レポート

大阪発信の注目サービス・プロダクト・取り組みが盛りだくさん!――大阪近郊で作られているIT系のサービス・商品をアピールするイベント「Shoot from Osaka(n) vol.4」開催

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日本人学生の留学をサポートする新しい就活インフラ

続いても,海外展開を意識したサービスが登場しました。4番目に登場したのは,株式会社i-plug取締役 田中伸明氏が紹介するOffer Box Globalです。

田中氏は,ここ1,2年で日本人留学生が減っていることに危機感を感じており,⁠いろいろなところでグローバルと言われているのに,数字だけ見ると逆になっていることが怖い」と思い,若い人たちの挑戦が増えるようサポートするためにこのサービスに取り組んでいます。

田中氏自身,4月のオファー解禁を楽しみにしているとのこと

田中氏自身,4月のオファー解禁を楽しみにしているとのこと

基本的には,日本の企業が現地採用(日本人留学生)を行いやすくすることで,日本人留学生と海外展開を目指す企業の利害を一致させることを目的にしています。

今後,50社のパートナーを目指し,この4月1日からいよいよオファー解禁となるので,展開が楽しみです。

「東大阪の町工場とWebベンチャーが融合されるような場作りを」目指す,ITisKansai

5番目は,今のノマドブームに一石を投じたいと語るITisKansai代表神田智広氏が登場しました。昨今,各種メディアでノマドブームが取り上げられている一方で,ITやWebの世界に関しては,東京一極集中となっているのが実状です。また,関西には,たくさんの大手メーカ企業があるのにイマイチ盛り上がりに欠けており(神田氏⁠⁠,こうした現実をふまえて,⁠もっとさまざまな分野の人が交流して,お互いの強みを活かし合うべき」と神田氏は語りました。

過去のイベントには家入一真氏や伊藤健吾氏などスタートアップを盛り上げる顔ぶれをゲストに迎えており,神田氏は「これからももっと盛り上げて行きたい」と力強く語った

過去のイベントには家入一真氏や伊藤健吾氏などスタートアップを盛り上げる顔ぶれをゲストに迎えており,神田氏は「これからももっと盛り上げて行きたい」と力強く語った

その取り組みの1つとして,東京からのITやWebに関するゲストを招いて大阪でのベンチャー向けイベントを開催しています。第1回は昨年に,また,今年2月には第2回を開催し,盛況のうちに幕を閉じたとのこと。

4月6日には,ITisKansai Vol.3ゼロからモノを作るの開催が予定されている他,6月にはサムライベンチャーサミット神戸が開催されるそうで,こちらにも注目したいところです。

Facebookページで20万いいね!を誇る超人気訪日客向け情報サイト⁠ラーチーゴウ日本⁠の革新的アプリ「這邊走!(こっちやで!⁠⁠~もう地図はいらない~

続いて登場した株式会社はぴふる吉田皓一氏は,世界展開の中でも,とくにアジア,台湾や香港にフォーカスした取り組みを行っています。吉田氏自身が台湾に注目していることと,最近は台湾や香港からの観光客が増えていることからサービスに取り組んだそうです。

ラーチーゴウとは,レッツゴーの当て字とのことで,楽しむ・食べる・買うという行動をサポートします。同氏の取り組みではソーシャルメディアを積極的に採用しているのですが,これは台湾や香港の方たちがFacebookがとても好きであるという調査結果によるものだとか。

吉田氏は,猪俣氏に会って「このエンジニア」だと感じたそう

吉田氏は,猪俣氏に会って「このエンジニア」だと感じたそう

今回の発表では,エンジニアの猪俣充央氏と一緒に開発している観光支援アプリ「這邊走!(こっちやで!⁠⁠」の紹介が行われました。絶賛開発中とのことで,4月中旬頃のリリースが予定されているので期待しましょう。

残光でデザインするという考え方

ここまでは実ビジネスや生活に密着したサービス,アプリが多く登場してきましたが,続いては大学の研究成果が発表されました。

ティエムファクトリ株式会社代表取締役でもあり, 京都大学研究員のMasa Yamaji氏が取り組んでいる残光の研究とその成果物です。多くのメディアで「発光」に関しては取り上げられる一方で,ここ日本では「残光(光を貯え暗闇で光るもの⁠⁠」への注目度はまだまだ低いと言えます。その中で,日本を含め世界でもトップレベルの研究を行っているYamaji氏が現時点での残光研究の成果,また,それを活かした成果物として残光絵の具を制作するなど,ITとは少し離れた内容で興味深い発表が行われました。

Yamji氏の発表は,アカデミックさとアーティスティックな雰囲気が混ざっていた

Yamji氏の発表は,アカデミックさとアーティスティックな雰囲気が混ざっていた

今後は,赤残光の研究開発やインタラクティブなネットショップの他,建築物やイルミネーションへの転用などを考えているそうで「私たち研究者の立場では,技術の研究を追求していましますが,今回のような場で,プログラマーの方やプランナーの方など,多くの方たちと交流して,残光の新しい使い方を考えて行きたいです」と,他業種との積極的な交流を行いたい意向を伝えました。

ChatWorkの今後の展開

チャットワーク株式会社谷川周平氏

いよいよ発表も残りわずかとなったところで,今回のイベントを支えるスポンサー企業のチャットワーク株式会社から,谷川周平氏のプレゼンテーションが行われました。チャットワークは大阪発のサービスとして,世界展開を行っています。現在,3年目に突入し,15万ユーザを突破したとのこと。最近は月間10,000ユーザを獲得しているそうです。

とくに注目したいのが,有料転換率の高さで,⁠具体的な数字は出せないのですが,DropboxやEvernoteと比較して3倍以上の有料転換率になっています」⁠谷川氏)と,フリーミアムモデルでの成功を伝えました。

まだまだこれからと,チャットワークのさらなる成長を目指す谷川氏

まだまだこれからと,チャットワークのさらなる成長を目指す谷川氏

今後は,現在展開しているシリコンバレーでの取り組みに加えて,シンガポールや台湾などのアジア展開を強化していくそうです。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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