レポート

IoTインフラの進化が世の中を変える ─「SORACOM Conference “Connected.”」基調講演レポート

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SIM認証サービス「SORACOM Endose」

次に紹介された新機能は,SIMの認証機能をさまざまな通信の認証に利用できる「SORACOM Endorse」です。よく携帯キャリアのWiFiサービスへの自動接続で使われる,SIM認証によるWiFiオフローディングをイメージするとわかりやすいかもしれません。このように他のネットワークの認証の簡易化に利用することもできますし,IDパスワードを必要とせず特定のSIMを使った場合のみログインできるシステムを作ったり,他の認証方法と組み合わせて認証を補強するといった用途も考えられるとのこと。

SORACOM Endoseのしくみ

SORACOM Endoseのしくみ

クラウドリソースアダプタ「SORACOM Funnel」

「One More Thing」として発表されたのが,面倒な処理やコードを記述することなくクラウドベンダの特定のサービスに直接データを送り込むためのサービス「SORACOM Funnel」です。

SORACOM Funnelの紹介は,ソラコムCTOの安川健太氏によって行われました。

SORACOM Funnelの紹介は,ソラコムCTOの安川健太氏によって行われました。

サービスへの認証情報とリソースを指定するだけでクラウドサービスにデータを送ります。

サービスへの認証情報とリソースを指定するだけでクラウドサービスにデータを送ります。

現在のところAmazon Kinesis,Amazon Kinesis Fierhose,そしてMicrosoft Azure Event Hubsの3つのサービスに対応しています。

現在Amazon Kinesis,Amazon Kinesis Fierhose,そしてMicrosoft Azure Event Hubsの3つのサービスに対応しています。

これで,既存のSORACOM Air,SORACOM Beamに加えて,A~Fまで6つのサービスがラインナップされました。

サービス無料枠も提供

サービス無料枠も提供

前半の締め括りに,玉川氏は前職のAWSで2006年ごろからクラウドの隆盛に関わった際に,小さな投資から始められることから,それまで見られなかったスタートアップ企業が続々と生まれてくるさまを目の当たりにした経験を語りました。⁠まさに世の中が変わった。IoTでも同じことが起こせるのではないか」と思ったのがSORACOM起業の原点だそうです。

今は非常識なことが将来は常識に ―IoTテレマティクスの未来

基調講演後半は「IoTとテレマティクスの未来 〜つながるクルマ 今とその先〜」と題したパネルディスカッション形式で進められました。スピーカーは,トヨタ自動車(株⁠⁠ e-TOYOTA部部長 藤原 靖久氏,JapanTaxi(株⁠⁠ 代表取締役社長 日本交通(株⁠⁠ 代表取締役会長 川鍋 一朗氏,⁠株)ガリバーインターナショナル 執行役員 CIO 許 哲氏の3名です。モデレータとして,アナウンサーの膳場 貴子さん,そして引き続きソラコム 玉川氏もトークに加わります。

スピーカーのお三方,左からトヨタ 藤原氏,JapanTaxi 川鍋氏,ガリバーインターナショナル 許氏

スピーカーのお三方,左からトヨタ 藤原氏,JapanTaxi 川鍋氏,ガリバーインターナショナル 許氏

モデレータ側のお2人,ソラコム 玉川氏(左)と善場さん

>モデレータ側のお2人,ソラコム 玉川氏(左)と善場さん

話題は,日本の,そして世界の車がこれからは通信できてつながっていかなければ,まず安全面,そして利便性においても将来は無いのではないか,という視点で進みました。その「1台1通信モジュール」を実現するには導入コスト,そして通信のコストをどのように抑えるかが重要であり,ソラコムの技術とその進化のスピードから見える将来性は,そのために大きな役割を果たすことができるという点で全員の意見が一致しました。

かつてはインターネットとは無縁と考えられていた自動車も,その制御やセンシング等の電子化が進み,今度はそのデータを生かすために「外とつながる」需要が急速に膨らんでいます。昔は非常識と言われていたことが,どんどん常識になっていくのを見てきた皆さんには,つながることでまったく新しい価値を生む車の未来が見えているようです。

基調講演登壇者全員が最後に勢ぞろい

>基調講演登壇者全員が最後に勢ぞろい

著者プロフィール

小坂浩史

gihyo.jp編集部 所属。最近では電子書籍の制作にも関わる。