ET2008(組込み総合技術展)Photoレポート

ET2008(組込み総合技術展)Photoレポート(2日目)

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コア

電子機器への組込みソフトウェア開発事業を幅広く展開するコアは,今回NECエレクロトニクスのARM9向け開発キットT-Kernel SDK for ARM9(MP201)をはじめ,T-Engineソリューションを幅広く展示。開発コスト削減に寄与できる選択肢として来場者に訴求していました。それとは別にUIツール開発に一石を投じる製品として,コアの大地秀二さんが紹介してくれたのが,オーストラリアのFLUFFY SPIDER TECHNOLOGIES社のFANCYPANTS。⁠次世代組込みグラフィックス⁠と銘打たれた視覚効果ライブラリです。⁠最近はUIをきれいに見せたいというニーズが増えていますが,しかし,3D表示にしたり動画的に見せようとすると,それ相応のハードウェアリソースが要求されます。そこまでコストはかけられないというときにFANCYPANTSが役に立ちます」⁠大地さん⁠⁠。

写真8 次世代組込みグラフィックス「FancyPants 2.0」

写真8 次世代組込みグラフィックス「FancyPants 2.0」

デモで携帯電話大のパネルでさくさく動いていたiPhoneライクなUIアプリケーション。バックエンドのCPUはSHレベルでクロック数は266メガヘルツだといいます。ふつうならFlashは動かず2Dの画面表示が精一杯なのに,リッチコンテンツを難なく実現しているのが印象的でした。

日本テキサス・インスツルメンツ

日本テキサス・インスツルメンツのブースでは,ARM Cortex OMAP35x汎用アプリケーション・プロセッサ活用によるパートナーソリューション例をいくつか見ました。

ネットディメンジョンは,3D描画「Shdaer」に対応するマルチメディア・オーサリングツール「MatrixEngineSDK」を展示。これによって,従来は高い技術力が求められたShader対応アプリケーション開発の敷居が下がるそうで,プログラマーのみならずデザイナーがコンテンツを開発できる時代を実現するといいます。携帯コンテンツの一例としてデモされていたドラゴンのバックエンドで炎のようにゆらめくShaderは,とてもきれいでした。

写真9 マルチメディア・オーサリングツール「MatrixEngineSDK」のデモ

写真9 マルチメディア・オーサリングツール「MatrixEngineSDK」のデモ

ARM Cortex OMAP35x汎用アプリケーション・プロセッサでは,画像コーデック処理ソリューションも記憶に残りました。PDA端末を想定した機器にピクサー社の映画コンテンツを走らせていたのですが,これも非常に高精細。このデモではOMAP3530プロセッサを利用しているそうで,日本テキサス・インスツルメンツの担当者さんは,⁠CPUのみでも高機能を発揮するんですが,これはビデオアクセラレータや2D/3Dグラフィックス機能も同時に搭載しているため,ここまでできるんです」と胸をはっていました。

アクセル

グラフィックLSIやサウンドLSIなどの開発に特化したファブレス半導体メーカーのアクセルでは,現在開発中のPCI Express対応グラフィックスLSI「AG10」のFPGAボードを用いた独立3画面出力のデモシステムを展示していました。これは,POSシステムやATM,計測機器などで高解像度な描画パフォーマンスを発揮し,システムコストの低減と低消費電力をできます。このようなデモを見ると,今後の組込み機器のディスプレイは利用者にとってもより見やすく,使いやすいものになっていくのでしょう。

写真10 グラフィックスLSI「AG10」を用いた独立3画面出力のデモ

写真10 グラフィックスLSI「AG10」を用いた独立3画面出力のデモ

日本アルテラ

PLD(プログラマブル・ロジック・デバイス)を提供する日本アルテラでは,システムに必要な周辺機能だけを実装可能な32ビットRISCプロセッサ「Nios II」で実現する柔軟な組込みシステムが紹介されていました。9つのソリューションでは,エコシステムや必要な機能ブロックを1セットにしたもの,プロセッサ内蔵FPGAで実現するタッチパネルによるラダー制御などの産業機器,消費電力やパッケージサイズの要求に対応するCPLD MAXIIZのなど実機で紹介されていました。このほかにも,FPGA初心者を対象にした基礎情報なども紹介されていました。

写真11 Nios IIプロセッサで実現する組込みシステムのデモ

写真11 Nios IIプロセッサで実現する組込みシステムのデモ

著者プロフィール

吉田育代(よしだいくよ)

1962年,大阪市出身。関西大学社会学部卒。阪急百貨店宣伝部,広告制作プロダクションを経て,IT分野をカバーするライターに転身。企業情報システムを主な守備範囲として,幅広く執筆活動を行う。着物を日常着としていることでも知られている。

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