「Adobe MAX Japan 2009」詳細レポート

1日目(その2)AIR最適化テクニック,Beyond the Knowledge~想像力が世界を変える FITC session,Technology Sneak Peek

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Beyond the Knowledge ~想像力が世界を変える FITC session

17:10,第一日目の最終セッションには,アメリカを中心に活動するインタラクティブデザイナー エリック・ナッケ氏のセッションに参加した。

写真5 インタラクティブデザイナー エリック・ナッケ氏

写真5 インタラクティブデザイナー エリック・ナッケ氏

ナッケ氏は始め,⁠プロセス・アイディア・インスピレーションをご紹介したい。テクノロジーというよりも,まずそれで遊んでみる,感じてみるということを大切にしていただきたい」と延べ,ナッケ氏が実際制作した10分ほどのアニメーションを放映。それはいうならば彼自身の精神世界のように感じた。繊細ながらも激しく移り変わっていくプログラミング・アニメーションに,会場は包まれることになった。

写真6 最初に流れた,プログラミング・アニメーション

写真6 最初に流れた,プログラミング・アニメーション

プログラミング・デザイン

ナッケ氏は続いて,⁠私たちは共通の物をもっている。生まれてきて,高校に行ったり,大学に行って,そうしてどういう目的で人生を歩んでいくかが明確になっていくわけだが,その中でこれがやりたいと思うようになってきて,徐々に人間としての個性ができてくるわけである」述べ,⁠特に我々がその人生について情熱的に思っていることは,あくまで受動的ではなく積極的に人生に参加していくことが重要である。それはクリエイターでも,デベロッパーでも,プロデューサーでも同様である」と語った。

そして,⁠ツールに依存するべきではない。自分のビジョン・想像力を活かすべきである」と言及し,スケッチブックを例に挙げ,⁠ストラクチャーやパターン,アイディアをデザインし,プロトタイピングとして自分の目に見える形で書き出すこと。コンピューターに依存せず,屋外で写真を撮ったり,自然を本質的に見ること,そして光を見つめ直すこと。光によって我々は物や色をみることができる。大きな影響を光が与えているわけであり,私にとってスケッチと写真が私の人生にとって大きな意味合いをもつようになった」と述べた。

写真7 スケッチブック上で,アイデアをデザインすることが大事

写真7 スケッチブック上で,アイデアをデザインすることが大事

写真8 プロトタイピング後,プログラミングした結果

写真8 プロトタイピング後,プログラミングした結果

続けてナッケ氏は,昨今のめまぐるしいテクノロジーの進歩について自身の人生と重ねるように語った。⁠私はずっとグラフィックデザイナーをしてきた。ジョシュアの話にもあったが,20年前にはこうしたコードによるデザインはできなかった。ところが,最近では技術が追いつき,私やジョシュアのようにコードによってデザインをする。人の手を超えるものをプログラミングによって描くということを意識するようになった」と。

自身の作品を紹介しつつ,セッションは進んでいく。⁠Flash 6からダイナミック(動的)に描けるようになった。これはとてもユニークだったが,ダイナミックにカラーを抽出することができなかった。しかし,それが最近ではそれすらもできるようになった」と過去を振り返る場面もあった。

コンピューターと芸術の究極的な融合

グログラミング・デザインについて,ナッケ氏は語る。⁠デザイナーとして具体的なビジョンをビジュアルを持っている」と。彼は,いつ,コンピュータにデザインを止めさせるのかを考えることが重要だという。⁠あまりやりすぎるとカオス(無作為)になってしまう。」と警告した。そして,シンメトリーについて,⁠単に完全な対称である必要はなく,バランスのとれたほどよいものがよい」とアドバイスし,作品を紹介した。

写真9 作品紹介(1)

写真9 作品紹介(1)

写真10 作品紹介(2)

写真10 作品紹介(2)

動画1 作品紹介(3)

ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm6037119

彼のセッションの大半は,作品の紹介となった。しかし,彼の作品が素晴らしかったのは言うまでもない。私自身はもちろん,来場者も大きなインスピレーションを受けたのではないだろうか。

紙面ではお伝えしきれないが,ナッケ氏のブログを見て,来場できなかった方も彼の世界観からインスピレーションを,そしてコードによるプログラミング・デザインというひとつの形もあるのだということを認識していただきたいと思う。

著者プロフィール

加茂雄亮(かもゆうすけ)

株式会社ロクナナにて,ActionScriptを伴うFlashコンテンツや,AjaxコンテンツなどRIA開発に従事するフロントエンドエンジニア。テクニカルライターとしての一面を持ち,WEB・雑誌・書籍、媒体問わず執筆。また,イベントやセミナーでの講演など,精力的に活動している。

URLhttp://log.xingxx.com/
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