インタビュー

VR,IoT,スマホ――この夏,デジタルネイチャー時代のミュージカルを生で体験しよう!『LITTLE PRINCE ALPHA』,間もなく上演

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ALPHA(アルファ)に込められた意味

まず,お二人に前回の振り返り,そして,今回の開催に至った経緯についてお聞きしました。次に,今回の『LITTLE PRINCE ALPHA』が目指すもの,込められた想いなどについて伺ってみます。

Q:今回,タイトルからVRが外れました。代わりにALPHA(アルファ)が付けられていますね。この理由について教えてください。

水野:まず「アルファ」という単語が持つ意味について説明します。

アルファには「はじまり」「未知数」という意味が含まれています。今回,⁠LITTLE PRINCE ALPHA』としたのには,VRとミュージカルのそれぞれのカテゴリを超える新しい何かが始まること,そして,この『LITTLE PRINCE ALPHA』が,それを見た人の「はじまり」「未知数」を引き出すきっかけになってほしい,そういった想いを込めてこのタイトルに決定しました。

広田:私たちもまさに同じ気持ちです。まだ誰も体験したことのないことに挑戦することで,未知のおもしろさを見つけたい,そして,そのおもしろさをたくさんの方に感じ取ってもらいたいと願い,付けたものです。

一般席で利用できる,IoTの仕組みを活用した専用ネットワークLEDライト。初めて目にした音楽座ミュージカル俳優陣が皆,デモに見入っていた

一般席で利用できる,IoTの仕組みを活用した専用ネットワークLEDライト。初めて目にした音楽座ミュージカル俳優陣が皆,デモに見入っていた 一般席で利用できる,IoTの仕組みを活用した専用ネットワークLEDライト。初めて目にした音楽座ミュージカル俳優陣が皆,デモに見入っていた

それぞれの立場から見た,テクノロジー×ミュージカル

続いて,それぞれの立場から,⁠テクノロジー」⁠ミュージカル」に関しての印象,変化,可能性についてお話しいただきました。

Q:まず,広田さんにとって,俳優陣から観た,テクノロジーの変化と可能性をどう捉えますか?

広田:俳優という人種は(と括ってしまうと誤解があるかもしれません。自分のような未熟な俳優のことです)良くも悪くも旧態依然なものを良しとする傾向が強いように思います。極端に言うと,テクノロジーとは正反対の立ち位置にいる存在かもしれません(笑⁠⁠。

しかし,そうは言っても,時代とテクノロジーの進化によって活躍の場はどんどん変化するのも事実です。俳優という仕事には「演技をする」というシンプルなミッションがありますが,今回の『LITTLE PRINCE ALPHA』という新しい挑戦で,⁠演技をする」ことの可能性をさらに広げていきたいですね。

Q:それでは,技術者陣から観た,ミュージカルの変化と可能性はどうでしょうか?

水野さんに伺いました。

水野:今までのミュージカルの鑑賞方法は,客席から舞台を観る,すなわち,舞台で起こっていることを「客観的な出来事」として見るスタイルが一般的でした。しかし,そこにVRやIoTといった技術を組み合わせると,観客は,舞台と客席の垣根を越えて,登場人物が存在する世界に観客自身が入り込む環境を提供できます。

たとえば,VRを活用すれば,⁠観客自身が)その登場人物の目線になって,舞台が自分の居る世界に,他の登場人物が自分に話しかけてくれるように感じることができるのです。これによって,ミュージカルは「客観的に見る」ものから「主観的に体験する」ものへと変わります。

このときに,観客が物語からリアルタイムに感じることや,観劇後に自分の体験の記憶として残ることの変化によって,ミュージカルが創り出す物語がより広く人々に何かを伝えるのではないかという可能性を感じています。

アルファコード開発スペースにはさまざまなガジェットがあり,同席した音楽座ミュージカル俳優陣が興味深く触っていた。また何か新たなインスピレーションが湧いてきたかも?

アルファコード開発スペースにはさまざまなガジェットがあり,同席した音楽座ミュージカル俳優陣が興味深く触っていた。また何か新たなインスピレーションが湧いてきたかも?

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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