E=mc2 とE=hν の2つの式
第10回では,
実はこの年の3月のAnnalen論文では, E=hν を見事な論法で得ていたのです。これは光の最小単位があって,
ここではまず,
本稿のために,
Über einen die Erzeugung und Verwandlung des Lichtes betreffenden heuristischen Gesichtspunkt
の原文と,
武内助教授の講義
筆者は,
そして2年生の後半だったか3年の前期だったか忘れたのですが,
この講義で聞いていたのが,
コラム3:(独)heuristische (英)heuristic とは何か
3月論文のタイトルに使われているこの単語は,
アインシュタインの本当に画期的な仕事は光量子仮説だった
アインシュタインというと相対性理論ということですが,
アインシュタインが光に関する疑問の解明に取り組んだのが19歳。そしていくつかの問題を解決したのが26歳です。筆者は20歳のときにそういう事柄について講義を受けていたのです。
残念ながら講義の細部までの納得には至らなかったし,
その疑問の一つが,
今思うと質問するべきでした。というのは,
アインシュタインのこの時代には,
アシンシュタインは重要結論を数式では表していなかった! 慎重さのためか?
アインシュタインは,
9月論文は手品のようでもあり,
表1 3月論文と9月論文のエネルギー式導出の対比
3月論文 | 9月論文 | |
量子力学の光量子論 | 対性理論の帰結 | |
式にすると | E=hν | E=mc2 |
原文では文章で記述 | ![]() | ![]() |
訳 | 低い密度の単色光輻射は, (意訳) | ある物体がエネルギーE を光の放射の形で放出すると, |
注:原文では光速としてV を使っているがここではc とした。このように原文ではプランク定数h の代わりにその意味を示すRβ/N を使っている。
ただし
- R :ガス定数
- β=h/
k (k.ボルツマン定数) - N :モル数
別の側面から,
ハーゼンエールの論文では,
アインシュタインは1901年から毎年,
ですから,
これは蛇足ですが,
それに,
ハーゼンエールの式だけを見ると,
- ※2)
- F. Hasenöhrl: Zur Theorie der Strahlung in bewegten Körpern, Annalen der Physik, 1904, pp.
344-370