Plone Symposium Tokyo 2015 参加レポート

第2回 Plone Symposium Tokyo 2015―Day 2:開発スプリント&インタビュー編

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―― Ploneの優位性については?

写真5 Eric Steele,Alexander Loechel,Paul Roelandの3氏

写真5 Eric Steele,Alexander Loechel,Paul Roelandの3氏

(3者みな話し出そうとして)

Alexander:実際のところ,今はどのCMSも機能に大差はなくディテールの集まりで違いが出るのではないでしょうか。その中で選定の決め手になるのは,⁠自身のユースケースにあっているかどうか」だと思います。Ploneが大学など高等教育機関,政府,NPOでの利用が多いのは,それらの組織・団体のユースケースにあっているからだと思います。Ploneの優位性うんぬんよりも,ユースケースに適合しているかどうかが重要なのではないでしょうか。

Paul:全く同感です。私の場合はシステム管理者の観点になりますが,セキュリティとメンテナンスのしやすさという点でPloneが自分のユースケースに合っています。実は小規模なWordpressのサイトも5つほど運用しているのですが,セキュリティアップデートなどの手間は100以上あるPloneサイトよりも時間を取られています。

―― なるほど,わかりました。しかし,Ploneはどちらかと言えばあまり知られていないと思いますが。

Paul:確かに。これは,現在カバーできていないターゲットに対して,コミュニケーションできていないことが原因だと思います。今はこのエリアを担当するマーケティングセクションがありません。

また,Ploneは難しい,というイメージが先行してしまっていて,これを払拭することもうまくできていません。Plone3のころはカスタマイズが難しかったのは事実ですが,Plone4ではWeb画面ですべて変更が可能になりましたし,この部分はPlone5でさらに強化されます。サーバ環境についても仮想化が進んで月5ドルでPloneのホスティングが可能になっています。これらはいずれもイメージの問題で,マーケティングの強化は今後の課題と考えています。

―― ありがとうございます。確かにPloneは必要以上に難しく見えているような気がします。さて,最後の質問です。今後,日本のPloneコミュニティに期待することを教えてください。

Paul:2020年にPlone Conference Tokyoでしょ!(笑)

―― そう来ましたか。

Paul:はい,ぜひお願いします。そのために,というわけではありませんが,Plone Foundationは日本のコミュニティを育てるためにさまざまなお手伝いをするつもりです。たとえば,この10月に行われるPython Conference Japanに誰かスピーカーを派遣するといったことができると思います。私たちのコミュニティには,本当に良い人物が揃っています。人自体が最高のマーケティングツールと言っていいくらいです。

Alexander:新しく来る人を排除しないで,歓迎して,どんどん取り込んでいってください。リラックスして,楽しみながら入っていけるように。

Eric:今回の日本でのイベントは地域カンファレンスの初回としては大成功だったと思います。よくオーガナイズされていたし,発表内容は驚くほど幅広いし内容も濃かった。

Paul:本当にそうです。お茶の水女子大学での事例には感銘を受けました。その後のパネルディスカッションも素晴らしかった。

Eric:ぜひ,シャイにならずに国際的なカンファレンスに来て,日本でのこの素晴らしい取り組みを発信してほしいです。そして,助けが必要なときはなんでも言ってください。

Alexander:そう,そして,もっとスプリントをやりましょう! スプリントは本当に大事です。

―― ありがとうございます。とても貴重なお話が聞けたと思います。忙しい中,ありがとうございました。

一同:ありがとう。ブカレスト注1で会いましょう!

注1)
毎年行われるPloneの国際会議Plone Conferenceが,本年2015年は10月にルーマニアのブカレストで行われます。

写真6 Plone Foundationのみなさんとインタビュアーの3人

写真6 Plone Foundationのみなさんとインタビュアーの3人

おわりに

2回にわたってお届けしたPlone Symposium Tokyo 2015レポート,いかがでしたでしょうか。

インタビューを担当した筆者としては,Plone Foundationメンバーの「コミュニティの存在自体がモチベーション」という話は大変印象的でした。また「Ploneは機能の比較ではなくユースケースが適合するから選ばれる」という話もとても参考になりました。そして,言葉は違えど4名のゲストの方それぞれが「開発スプリント」の大事さについて何度も話されていたことも興味深く思います。

今回Plone単体での初めての国際イベントでしたが,多くの収穫があったと思います。これで終わらせることなく,Plone Foundationとのコミュニケーションも密に取りながら,日本のPloneコミュニティが育つよう,活動を続けたいと思います。

日本のPloneユーザーグループは月に一度Plone研究会を開催しています。最新の情報はhttp://plone.jp/に掲載されます。興味のある方はぜひご参加ください。

お申し込みはhttp://plonejp.connpass.com/からどうぞ。

もチェックしてみてください。

著者プロフィール

田原悠西(たはらゆうせい)

オープンソースERPのERP5開発者の一人。自由ソフトウェアが好き。


安田善一郎(やすだぜんいちろう)

  • シエルセラン合同会社 代表
  • 株式会社Suraface&Architecture 所属
  • 株式会社ニューロマジック 監査役

PloneをはじめMT,Wordpress,WebReleaseなどさまざまなCMSでサイト構築(企画IAディレクション含む)を手がける。UI/UXデザインのディレクションも。トライアスロン歴約5年だがずっとビギナー。

「Plone 4 Book」(Talpa-Tech Inc.)共著


村岡友介(むらおかゆうすけ)

Yarch:http://yarch.jp/

Yarchという屋号で活動しているフリーランサー。インターネットに関わる困りごと,特にPythonに関わるチューニングを手がける。日々の活動のなかで気になったものにパッチを投げてるので,GitHubのリポジトリ一覧がカオス。

Twitter:@jbking

GitHub:jbking

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