二人が思うこと・可能性があれば教えてください。

柴田:最近はさまざまな言語の自然言語処理技術が急速に向上したように感じました。今後,要件/仕様を自然言語で入力することで,望み通りのプロダクトが作られる時代が来るのかもしれません。

また,Webシステムを作成するうえで,ユーザにとって最も使いやすいUIを作成するのは難しいことですが,将来的には,必要な入力項目を与えてやるだけで,使いやすいUIのレイアウトをサジェストしてくれるAI製品が出てくるかもしれません。

上川: あまり目立たないかもしれませんが,医療や法曹など,2018年現在もAIがすでに実用化されていて,目覚ましい成果を上げている分野も増えてきましたし,身近な部分でも,いろいろな商品やサービスが出てきています。

すなわち,特定用途であれば,AIは人間を超えたと言って良いと思いますが,いわゆる「汎用AI」ではまだまだ,という状況です。それは,現時点では,AIの適用を進めているのが人間であることからも明らかだと思います。

そういう意味で言うと,映画のような「人間 vs AI」が起こるとしても,まだまだまだまだ先の話でしょう。そんな先の話ではありますが,AIが進化した世界を見てみたいなあ,と夢見ています。

――ありがとうございました。

昨年に引き続き,プロ野球開幕直前に今シーズンの予想をAIを用いて行ってもらいました。AIの人間社会における活用はこれからもますます増えていくと思います。その中で,このような趣味・娯楽の分野で,楽しむことを目的とした活用方法もまたAIが持つ可能性の1つです。

さて,最後に。大変気になるDL4Jによる2018シーズンの予想順位を発表します。はたしてこのとおりの結果になるのか,まずは3月30日の開幕戦が楽しみですね。

DL4Jを利用したプロ野球2018シーズン順位予想
パ・リーグ

順位チーム勝数負数勝率
1位楽天73.569.5.514
2位西武73.169.9.511
3位ロッテ71.971.1.503
4位オリックス70.672.4.494
5位ソフトバンク70.272.8.491
6位日ハム69.673.4.487

セ・リーグ

順位チーム勝数負数勝率
1位阪神78.964.1.551
2位横浜75.267.8.526
3位中日72.670.4.507
4位広島69.173.9.483
5位巨人66.876.2.467
6位ヤクルト66.476.6.464

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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