de:code 2019――Microsoftが目指すテクノロージと未来の社会

後編:AIが支えてくれる日常生活に向けて~AIアシスタント活用の勘所

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③Voice User Interfaceの設計方法

今回のセッションの肝の1つとも言えたのが,この「Voice User Interfaceの設計方法」に関する解説。

田中氏は「良いGUI,良いVUI」という表現から,GUI,VUI,それぞれにおいて良い例を説明した。

「良いGUIとは操作しやすく直感的なUIのこと,良いVUIとは自然な会話が実現できること」⁠田中氏)ということである。

いずれの場合もユーザの意図をきちんと理解できるかどうかが大切で,そのために必要なのが(サーバ側での)自然言語理解となる。とくにVUIに関しては言い方や(目的語の)順序が変わっても,サーバ側がユーザの意図を理解できるかどうか,それによって良いVUIかどうかが分かれるという。

これらについて「自然言語処理とは,インテントとエンティティを判断すること」⁠田中氏)と,設計の前提となる仕組みについて説明した。

今現在の開発現場においては,できるだけ多くのシナリオを想像して(エラーも含めて)脚本化しておくことが,VUIの設計で必要とのこと。

そのためには,開発前の設計段階において,シチュエーションの想像とともに,実際に会話をし,対話を定義していくことが大切と,現場で役立つヒントを紹介した。

④自然言語処理の方法

次に,③Voice User Interfaceの設計方法を受けて,さらに一歩技術的に踏み込んだのが,この「④自然言語処理の方法」のパート。今回は,具体的なサービスとしてMicrosoftが開発・提供を進めるLUIS(Language Understanding)を例に説明が行われた。

LUISは,インテント(ユーザの意図)の解釈とエンティティ(文書からの情報)の抽出を行うことで,対象となるサービスやアプリに自然言語理解の機能を追加できるものになる。

ここでは詳細な解説は割愛されたが,実際に,LUISを使って作成した音声認識アプリのデモが千代田氏と田中氏により行われた。

現時点では日本語での日付や時間の表現への対応が弱い(田中氏)としながらも,このようなテクノロジをうまく活用すること,それがまたVUIサービス・アプリ開発の勘所になると言えるだろう。

⑤ユーザ認証認可(OAuth2)

最後に,ユーザ認証認可について,OAuth2の仕組みについて説明が行われた。田中氏はこれまで,APIなどユーザ認証認可が必要となる技術の標準化にも関わってきたこともあり,非常に丁寧かつポイントを押さえた解説が行われた。

これらの発表資料については,以下にて公開されているので,合わせて参考にしてもらいたい。

VUIは成長中の市場

以上,50分という短い時間の中,これからの社会を変革させる技術の1つVUIについて,事例とともに技術情報を交えながら解説が行われた。

PCから,現在のスマートフォンやスマートデバイスへの普及の変遷は,ユーザに対してもさまざまな体験の変化を提供するだろう。その1つにVUIは必ず含まれると筆者は感じている。

技術的には進化中だからこそ,この進化の中で,どのように社会へ適用させていくか,技術の活用と実サービスへの応用がエンジニアたちには求められているように思う。

千代田氏も最後に「VUIはまだまだ成長中の市場で,これからもっと広がるはずです。そのためにエンジニアの皆さんの力で,もっと素晴らしい世界を創っていきましょう」と,参加したエンジニアへの期待を込めたコメントで,セッションを締めくくった。

エンジニアへの期待と協力を求めるコメントで締めくくられた

エンジニアへの期待と協力を求めるコメントで締めくくられた

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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