レポート

第2回を迎えた「察知人間コンテスト」~最終選考&授賞式レポート~

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折り紙AR

4番目に登場したのは,弘田月彦氏による「折り紙AR」です。弘田氏は北翔大学の研究生で,なんと北海道からのエントリー。本アプリは,折り紙の折り方をARのアニメーションで教えてくれるアプリで,カメラをかざすことで折り方の次の手順がCGで表示されるというものです。弘田氏はコンセプトとして,⁠折り方をわかりやすく」⁠いろいろなものを折りたい」⁠折った後も楽しみたい」の3つを挙げました。

弘田月彦氏

弘田月彦氏

アプリの仕組みは,模様のついた専用のシートの上で折り紙を折ることで,模様の形状の変化から折り紙の形を認識し,各手順を判別するようにしています。このため,折り紙はごく一般的なものを使用できます。続いて弘田氏は,実際に折り紙を折るデモを行いました。まずはアプリで,折りたいものを選びます。アプリを起動すると「セミ」「ハト」のボタンが表示されました。折るものを選んだら,専用のシートに折り紙を載せることで,手順がテキストと3Dアニメーションで表示されます。

専用のシートを使用,折り紙は一般的なもの

専用のシートを使用,折り紙は一般的なもの

次の手順がテキストと3DCGアニメーションで表示される

次の手順がテキストと3DCGアニメーションで表示される

デモでは光源の関係で折り紙の折り目に影が出てしまい,認識しづらいこともありました。しかし,無事にハトが完成。⁠折った後の楽しみ」は,完成したハトをカメラで写すことでハトが鳴きながら羽ばたくというものでした。弘田氏は,折り紙で折った動物などの名前や鳴き声を覚える知育教材としての展開もあるとしました。また,今後の課題として「認識の向上」「バリエーションの追加」を挙げ,プレゼンを終えました。

鳴き声と羽ばたくアニメーションで完成後も楽しめる

鳴き声と羽ばたくアニメーションで完成後も楽しめる

Trap Hole Drawing Game

5番目は,H.P.s.b.Iの「Trap Hole Drawing Game」です。本アプリは,上空から落ちてくるいろいろな立体物の輪郭を描画用のPlayシートに描いて,次々に捕獲していくというゲームです。いかに輪郭を正確に描くかがポイントで,正確性が高いほどポイントも高くなります。また,捕獲した図形が最終的に1つの絵になることも特徴です。立体物をカメラ越しに見ながら,実際の紙にペンなどで形を描くという「リアルとバーチャルが相互作用すること⁠⁠,そして「ARでなければ実現できないゲーム」です。

H.P.s.b.I

H.P.s.b.I

開発環境はSATCHとEclipse,ライブラリはOpenCV,OpenGL ESを使用し,言語はJavaを使用しています。SATCH SDKではD'Fusion Argumented Realityの技術を利用して,Playシートを直接マーカーとして使用したり,マーカーが手が隠れてもトラッキングできるようにしています。また,リアルとバーチャル間の座標変換には gluProject( )関数と gluUnProject( )関数を使用しています。とくに輪郭の抽出には工夫がみられました。

落ちてくる物体の輪郭をPlayシートに描く

落ちてくる物体の輪郭をPlayシートに描く

座標変換の仕組み

座標変換の仕組み

輪郭抽出の仕組み

輪郭抽出の仕組み

デモを実施した後,今後の課題として,落下物の座標によってマスクを作成しているため,ある程度落下位置が離れていないと輪郭抽出ができないことを挙げました。また技術的な課題として,タップして画像を保存しないと輪郭抽出できないこと,Playシートより奥にオブジェクトを描画できないこと,抽出した輪郭の三次元位置がずれるときがあることを挙げました。ただし,解決の糸口はつかめていると言います。ゲームとしては,難易度を変更できるようにして子供から一般向けまで幅広く楽しめるようにしたいと述べました。