レポート

開発者の祭典「Google Developer Day 2011 Tokyo」開催―Android,Chrome,App Engine,そしてGoogle+,その先にある未来が見えた1日

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App Engine―迅速なアプリケーション開発を支えるクラウド

フロントエンドにつなぐ技術として続いたのが,Google App Engine―クラウド技術です。こちらも再びBrad氏が登壇し,Google App Engineの最新動向を,実例とともに紹介しました。

「App Engineの良い点は,すでにあるスキルセット(PythonやJava)を利用できる点」とBrad氏は紹介し,すでに20万以上ものアプリケーションが,App Engine上でアクティブに動いていることが紹介されました。

「PythonやJavaなど,開発者の技術をそのまま利用できることはApp Engineの強みの1つ」⁠Brad氏)

「PythonやJavaなど,開発者の技術をそのまま利用できることはApp Engineの強みの1つ」(Brad氏)

さらに,その実例として,Angry Birds ChromePerson Finderが紹介されました。

gihyo.jp読者の皆さんもご存知のAngry Birds。これもバックエンドにApp Engineが利用されている

gihyo.jp読者の皆さんもご存知のAngry Birds。これもバックエンドにApp Engineが利用されている

「99.95%のSLAを実現していることは注目に値する」と,堅牢性についても触れられた

「99.95%のSLAを実現していることは注目に値する」と,堅牢性についても触れられた

今回のApp Engineのプレゼンテーションの中で,とくに注目したいのが「Google Cloud SQL」です。プレゼンターに,Developer Advocateの松尾貴史氏が登壇し,匿名掲示板およびGoogle+との連携デモを行いながら,Cloud SQLを紹介しました。

「App EngineにようやくSQLが来ました。期待していた人,拍手を」と会場内を煽り,たくさんの拍手が起きると「ヤル気が出てきました!」と,勢い良くCloud SQLを紹介した松尾氏

「App EngineにようやくSQLが来ました。期待していた人,拍手を」と会場内を煽り,たくさんの拍手が起きると「ヤル気が出てきました!」と,勢い良くCloud SQLを紹介した松尾氏 「App EngineにようやくSQLが来ました。期待していた人,拍手を」と会場内を煽り,たくさんの拍手が起きると「ヤル気が出てきました!」と,勢い良くCloud SQLを紹介した松尾氏

Google+―中心は「あなた」

Brad氏は,App Engine,Cloud SQLのデモからそのままGoogle+の紹介へ移りました。⁠もともと,⁠Google創業者の)LarryもSergeyもユーザにフォーカスすることを考えていました。その精神は今も変わりません。そして,生まれたのがGoogle+です」と,Google+が,Google創業者の考えを踏襲していることから説明に入りました。

「しかし,当時と今では,ユーザのニーズは変化しています。その変化の1つは,⁠ユーザの)情報の共有の仕方です。Google+は,中心に⁠あなた(You)⁠を据え置くことが前提となっていて,その上でユーザ自身のささやき(限定されたコミュニケーション)も,叫び(パブリックなメッセージ発信)も実現できる,そういう場の提供を実現しています。それが,Google+の中心機能である⁠Circles⁠です」と,例えを交えながら,Google+の特徴の1つ,Circlesを解説しました。

Google+の最大の特徴は「あなた」が中心にいること

Google+の最大の特徴は「あなた」が中心にいること

また,⁠まだあまり使われていないかもしれませんが,Hangouts(ビデオチャット)はGoogle+の醍醐味の1つ。とくにお酒を片手にしながら使う時の楽しさは格別(笑⁠⁠」と,Hangoutsについても紹介しました。

Google+プラグインを利用して開発されたHangoutsアプリ。ロボットが動きながらコミュニケーションが図れる。日本仕様ということで桜吹雪のアレンジも

Google+プラグインを利用して開発されたHangoutsアプリ。ロボットが動きながらコミュニケーションが図れる。日本仕様ということで桜吹雪のアレンジも

最後にBrad氏,一般公開後,4,000万のユーザに到達したこと,すでに34億枚もの写真データが公開されていることなどの数字に加えて,今後はプラグインやAPI,各種エクステンションの拡充からGoogle+を発展させていくと約束しました。

そして「Google+を通じ,人と人,技術を組み合わせることで,皆さんの情熱からイノベーションが生まれることを期待します」と,日本の開発者への熱いメッセージを述べ,終了しました。

日本から世界を目指して

以上,Android,Chrome,App Engine,そしてGoogle+と,今のGoogleを象徴する技術紹介が終わった後,最後に,アジア太平洋地域 地図製品開発本部長の徳生健太郎氏が登壇し,Googleの3つの考え方を紹介しました。

1つめは「なにごともエンジニアありき」であること。つまり,エンジニアがいないと何も生まれない,そのカルチャーを日本にも植えつけ,サポートしていくとのこと。

2つめは「百聞は一デモに如かず⁠⁠。これは,とにかくまず手を動かす,そこから,次の積極的なステップへ持ち込めるという考え方です。

最後に,⁠日本で「イケる!」と思ったら,世界のみんなも同感するかも⁠⁠,この考え方を大切にしてもらいたいというもの。これは,日本国内に閉じず,日本ならではの良さ,日本からの発信を積極的に行ってほしい,という思いが込められています。

これからも,どんどん日本から世界へ,と熱いメッセージを送る徳生氏

これからも,どんどん日本から世界へ,と熱いメッセージを送る徳生氏

徳生氏はこの3つを紹介した後,⁠GDDというのは,毎年開催する国の組み合わせが変わっています。その中で,日本は5年連続行われています。これは評価されていることでもあり,私たち日本のGoogleとしても光栄であり,誇りです。開発者の皆さん,開発コミュニティの存在があってこそです。ぜひ,この誇りを持って1日をおすごしください」と述べ,2時間にわたる非常に濃密な基調講演の幕が下りました。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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