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2008年3月25日Gnome 2.22.0登場 - HALでvideo4linux対応、ダイレクトリレンダリング有効、アップグレード手順、トラブルシューティング

heads-up

GNOME 2.22.0

current - Gnomeのport(x11/gnome2)が2.22.0へアップグレードされました。2.220ではWebカメラを扱うアプリケーション Cheeseが追加されているほかフラッシュプレーヤの追加、GStreamerの大幅なアップデート、マルチメディアサポートの強化、ネットワークファイルシステムの機能追加、クロックアプレットにタイムゾーン機能を追加、EvolutionでGoogle Calendarをサポート、リモートデスクトップアプリの追加、LZMA (7-zip)のサポートなどが実現されています。

図1 Gnome 2.22.0 + Compiz on FreeBSD 動作例 (1)
図1 Gnome 2.22.0 + Compiz on FreeBSD 動作例 (1)
図2 Gnome 2.22.0 + Compiz on FreeBSD 動作例 (2) - Cheese
図2 Gnome 2.22.0 + Compiz on FreeBSD 動作例 (2) - Cheese

アップグレート方法は/usr/ports/UPDATINGにまとまっています。たとえばportupgrade(1)を使っている場合には次の手順でアップグレードを実施します。どうしてもアップグレードに失敗する場合、pkg_delete -afですべてのアプリケーションを削除して1からインストールし直した方がいいこともあります。

プロンプト3 Gnomeを2.22.0へアップグレードする方法 portupgrade(1)の場合
# pkgdb -Ff
# portupgrade -f gstreamer-plugins-good
# pkg_deinstall -fO gnome-applets\* totem\* gnome-control-center\*
# portupgrade -aOW

FreeBSD サイドから見た場合、Gnome 2.22.0ではvideo4linuxデバイスが動作するようにHALが更新されたこと(Cheeseで使うためとみられる)、ダイレクトリレンダリング(DRM)がサポートされたことが注目されます。DRMを有効にするにはgconf-editor(1)で /apps/metacity/general/compositing_managerのチェックを有効にするか、次のようにgconftool-2 (1)コマンドを実行します。

プロンプト4 DRM機能を有効にする
% gconftool-2 -s --type bool /apps/metacity/general/compositing_manager true

2.22.0では Gnomeの自動マウントシステムが変更されています。この新しい機能を使うにはgnome-volume-managerが自動的にリムーバブルメディアをマウントしないように設定を変更する必要があります。またHALを経由してUSBメモリなどが自動マウントされている場合、アンマウントは Nautilus経由で行うなど正しい手順を踏む必要があります。手動を無視して手動で引き抜いた場合システムがパニックする原因になります。

プロンプト5 volume-managerがリムーバブルメディアを自動処理しないように設定を変更 - 新しい自動マウント機能を使うため
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/automount_drives false
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/automount_media false
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/autobrowse false
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/autoplay_cda false
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/autoplay_dvd false
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/autoplay_vcd false
% gconftool-2 -s --type bool /desktop/gnome/volume_manager/autoprinter false

どうしてもアップグレードがうまくいかない場合や、pkg_delete -afを実行したもののX.Orgすらインストールできなくなった場合などは、2008-03-24 15:59:55 UTCにコミットされたports/Mk/bsd.gnome.mkに対する修正が取り込まれていない可能性があります。不慮の操作でコンポーネントの依存を指定する部分が削除されてしまった期間があったため、この間にPorts CollectionをアップグレードしたユーザはGnomeのアップグレードに失敗します。最新のPorts Collectionに更新して試してみてください。

pkg_delete -afしたらX.Orgすらインストールできなくなった、という場合も同様です。ビルドの途中でHALが要求され、最終的にGnomeのコンポーネントを必要とするのですが、依存関係の指定が抜けているためビルドに失敗し、最終的にX.Orgがビルドされません。最新のPorts Collectionに更新してからもう一度アップグレードを試してみてください。

Gnome 2.22.0にアップグレードしたらマウスの動作が不審になったという場合は、/etc/X11/xorg.confのマウスのセクションでOption "Device" "/dev/psm0"のようにデバイスファイルを明示してみてください。"/dev/sysmouse"では動きが不審になります。HALの関係だとみられます。

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