DesktopLive.asイベントレポート

#3 小阪淳さん

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“Flashならでは”の3D表現

小:これも(DeskTopLive.asで)話し忘れた事なんですけども,多分時代の流れとしてFlashで3Dやってく方向に行くと思うんです。

僕がちょっと思っていたのは,⁠Flashでポリゴンをやる⁠っていうのが何となく良く分かん無いとこがあって。Flashって曲線が描けるから,3Dで曲線を描くっていうコンテンツがもっと増えると思ったらほとんどないんですよね。

(3Dを扱うのに)ポリゴンが良いっちゃ良いんです。実際,曲線にすることで出来なくなる表現がある。たとえば陰線処理ってのはすごく難しくなってくるので,色々問題はあるんですけども,⁠Flashならでは⁠みたいなものがもっと出て来て欲しいなっていうのを思います。

─⁠─実は,今やろうとしてるんですけど,⁠Fill⁠をしなければ良いかなと思うんですけどね。

小:僕も上手い陰線処理方法を今,丁度模索しているところで,同じような事考えてるかもしんないですね。

─⁠─そうかもしんないですね。⁠笑)

Player10って⁠まとめてポイントの変換⁠の他にドローイングAPIがすごく整理されたんですよね。 例えば,今まで複雑な曲線描くのに「curveTo」⁠curveTo」⁠curveTo」って何回も呼ばなきゃいけなかったんですけど,一発の呼び出しで複数の頂点を渡して曲線を描けるようになったんですよ。

今仰られてたような上手い陰線処理と組み合わせればすごいものができるんじゃないかって思うんです。

小:そうですね。そこ超えると良いですよね。

─⁠─そうですよね。

今Flashでやられてる方ってベースとして昔別のプラットフォームで3Dをバリバリ書いてた,つまりレンダリングエンジン書いてたって方は(そうは)いないと思うので,多分,本で調べながらだと思うんですよ。

だから,よそのプラットフォームにある成熟されたテクニックをそのまま持って来ると,必然的にみんなポリゴンに行っちゃうんだと思うんですよ。

小:結局,時代をトレースしてるじゃないですか。

─⁠─そうそうそう。時代をくりかえしてるんですよね。

そこに昔,別のプラットフォームでゴリゴリ,プログラム書いてたっていう方が入ってくると,⁠今はポリゴンじゃないんじゃない?」みたいな発想もでてくるかもしれない。。

『4D2Uナビゲーター』の時にもFlashにするかDirectorでいくか悩んで,結局Flashにしたんですよね?

小:そうそう。Directorって3Dで曲線がかけないんですよね。円だと,多角形近似をしなきゃいけないじゃないですか。例えば,32角形とかにすれば,ある程度滑らかに見えるんですけど,3Dにして傾けるとカクカクな部分が目立ってくるんですよ。きれいな軌道にはまるで見えない…。もう,それは許せない!(笑)

─⁠─そこだったんですね。

小:それだったら陰線処理は捨てる!って思いましたね。⁠笑)

『4D2Uナビゲーター』では)Flashで地球作ってるんですけど,データの作り方とか地球を作るのがめちゃめちゃ大変なんですよ。

球を常に輪郭で表現してて,プログラムで球面上に滑らかに曲線を貼付けられるのかどうか分からなくて…。だから,日本があの球に張り付いてる状態を見たとき,自分でも「あ,できるんだ!」と感動しました(笑)

Flash が持ってる精度が,それを表現できる精度かどうかってのは,やってみないと分かんなかったです。それこそ,ぴったり張り付かなくてどっか浮いちゃったりする可能性だってあったんですけど,割と上手くいきました。実は,ちょっとずれるんですけども,誤差範囲内です。

やってみないと分からない事って沢山あるし,せっかくやるんだったら,ちょっと苦労してでも人と違った事やりたいじゃないですか。

─⁠─⁠4D2Uナビゲーター』は新鮮ですもんね。

小:ありがとうございます。

今はみんなFlash使ってるから,ひょっとしたら違うツールを使うってことで,新しい切り口が得られるかも知れないですね。僕が(DeskTopLive.asで)ご紹介したツールなんて,めちゃめちゃメジャーなやつなんで,僕が知らないツールもいっぱいあると思うんです。

