「組込みプレスセミナー」レポート

#4 ソースコード静的解析ツールQA Cとルネサス テクノロジ社製統合開発環境 - High-performance Embedded Workshop(HEW)の連携について -

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ルネサスマイコンのための統合開発環境

半導体メーカーとして多くの世界トップシェア製品を持ち,H8,SuperH,R8C,H8Sなどを始めとして,さまざなニーズに対応するマイコン製品群を提供しているルネサス テクノロジ。同社では,こうしたマイコン製品群の統合開発環境として,High-performance Embedded Workshop(通称HEW)を提供しています。これは販売品ではなく,同社のCompiler PackageやRenesas StarterKitなどに同梱されているソフトウェアです。

豊富な機能で組込みソフトウェア開発を支援

株式会社ルネサスソリューションズ
ツールビジネス本部 ツール技術部
根本義弘氏

株式会社ルネサスソリューションズ ツールビジネス本部 ツール技術部 根本義弘氏

ルネサス テクノロジの根本氏は,⁠High-performance Embedded Workshopの大きな特長は,直感的に分かりやすく一貫性のあるGUIを備え,プロジェクト管理からデバッグまでをこの環境でシームレスに行えること⁠と語りました。

ルネサス テクノロジの全CPUは,同一HEW環境下でビルドでき,ビルドオプションもダイアログで簡単に設定可能です。また,デバッグもビルドと同一ウィンドウ上で操作することができます。エディタウィンドウ,レジスタウィンドウ,メモリウィンドウ,ウォッチウィンドウ,トレースウィンドウなど,豊富なウィンドウ機能を備え,組込みソフトウェアの開発を強力に支援します。

また,各CPUのコンパイラパッケージにはシミュレータも同梱。実機レスの性能評価,検証を行うことが可能です。

さらに,Web上から,現在のシステムより新しいファイル群を自動検索,最新ファイルへのアップグレードできるAutoUpdate機能,開いているプロジェクトのCPUに関係するドキュメントを自動検索して,Web上からダウンロードできるDocumentUpdate機能も搭載しています。

“高品質”を実現するための連携戦略

近年は,より高品質な組込みソフトウェア開発が求められるようになっており,同社ではこれに対応するため,High-performance Embedded Workshopにソースコード静的解析ツールであるMISRA-Cチェッカ SQMlintを搭載,厳しいコードチェックを可能にしています。ただ,一社の統合開発環境でカバーできる範囲には限りがある,と根本氏は謙虚に受け止めます。そして,High-performance Embedded Workshopでは提供できない機能については,実績,信頼性の高いツールベンダー製のツールと密接に連携する戦略をとっています。それがソースコード静的解析ツールの分野については,東陽テクニカの提供するQA Cだといいます。この2つのツール連携により,ビルド実行時にQA Cを利用したソースコードの静的解析の実行が可能になり,より高品質で完成度の高い組込みソフトウェアが開発できるといいます。

ルネサス統合開発環境と一体化可能なQA C

株式会社東陽テクニカ
ソフトウェアソリューション
白神愛氏

株式会社東陽テクニカ ソフトウェアソリューション 白神愛氏

ここで根本氏に替わって壇上に登場したのが,東陽テクニカの白神氏です。同氏は,QA Cが約1,300個の警告で, 不具合を発生させるコード,保守性や移植性を阻害するコード,ISO C規格に準拠していない使用方法を行っているコードなど,コーディングに起因する問題点を厳密に指摘できるC言語用ソースコード静的解析ツールであると説明。またHigh-performance Embedded Workshopに組込んで利用することが可能と語り,白神氏は実際に,High-performance Embedded Workshopでコンパイルの通ったコードをそこに統合されたQA Cでチェックしました。すると,ビルドタブに静的解析結果の警告が出現。同氏はまたその警告番号をダブルクリックしてHigh-performance Embedded Workshopのエディタがソースコードの該当箇所を示す様子を見せ,インタラクティブなコード修正が可能なことを実現しました。 ⁠QA CをHigh-performance Embedded Workshopに組込むことで,エンジニアはビルド時に重大な問題を発見することができ,コンパイルエラーを修正するのと同様の感覚でコードを修正に当たることが可能です」と,白神氏は訴求しました。