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2012年12月14日 センチメンタルになるかって? いい厄介払いだよ─Linus,カーネルからi386関連コードを削除

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あまり問題がないと思っていたら土壇場でカーネルスワップデーモン(ksapd)の問題で四苦八苦し,ようやく12月10日(米国時間)にリリースしたLinux 3.7。最大の注目点はARMアーキテクチャ関連の大幅な改善で,64ビットARMやARMマルチプラットフォームのサポートが行われている。そのほかBtrfsのアップデートやNFC v4.1の正式サポートなどもあり,派手な話題は少ないものの,地道に進化していてる印象だ。続くLinux 3.8のマージウィンドウもさっそくオープンしており,年内は12月24日までプルリクエストを受け付けるようだ。

カーネルが3.7,そして3.8へと進化しようとしているその横で,一世を風靡したひとつのアーキテクチャのカーネルサポートが終わりを告げた。Linux 3.8ではi386の通称でおなじみのIntel 80386プロセッサのサポートを終了することが決定し,Linusはすでにメインラインツリーからi386関連のコードを削除している。

1985年に誕生したi386だが,すでにIntelが2006年に生産中止を発表してから6年以上が経過しており,これ以上,歴史の遺物となったアーキテクチャをサポートし続けることに意味がなくなったと思われる。今回のコード削除により,i386のために生じていた複雑性の問題からも,貴重な開発リソースを割く必要性からも解放されることになる。

当然ながらこの判断を下したのはLinus Torvaldsである。GitHubのカーネル開発者メーリングリストにおいてRed HatのIngo Monar氏が書いた「若干のノスタルジックコストはあるかもしれない。(Linusが)1991年から使っていたオリジナルの386DX 33マシンはもう新しいカーネルではブートしなくなる」という一文に対し,Linusは「そんなことで感情的になったりしないよ。いい厄介払いができた(I'm not sentimental. Good riddance.)」といかにもLinusらしいコメントを返している。

なお,Linuxカーネルのi386サポート中止を受けて,GCCプロジェクトもi386のサポートを中止すべきではないかという議論が始まっている。いずれにしろ,i386が過去形でしか語られない日はそう遠くないようだ。

著者プロフィール

階戸明(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。

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