Windows Azure通信2014

2014年2月第1週Windows Azureにおけるアプリケーションデザインパターン公開、ストレージの値下げ発表(3月から)、Microsoft、Open Compute Projectに参加

Windows Azure利用におけるアプリケーションのデザインパターンガイドを公開(1/29)

利用シナリオを元にしたWindows Azureの実践的ガイドである『patterns & practices Windows Azure Guidance』に"Cloud Design Patterns"が追加、公開されました。こちらはシリーズの5番目にあたり、クラウド上のアプリケーション構築におけるデザインパターンがまとめられています。

Cloud Design Patternsの全体構成
Cloud Design Patternsの全体構成

クラウド利用を考慮に入れた、アプリケーション設計上の問題を回避するためのデザインパターンは、①Availability(可用性⁠⁠、②Data Management(データ管理⁠⁠、③Design and Implementation(設計と実装⁠⁠、④Messaging(メッセージング⁠⁠、⑤Management and Monitoring(管理と監視⁠⁠、⑥Performance & Scalability(パフォーマンスと拡張性⁠⁠、⑦Resiliency(回復性⁠⁠、⑧Security(セキュリティ)の8つにカテゴライズされており、合計25種類が掲載されています。

Windows Azureストレージの2014年3月からの値下げを発表(1/24)

2014年3月から、Windows Azureストレージおよびトランザクションが値下げされることが発表されました。Microsoftは、高性能かつ低価格のクラウドサービスとしてWindows Azureを提供する方針の元、Windows Azureのコンピューティング、ストレージ、帯域などの価格をAmazon Web Servicesの価格に合わせる旨の発表を2013年4月に行っています。

2014年3月13日より、BLOBストレージ(ブロックBLOB/ページBLOB⁠⁠、トランザクションに対する新価格が全世界で適用され、最大で20%の値下げとなります。これにより、AWSの同様のサービスと比較した場合、 Windows Azureストレージ費用は多くの地域で下回ることになります。

MicrosoftがOpen Compute Projectに参加、クラウド向けサーバーデザインを提供(1/27)

Microsoftは、クラウドや大規模コンピューティングのための効率的なハードウェアを構築することを目的とした、オープンなコラボレーションプロジェクトであるOpen Compute Project(OCP)に参加することを発表しました。そして、Microsoftが運営するデータセンターのために設計された"cloud server specification"と呼ばれる、世界規模でWindows AzureやBing、Office 365といったクラウド コンピューティングサービスを提供するための、サーバハードウェア仕様が提供されることになりました。併せて、サーバ診断/電源供給/ファン調整といったハードウェア管理のためのソフトウェアコードもMicrosoft Open Technology Inc.から公開されています。

Open Compute Project
Open Compute Project

Windows Server向けに最適化され、Windows Azureを、可用性・拡張性・効率性の高いクラウドサービスとして提供できるように構築されており、これまでのエンタープライズ向けサーバと比較すると、サーバコストの40%削減、15%省電力、デプロイにかかる時間の50%削減などを実現しています。

Windows Azure のサービス概要

Windows Azure仮想マシン

Windows Azure仮想マシンは、クラウド上で仮想マシンによるサーバ環境(IaaS)を提供するもので、Windows Server/Hyper-Vによる仮想技術を利用しており、OSとしてWindows ServerとLinuxをサポートしています。

Windows Azure仮想マシン
Windows Azure仮想マシン

各種OSやランタイム(.NETだけでなくJavaにも対応しています⁠⁠、アプリケーションサーバなどをインストール済みのイメージがWindows Azure内に用意されている他、OSSのアプリケーションやフレームワークなどをインストールしたコミュニティベースのイメージも利用でき、数クリックで仮想マシン環境を作成して利用できます(Microsoft製品がインストール済みの仮想マシンは、製品ライセンス料込みの価格設定になっています⁠⁠。

Windows Azure仮想マシンの実体はVHDァイルであり、Windows Azureストレージに格納されて永続化され、自動で3重のバックアップが行われます。また、Windows Azureストレージ側の地理冗長を利用すると、ペアとなっている同じ地域の別のデータセンター(例:東アジアのペアは東南アジア)にもバックアップが行われます。

ディザスタ対策
ディザスタ対策

Windows Azureは社内/ローカルの仮想環境とシームレスに連携でき、Windows Azureまたはローカルで作成したVHDは、必要に応じてコピーや移動を行って、どちらでも稼働させることができます。

他のWindows Azureのコンピューティングサービスと同様に、Windows Azure仮想マシンもサーバ台数の増減やスペックの拡縮を容易に行うことができ、ビルドインされたロードバランサを利用して負荷分散を設定することができます。ちなみにWindows Azure仮想マシンを作成した際、セキュリティ強化のためにデフォルトで開放されているポートはリモートデスクトップなどに限定され、ポートの値もランダムに設定されています。

他、複数の仮想マシンを物理的に近い場所に配置することで、仮想マシン同士の通信におけるネットワーク遅延を押さえる⁠アフィニティグループ⁠⁠、1ヵ所でハードウェア障害が発生した場合でも影響を受けない場所に仮想マシンを配置するように指定できる⁠可用性セット⁠など、巨大なデータセンターで稼働するサービスの信頼性とパフォーマンスを両立するための機能が備わっています。

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