FreeBSD Daily Topics

2011年5月30日GEOMパフォーマンス分析、最適化とマルチスレッド対応

2011年5月13日および14日、カナダのオタワにて*BSD国際会議「BSDCan 2011」が開催されました。11日および12日にはチュートリアルが開催された他、FreeBSD DevSummitも開催されています。4日間の中から、とくに興味深い話題をピックアップして紹介します。

GEOM Performance and multi-threaded

ZFSやGEOM、HASTの開発者であるPawel Jakub Dawidek氏からGEOMのパフォーマンス計測と高速化に関する発表がありました。FreeBSDはIOを拡張する仕組みとしてGEOMを採用しており、ファイルシステムに依存しない機能追加方法としてますます重要な位置を占めるようになりつつあります。

GEOMを利用することでファイルシステムに関係なくミラーリングや暗号化などが可能になります。ZFSもGEOMを利用しています。これまでATAサブシステムで提供されてきた機能もCAMに統合され、かわりにGEOMで同様の機能を提供するなど、FreeBSDのIOにとってGEOMはすでに欠かせない存在です。

しかし、現在のGEOMはあまりスケールしません。Pawel Jakub Dawidek氏は分析と実験を進め、どの部分がスケールしない原因になっているかを特定。さまざまな最適化や、クリティカルパスになっている部分をマルチスレッド化することでスケールするように変更。実験レベルですがかなり魅力的な高速化が実現されたことが報告されました。

FreeBSDへマージするには安全性の検証を進める必要がありますが、とくに問題がなければGEOMのスケール対応がFreeBSDへ取り込まれることになると見られます。従来以上にIOのスケールが期待できます。

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