FreeBSD Daily Topics

2010年9月21日FreeNAS 8の目標と進捗報告

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FreeNAS 8 - First alpha snapshots

Warner's Random Hacking Blogの「FreeNAS 8 -- First alpha snapshots」において、FreeNASの主要開発者であるWarner Losh氏が今後のFreeNASが目指すものや、現在のバージョンではどういった開発が実施されたのかを簡単に紹介しています。

FreeNASはFreeBSDをベースに開発されたNASソリューションですが、主要開発者がLinuxベースへ移行したいと意思表示をしてから、FreeBSDベースのFreeNASとLinuxベースの別プロジェクトという2つへ分岐しました。分岐後はFreeNASはiXsystemsに支援のもとで開発が実施されています。FreeNASの当面の目標は次のとおりです。

  • m0m0wallベースの従来のFreeNASをもっと拡張可能なフレームワークへ作り替え。モジュールベースのシステム拡張を実現していく。
  • FreeBSDで実現された最新技術の活用。
  • ベースとなっているFreeBSDのアップグレードをより簡単に実現できるように変更。

目標へ向けて、現段階で次の取り組みが実施されたことが紹介されています。

  • システムをNanoBSDベースへ移行。結果として、NanoBSDで開発された組み込み技術が活用できるようになったほか、FreeNASで開発された機能をFreeBSDへバックマージしやすくなった。
  • FreeBSD Ports Collection / Packageシステムの採用。ユーザが自分でパッケージを追加してシステムを拡張することも可能。ただし、将来的にはより簡単な拡張を可能にするためにPC-BSDのPBIを採用する見通し。
  • サービスの起動にはrc.d機構を採用。このためFreeBSDベースシステムのアップグレードが簡単。
  • フロントエンド開発をdjangoベースへ移行。これにより、あとから追加したパッケージから簡単にフロントエンドに新しいUIを追加することができるようになる見通し。

FreeNASは手軽にNASストレージを構築する方法として人気があります。特にZFSに対応してからは、ZFS/NFS/SMB対応NASストレージソリューションとして注目されています。iXsystems支援のもとでの開発に切り替わってから、より最新版のFreeBSDの機能をふんだんにとりこみ、これまで問題視されてきた「拡張性」という部分にも焦点があたるようになり、今後の展開が期待されます。

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