レポート

PyCon China 2013 上海 参加レポート

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午後のセッション

Pythonコミュニティー最新報告,私とオープンソース

午後の最初の発表は主催者グループの主要メンバーで司会のKJさんのPythonコミュニテーの最新の話題,続いてHsiaoming Yangさんによる中国のPythonコミュニティーに対する意見の表明でした。Hsiaomingさんは中国で一番アクティブなGithubユーザーだそうです。彼はコミュニティーに参加する人たちにもっと社交的になろう,質の高い中国語のコンテンツを増やそうと呼びかけていました。

ファイルシステム無しのPython

私の発表でした。ファイルシステム上でPythonのコードを書かない代わりにそのコードをデータベースに保存して自動的にクラスター全体で最新のコードを共有して動かす仕組みを紹介しました。この仕組みは,私自身が開発に携わっているPython製のオープンソースERPであるERP5で最近開発したものです。これによって最新のコードのデプロイが楽になるという趣旨です。

発表のあとには何人かの参加者と直接質疑応答などを行いました。主催者からも聞いていたのですが,PyConに来ている中国のプログラマーたちは基本的に英語ができるため,読み書きリスニングは問題ないけど話すのは普段練習していないからちょっと苦手ということでした。私の英語は流暢ではありませんがそこそこ話すことはできるため,参加者の皆さんと英語で話すのは特に問題ありませんでした。

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プログラミング教室のいくつかのストーリー

袁昕さんによるPython学習システムの紹介です。彼はPythonを勉強したい人向けの学習システムcrossin.meをスマートフォン向けにDjango,RestrictedPython,JQueryMobileを使って開発しており,その動機や状況,作ったシステムのデモを行いました。会場ではPythonでプログラミングをはじめて勉強しはじめたばかりの人たちも少なからずおり,質疑応答ではプログラミングを勉強する意義とは何かという話もしていました。

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パブリッククラウドでPythonを使って構築する

PyConスポンサーであるパブリッククラウドプロバイダーのSpeedyCloud郑柯さんによるPythonプログラマー向けのパブリッククラウド上でPythonを使うサービスの紹介が行われました。この発表は人気ビデオゲームStarCraft2のシステムにクラウドを例えて行われました。私は中国語が分からないので一見するとビデオゲームの話をしているのかと思いましたが,そうではありませんでした。

どのように2日以内に高速に学生採用システムを開発するか

中国の有名共同購入クーポンサイトDianPing(大众点评)の吕召刚さんと段华杰さんの発表です。なんでも求人に応募してくる学生が非常に多く大量のdocファイルが使われているそうです。そのため人事の仕事がとても大変になり,Pythonで採用担当者用の自社システムを構築するに至ったそうで,そのプロジェクトについて紹介しました。PythonのウェブフレームワークDjangoを使って構築したそうで,質疑応答ではDjangoユーザーからのDjangoについての技術的な質問も出ていました。

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小さく清新なルネッサンス 堆糖のPython事例

コミュニティーサイトを運営するDuitang(堆糖)の曹文炯さんによるPythonや自社Duitangの歴史,そしてPython製の自社システムを紹介しました。Duitangは2010年にメンバー3人で自宅で始めたサービスで,それが3年後の現在では社員数は40倍になっているそうで,上海のシリコンバレー的な勢いが感じられる話でした。システムはPythonとJavaを使っており,Javaで実装されたPythonであるJythonも使っているそうです。

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DockerとBuildbotとGitを使った継続的インテグレーション

最後は,最近ご自身で企業を興したというAdieuさんによるDockerとBuildbotとGitを使った継続的インテグレーションシステムの構築の発表でした。会場でAdieuさんからDocker,Buildbot,Gitを知っている人がどれくらいいるかという質問があり,Gitはほとんど全員が知っていましたが,DockerとBuildbotはあまり知られていないようでした。継続的インテグレーションは現在注目されている考え方ですが,中国でもまだ広く知られてはいないようでした。また彼の発表は資料がすべて英語でしたので中国語が分からない私には分かりやすかったです。

抽選会,そして閉会

PyConの締め括りに抽選会が行われました。抽選で当たった人にはスポンサーからグッズや書籍のプレゼントがありました。ずいぶんたくさんプレゼントがあったようで,何度も当選番号を決めるスロットマシーンを回すことになり,たくさんの人が書籍をもらいました。

最後に主催者のリーダーであるStingさんと司会のKJさんが閉会の挨拶を行い,6日後の14日には北京でPyConが開催される旨を伝えて18時にPyCon China 2013 上海は終了しました。

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最後に

中国上海で開かれたPyConにはじめて訪れ参加しましたが,主催者の皆さん,参加者の皆さんに仲良くしてもらい,とても楽しく過ごすことができました。中国ではPythonは少しマイナーだそうで発表者も含めて5年以内にPythonを使いはじめた方が多いこと,そしてPythonやオープンソースのソフトウェアが広く使われていることを実感できました。この記事で少しでもその雰囲気が伝えられれば幸いです。

PyCon Chinaでは毎年同じメンバーが発表することが多く,さらに外国からの発表者はほとんどいないことから海外からの新しい発表者はいつでも歓迎しているということなので,Pythonネタで何か発表したいことがある人は来年のPyCon Chinaで発表してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

田原悠西(たはらゆうせい)

オープンソースERPのERP5開発者の一人。自由ソフトウェアが好き。