レポート

「Plone Conference 2012」参加レポート(後編)

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PloneNG: What’s new in Plone 4.2, 4.3 and beyond

PloneNGのスピーカーはDavid Glickさんです。このセッションでは,今までのPloneのよくない部分が最新のバージョンでどのように改善されたのかを紹介するという内容でした。改善された項目はエンドユーザ,サイト管理者,開発者,インラフごとに分けて紹介していました。

David Glickさん

David Glickさん

PLIP(Plone Improvement Proposal)は,Ploneの改善のために提案された文書です。この文書はFrameworkチームに提出され,その内容が次のPloneのリリースに含まれるか判断されます。もし適していればその内容がPloneに反映・批評され最終的に統合に至ります。

以下にPlone4.2~4.3で改良された点を紹介します。

エンドユーザのための改良点

Plone4.2ではアイテムの検索時にコンテンツタイプや記事の公開日を検索の条件に加えることができるようになりました。4.3では各コンテンツタイプの公開日や作成者などの情報の表示・非表示を編集画面で切り替えることができるようになります。曖昧検索にも対応する予定です。

サイト内検索のフィルタリング

サイト内検索のフィルタリング

サイト管理者のための改良点

Plone4.2ではコレクションでアイテムを取得するときの条件指定方法がわかりやすくなりました。4.3より独自のコンテンツタイプをPloneの編集画面で作成できるDexerityが実装されbuildoutでインストールすることができるようになります。メールを設定するためのテスト用メールサーバーの機能も追加される予定です。

Dexerityによるコンテンツタイプの作成

Dexerityによるコンテンツタイプの作成

開発者のための改良点

Plone4.2よりHTML5に対応しました。

インフラのための改良点

プログラミング言語やライブラリがより新しいバージョンに対応しました。

  • Python2.7対応
  • JQuery1.7にアップグレード
  • TinyMCE3.4.9にアップグレード

TinyMCE3.4.9の画面

TinyMCE3.4.9の画面

Plone4.4で追加される可能性のあるプロダクト

  • plone.app.contenttypes
  • plone.app.event
  • plone.app.deco
  • plone.app.toobar
  • plone.app.multilingual

また上記以外にもサイト設定でロゴを変更したり,ZMIに行かないで編集画面だけでカスタマイズできることを増やしていくらしいです。今回紹介された内容が早く実現されて,Ploneが誰にとっても使いやすいものになることを期待しましょう。

その他のセッション

同行した,CMSコミュニケーションズ代表の寺田です。私は4回目のPlone Conferenceへの参加となりました。私(寺田)の視点で注目したセッションを簡単に紹介します。

plone.app.multilingual

多言語コンテンツをサポートするためのプロダクトとして, LinguaPloneの次バージョンとして開発が進んでいる, plone.app.multilingual の紹介が行われました。

コンテンツタイプの新たな仕組みである Dexterity への対応をはじめ,多くの機能アップを行なっています。まもなくリリースバージョンがでるようです。

plone.api

PloneのAPIは複雑で,ZopeのAPIを調べたり,たくさんの事柄を調べる必要があります。APIをまとめて便利に使えるようにするというプロジェクトが, plone.api です。特にテストコードを書くときには非常に便利でしょう。

Plone vs MS SharePoint

グローバルなPlone界隈では, SharePoint と比較されることがあります。

イントラサイトを構築する際に多くのツールが比較されますが,その一つとして,PloneとSharePointを比較してみるというセッションでした。

イントラサイトに必須な機能はPloneでも良いという話から始まり,デスクトップ連携の部分では,MS系環境で閉じている場合は,SharePointが圧倒的に優勢であるとの話でした。逆にマイグレーションなどのことを考えると,オープンソースであるPloneは自由にできることが多いので,考え方次第ではSharePointを超えているとも話していました。

その他

次のような話題もあり,興味深い内容が多くありました。

  • スケーラブルな環境つくり
  • パフォーマンス対応
  • クラウド上の自動ビルドテスト環境であるTravisCIとの連携
  • RabbitMQをPlone上で動かす
  • Plone上でECサイトを構築

Plone Conferenceは,年に一度世界中で共同開発しているメンバーが一同に集まり,発表をしたり,お互いを刺激し合い,さらにコラボレーションを行うためのソーシャルイベントであると感じました。

著者プロフィール

間中宏修(まなかひろのぶ)

1985年生まれ。理系大学院を卒業後,Web業界に進みPloneを使ったWebサイトの構築にあたる。個人では,オフィシャルからプライベートまで音楽系のWebプロジェクトを企画している。趣味は音楽の鑑賞とピアノの演奏,またライブ遠征が転じて旅行にも興味を持つ。プロフィールの写真はお気に入りの場所サンフランシスコのハイドストリート。