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2010年7月9日カーネル2.6.35のフィックスは秒読み? Linus氏休暇中も開発は進む

次のLinuxカーネルのバージョンは2.6.35、リリースは8月中と見られている。Maverick MeerkatことUbuntu 10.10など、秋以降にリリース予定のメジャーなディストリビューションで採用されることがほぼ確実なバージョンだ。現在のところ6月下旬に公開されたリリース候補第4版(2.6.35-rc4)が最新だが、これ以降の版はおそらくバグフィクスがメインになると見られている。つまり新機能はほぼRC4で出揃ったと見てよさそうだ。

2.6.35でとくに注目したいのはグラフィック周りのサポートだろう。すでに2.6.34でAMD Radeonグラフィックチップの電源管理がサポートされたが、2.6.35ではこれをさらに改良、最適化を十分に図っているようだ。また、同じくAMDのEvergreen GPUの3Dサポートも本格化するという。Intel製品についてもさまざまな機能追加が行われるようで、IronlakeドライバにおけるH264デコードのほか、Sandy Bridge、Cougar Pointなど次世代チップセットのサポートも開始する。

以下、こぼれ話。RC3→RC4となる前に、Linus Torvalds氏はかなりきびしい改善要求をカーネル開発者たちに求めていた。その後、Linus氏は6月中旬に趣味のスキューバダイビングを堪能するため2週間の休暇を取っている。メンテナーたちか必死でコーディングしていた間、Linus氏は進行状況はスマートフォン(おそらくNexus One)で確認していたものの、⁠コードは1行も書かず、水中で快適な時間を過ごしていた」としている。休暇から戻って1週間でRC4をリリースしていることからわかるように、RC4はLinus氏にとってもかなり満足度の高い出来だったらしく、⁠僕が休暇で遊んでいたにもかかわらず、2.6.35はタイムリーにばっちり出せそうだ」とコメントしている。努力が報われてよかったですねー。

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