レポート

「第43回 HTML5とか勉強会 ~HTML5に関わるプロトコルたち」活動報告

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Background of HTTP/2.0

続いて株式会社レピダムの林達也さんより,HTTP/2.0が現れた背景を中心にお話しいただきました。

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HTTP/2.0の概要

HTTP/2.0は環境に限定しないパフォーマンスの改善や,ネットワーク資源の効率的な使用,現代的なセキュリティ要件および観衆の反映を目標として作られています。また,HTTP/1.1のようなテキストベースではなく,バイナリのプロトコルとなっています。

HTTP/1.1からの非常に大きなアップデートとなるのですが,いままでの環境を壊さないように静かに更新しているため,Web技術者であればほとんど影響を受けることはないだろうと述べていました。

Webの多くの仕様はW3Cで策定されていますが,HTTP/2.0はIETFという団体で標準化されています。IETFでは他にもMPTCPや,WebRTCやWebSocketの通信プロトコル部分の策定を行っています。

なぜSPDY,HTTP/2.0を得るに至ったか

モバイルインターネットはここ数年で急激に広まり大きくなりました。SPDYというプロトコルが現れたのは,そのような変化に合わせたプロトコルが必要になったのが大きな理由だったのではないかと述べていました。

SPDYは他にも次のような要素の必要性から生まれたと紹介しました。

  • Optimization(最適化)
  • Fast(高速化)
  • Quick(反応の良さ)

そして,なぜHTTP/2.0が生まれたのかについて次の事柄を通して説明がありました。

  • Interoperability(相互運用性)
  • More Optimization(もっと最適に)
  • Standard(標準化)
  • Implementation(たくさんの実装)

詳しくは林さんの資料動画をご覧ください。

HTTP/2.0でWebはどう進化するのか?

株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)の大津繁樹さんより,SPDYやHTTP/2.0がもつ機能についてお話しいただきました。

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クライアントにコンテンツを送りつけるサーバプッシュ機能

SPDY,HTTP/2.0の大きな特徴として,サーバプッシュという機能があります。この機能はクライアントからリクエストが来る前にサーバがコンテンツをプッシュし,クライアントにキャッシュさせることができる機能です。

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例えばindex.htmlというファイルにリクエストが来ると,ファイルはindex.html内に含まれる画像やスタイルシートのファイルをクライアントにプッシュすることができます。 今まではクライアントからサーバへリクエストが必要だったのが,双方向でいろいろなできるようになると述べていました。

HTTPレベルのHead of Line Blocking

小松さんのセッションでTCPのHead of Line Blockingについて説明がありましたが,HTTPのレベルでもHead of Line Blockingは発生します。

TCPではHTTPでリクエストしたデータが返ってこなければ次のリクエストを送信することはできないため,複数TCPを使用していてもすべてのTCPが占有されてしまうと,次の処理に進むことはできません。しかしSPDYでは重い画像などをダウンロードしている最中でも,後続データのレスポンスを返すことができます。

ここがSPDYとHTTPの一番違うところと紹介していました。

セッションの後半ではQUICについてのお話をいただきました。詳しくは資料動画をご覧ください。

LT大会

勉強会の後半では4名の方にLTを行っていただきました。今回はホームワーカーズコミュニティの松谷涼子さんに,ドラ娘ならぬ⁠ぱふぱふ娘⁠をお願いし,勉強会の最後を盛り上げていただきました。

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最初のLTは村地彰さんによる「きっとこうなるInternet Explorer 12⁠⁠。

HTTP 2.0やServer-Sent Events,Strict Transport Securityなどの機能がついにIEでも実装されるだろうと予想が語られました。村地さんのLTの資料はこちらになります。

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2番目は「ちょっと未来のJavaScript ?XPの屍を越えて行け?」と題して,楽天の辻亮佑さんからLTをいただきました。

Windows XPではIEは8までしか使用することができません。しかし来年ついにXPのサポートが終了し,IE9以降のシェアが伸びることが予想されます。LTではIE9以降のJavaScriptで可能となる機能について紹介いただきました。詳しくは辻さんの記事をご覧ください。

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続いて酒巻瑞穂さんから「見せて貰おうか,最近のWeb開発の性能とやらを(for mobile⁠⁠」と題してお話いただきました。

YeomanはGoogleが開発したWebアプリの開発ワークフローのサポートツールです。LTではアプリ開発をする際のYeomanの使い方を紹介いただきました。

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最後に「WebGLの3D表現とAudio API連携によるクリエイティブ表現(あとsocket⁠⁠」と題して,竹ヶ原旭さんにお話しいただきました。

竹ヶ原さんはHTML5 Conference 2013のために,WebGLとAudio API等のHTML5関連技術をふんだんに使用したスペシャルサイトを制作されたということで,そのサイトの紹介をしていただきました。

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LTの動画はこちらになります。ぜひご覧ください。

最後に

今年も残すところあと僅かとなりました。2013年html5jは毎月の「HTML5とか勉強会」の開催以外にも,部活動の開始,6月に<htmlday>およびW3C Developer Meetupの実施,11月に2,000名規模でのHTML5 Conference 2013の開催と,多くの新たな挑戦を試みる年となりました。

来年も多くの方々に賛同いただけるよう活動していきたいと思います。2014年もどうぞよろしくお願いいたします!

レポートに対する感想や,勉強会に対する希望・意見・取り上げて欲しいテーマなどがありましたら,Twitter(@sakkuru)まで気軽につぶやいていただければと思います。

本勉強会は,毎月第3週目に開催していますので,興味を持たれた方はぜひご参加ください。ただし,会場や講演者スケジュールの都合などにより,開催日程が前後することがあります。

開催のアナウンスはhtml5jのメーリングリストで行われますので,こちらをご確認ください。また,コミュニティサイトも公開していますので,ぜひこちらもご覧ください。

著者プロフィール

さっくる(本間咲来)

NTTコミュニケーションズ 先端IPアーキテクチャセンタ所属。html5jスタッフ。

Twitter:@sakkuru