「Adobe MAX Japan 2009」詳細レポート

1日目(その2)AIR最適化テクニック,Beyond the Knowledge~想像力が世界を変える FITC session,Technology Sneak Peek

この記事を読むのに必要な時間:およそ 5.5 分

スペシャルイベント:Technology Sneak Peek

29日の最後のイベントSneak Peekが,19:00頃から行われた。このイベントではAdobeが開発中の未公開製品や,最新テクノロジー,そしてサービスが紹介された。なお,このセッションで紹介した内容が将来製品化されるかどうかは約束できないとコメントがあった。

Sneak Peekでは,Adobe マーケティング Webグループ 西山正一氏がオーガナイザーを務め,Adobeのスピーカーが次々と最新情報を公開し,その技術に対しての評価を来場者の拍手によって採点するユニークなものとなった。

Server Side ActionScript

まずはじめに,シンタックスや構文はそのままに,サーバーサイドで動作するActionScriptについて解説された。現段階では,FlashSDKがJavaサーブレット・JSPを処理するアプリケーションサーバーであるTomcatに組み込まれているが語られた。

デモではデータベースに接続し,クエリを返す,サーバーとクライアント2つでActionScriptを動かし,非常に早くFlexのデータグリッドに結果を表示させていた。西山氏は,⁠将来的にはクライアントが脆弱であってもサーバーでバリバリ動作させることでおもしろいことができるのではないか」とコメントした。

写真11 サーバーサイドで動くActionScript。図はクエリを返す例

写真11 サーバーサイドで動くActionScript。図はクエリを返す例

Content Intelligence Toolkit

次にflvなどのビデオのメタ情報について閲覧・編集・検索できるコンテント・インテリジェンス・ツールキットについて解説された。

このツールによって,ビデオのシーンにおけるカラー情報を抽出し類似色を持つシーンのフィルタリングすることや,アクティビティレベルと呼ばれる新しい技術によって,人が登場するシーンを検知し,アクティビティレベルが上昇するという。

これによって,そのシーンにすぐ飛ぶこともできるとし,さらに,顔検知も可能であるとし,それぞれの人の顔のサムネイルを出力することができることが語られた。

また,ビデオ内のセリフをテキストに変換でき,そのテキストを検索・ソーティングでき,そのビデオ内での重要なキーワードを抜き出すこともできることが示された。スピーカーであるフランク氏によれば「これによってキーワードなどから広告も表示させることも可能だ」とし,⁠これらはすべてマニュアルではなく,自動的にメタデータとして生成されるものだ」と言及があった。

写真12 コンテント・インテリジェンス・ツールキット。このツールを利用すれば,ビデオ内のキーワードを抜き出すこともできる

写真12 コンテント・インテリジェンス・ツールキット。このツールを利用すれば,ビデオ内のキーワードを抜き出すこともできる

RTMFP

Flash Playerでマルチキャストする手段として,以前まではFlash Media Serverが必須だった。しかしFlash Player 10からは,RTMFPを利用することで,Flash Media Serverに負荷をかけることなく,P2Pでの通信が可能になったという。

西山氏によって,この新しいプロトコルのデモの実演が行われた。デモではウェブカムを使用した映像配信で,負荷を気にすることなくいくつでも表示でき,動作を披露した。

写真13 RTMFPを利用した,P2P通信のデモ

写真13 RTMFPを利用した,P2P通信のデモ

Durango

エバンジェリスト ロン ネギー氏によると,Durangoは既存のコンポーネントをAIRアプリにドラッグアンドドロップだけで,取り込み,自動的に接続するマッシュアップツールだという。なお,この技術はAdobe Labsで提供されている。

デモでは,WebKitで表示されているgoogle等のWebページをそのままDurangoのアプリケーションに取り込めること,SWFの読み込みやFlexで開発したコンポーネントもドラッグアンドドロップで追加可能であることが示された。

写真14 Durangoを利用することで,簡単にマッシュアップできる

写真14 Durangoを利用することで,簡単にマッシュアップできる

Connecting LiveCycle & CreativeSuite

この技術は元来,ハリウッドの制作現場と,撮影スタジオとのビデオのレビューに対しての連携を行うものとして開発されたという。

これを使用することで,撮影されたビデオに対してライブにコメントをメタデータとして保存することができ,暗号化されているため,許可された人のみネットを通じて閲覧することができるとした。

写真15 許可した人のみ,ビデオのレビューができる

写真15 許可した人のみ,ビデオのレビューができる

Adobe Widget Configurator & Dreamweaver Widget Packager

Ajaxの制作補助としてAdobe Widget Configuratorを解説。これを利用することで,Ajaxフレームワーク(jQuery UIなど)の仕様や使い方を全く知らなくても,それらを取り込こみ,それがどのように動作するかを検証できるという。

もうひとつの制作補助ツールとして,Dreamweaver Widget Packagerも紹介。これも同じように,Ajaxフレームワークの使い方を全く知らなくても,フレームワークを読み込み,自動的にエクステンションとして生成し,活用することができるという。デモでは,ウィジェットとして登録されたフレームワークは制作中のコンテンツに挿入できることを示した。

Dreamweaver Widget PakagerはAdobe Labsで配布されているので,CS4をお持ちの方は試してみるといいだろう。

写真16 Dreamweaver Widget Packagerを利用すれば,簡単にAjaxを利用することができる

写真16 Dreamweaver Widget Packagerを利用すれば,簡単にAjaxを利用することができる

Infinite Images

Sai Avidan氏が開発したとされるこの技術は,1万枚や2万枚といった写真を整理する新しいアプローチとして,あたかも写真内を旅しているようにナビゲートしてくれるという。

Infinite Imagesによって制作されたコンテンツは,トランスレーションの分析に基づき,その写真が他の類似する写真とを組み合わせ,シームレスに移動しているように写真を遷移させることができる。

写真17 Infinite Images。類似した写真同士をシームレスに移動できる

写真17 Infinite Images。類似した写真同士をシームレスに移動できる

著者プロフィール

加茂雄亮(かもゆうすけ)

株式会社ロクナナにて,ActionScriptを伴うFlashコンテンツや,AjaxコンテンツなどRIA開発に従事するフロントエンドエンジニア。テクニカルライターとしての一面を持ち,WEB・雑誌・書籍、媒体問わず執筆。また,イベントやセミナーでの講演など,精力的に活動している。

URLhttp://log.xingxx.com/
URLhttp://rokunana.com/