あんまりそういうのに右往左往するのも本末転倒かと思うんですけど,でも,これだけ色々な人たちが様々なものを使えるとは言っても,まだまだやられてない表現が沢山あって,

模索できるものは沢山あると思うから,若い人たちが作るものを楽しみにしてるんですよね。

─⁠─やる気でますねー。本当に。

さらなる追求

小:今,『4D2Uナビゲーター』をAS3に書き換えてるところなんです。ほぼ,書き変わったんですけども,AS3って座標変換できるようになったじゃないですか。

多分,それ使うと遅くなると思うんですよ。

─⁠─ですよねー。仰ると思いました。⁠笑)

小:Flash7の頃には,ArrayしかなくてVectorがないんですよ。web見てたら,ArrayよりもVectorの方が全然速いっていう話を見つけたんですけど。

─⁠─そうですね。特にプリミティブ型の時は。

小:だから,それ書き換えると結構速くなるかなと。

純粋に(プログラムを)置き直しただけで,1.5倍くらいスピード上がったので,やっぱり,書き直さないとなと思いつつ…。

でも,AS3になってから結構敷居はあがったんじゃないですか?

─⁠─そうですね。

クラスを書かないと,何も始められないとかありますもんね。

小:あと,変数宣言とかシビアですよね。

昔だったらちょろっと簡単に書いてたものが,結構めんどくさかったり。クラスっていう概念っていうのは,どうなんですかね?

最近はなじんでるんですけど,僕らはそれこそ「オブジェクト・オリエンテッド」なんてのが無い頃からプログラムを触ってたので,最初ものすごく違和感のあったんですけど,今の子達って,いきなり「オプジェクト・オリエンテッド」が,当たり前なわけじゃないですか。それもすごいことだなと思って。

─⁠─そうですねー。最初は分かんないと思いますね。

─⁠─でも,全部AS3で書き直された後にAS1のコードを公開されたら,みんな見に行きますね。⁠笑)

小:いや,え,いや,全然何にも無いです…。正直,今お話ししたのが全てです。⁠笑)

いわゆる秘密にしておくような,アンドキュメンテッドな命令とかってのは全然ないですし,僕なりのノウハウみたいなものは正直,ない。ストップウォッチで計るとか,そういうノウハウですよ。⁠笑)

FlashKit.comからソース拾って,やり方を知って,⁠あ,基本的にはこうやるんだ。」と,そこから始まって,どんどん付け加えてやってるだけの話なんで。

─⁠─当日はそれだけ仰ってたんですけど,それだけ聞くのと今の話と全然違う。⁠笑)そこからの積み重ねがゴッソリありますね。

やっぱりすでに出来てるものに対してAS3で書き直して,さらにここを直したらもっと速くなると思って気持ちをちゃんと持って行けるところがやっぱりすごいですよね。

小:モチベーションを維持するってことが何事にも大切じゃないですか。

それが例え本当じゃなくても,自分のやってることが,自分にとって価値があるってどんだけ思い込めるかなんですよね。

やってみないと,上手く行くかなんて絶対に分からないし,大概の事は上手く行かないんですよ(笑)

だから,どうやってモチベーションを維持して行くかっていうのは,すごく大事ですよね。


小阪さんのお話,いかがでしたでしょうか。このレポートを読んでくださった方に,取材したBOWとして是非お伝えしたいのは,この室内!自作された机,部屋のあちこちにある作品達,まさに憧れのアトリエでした。

そんなアトリエでの小阪さんとのお話,本当に楽しく,大興奮でした。

当日の15分という短い時間ではとてもお伝えしきれなかった,小坂さんの魅力を少しでもお伝えできていると嬉しいです。

当日の様子はニコニコ動画で見ることができますので,あわせてどうぞ。

次回のレポートは一週間後を予定しています。お楽しみに!

[この取材は3月30日に行われました]

著者プロフィール

BOW

ボストーク株式会社に寄生するプロジェクトチームの一つ。
石崎奈緒子,高橋真希子,吉川佳一の3人により2008年10月よりスタート。主にwebを中心に活動中。

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