Linuxカーネルは肥大化/巨大化しすぎている ─Linuxの生みの親であり、現在もLinuxカーネルのメンテナンスをリードするLinus Torvalds氏の発言が話題を呼んでいる。
問題の発言は、9月21日から米オレゴン州ポートランド市で行われていたLinuxカンファレンス「LinuxCon 2009」のラウンドテーブルでのこと。会議のモデレータであるNovellのJames Bottomley氏が「最近のLinuxカーネル開発はペースが速すぎやしないか? 安定する前にどんどん新しい仕様が追加されているのでは」とLinus氏に意見を振ると、Linus氏は「我々はどんどん肥大化/巨大化していっている。そう、たしかに問題だ(We're getting bloated and huge. Yes, it's a problem.)」と答えたという。
Linus氏はBottomley氏がいう“カーネルの安定化”については「さほど心配していない」としながらも、「バグが見つかるたびに、みんながすぐさまメンテナンスを行って、それをふさぐ。それはいいことなんだけどね、コードが肥大化することを除けば」と語り、「残念ながら15年前、僕が思い描いていたカーネルとはまったく違うものになってしまっている」と、カーネルの肥大化について懸念を表明している。ちなみに15年前とは、Linus氏がヘルシンキ大学でLinuxの開発を始めたころだ。
カーネルの肥大化は「受け容れがたいことではある、でも、おそらくそれが避けられないことも知っている」 ─Linus氏のこのコメントに対し、Bottomley氏は「それがオープンソースさ」と返したという。オープンソースという開発スタイルを選んだからには、コードの肥大化という宿命は避けられないということなのだろうか。
なお、Linus氏はこの10月に10年ぶりの来日を果たす。