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2014年12月3日 CoreOSがコンテナ実行エンジン「Rocket」をリリース,Docker対抗に転じる

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「Dockerをプラットフォームとして見たとき,これはもう,我々が待ち望んでいたようなシンプルでコンポーザブルなビルディングブロックに成長していくとは思えない」⁠12月1日(米国時間)⁠CoreOSのCEOであるアレックス・ポルヴィ(Alex Polvi)は,CoreOSによるコンテナ実行エンジン「Rocket」をオープンソースとしてGitHubで公開したことを,同社のブログで発表した。⁠RocketはDokcerのオルタナティブだ」とはっきり明言しているところから,明らかにDocker対抗のコンテナ技術としてリリースしたことが窺える。

Rocketは以下の3つの要素から構成される。

イメージフォーマット「App Container Image(ACI)」
AWSのAMIのような暗号化/認証されたマシンイメージをtarballで作成
コンテナ実行環境「App Container Runtime」
Rocketのコア部分で,アプリケーションを実行するデバイスや環境,外部のコンテナと接続するメタデータサービスインタフェースなどを含む
ディスカバリメカニズム「App Container Discovery」
適切なアプリケーションコンテナイメージを探すためのメソッド

現在のバージョンは0.1.1でポルヴィは「多くのユーザからのフィードバックを望む」とユーザに呼びかけている。

このニュースは世界中のオープンソース関係者を驚かせた。CoreOSといえば,Dockerと対にして語られることが多いLinuxディストロである。RackspaceのようにCoreOSとDockerを組み合わせたベアメタルサービスを提供するプロバイダも存在するくらい,その親和性の高さは誰もが認めるところだった。

だが最も驚き,戸惑っているのは当のDockerのようだ。Dockerのベン・ゴラブ(Ben Golub)CEOは「Dockerはまだ誕生してから18ヵ月の会社だが,オープンソースのアプリケーションコンテナ実行環境のエコシステムを作ることにすべての力を注いできた。そしてその方向性は今も間違っていないと信じている」とブログでコメントしており,⁠Rocketについては技術的にも思想的にもいろいろと思うところがあるので,それについてはこれから投稿していく。それにしてもどうしてこの時期にRocketをアナウンスしてきたのか,疑問を感じざるを得ない」と,控えめではあるがRocketとCoreOSに対しての不快感を表明している。

2014年のオープンソース界隈で最もスポットライトが当たったDockerは,数多くのビッグカンパニーや投資期間から多額の出資を受け,この1年で大きく成長した。Red Hat,IBM,Microsoft,AWSなど,Dockerとの積極的な提携を発表した企業も多い。まさにすべてが上り調子に行っているときに,カウンターパートともいえるCoreOSからのライバル宣言。ポルヴィはブログで,Dockerが大規模システム(巨大クラスタやクラウド)での適用に傾きすぎ,多機能化に走っていると指摘している。コンテナ本来の魅力であるシンプルなアプリケーションコンテナ環境としての枠から逸脱しているとしているというわけだ。この「身内からの反乱」にDockerは今後どう対応していくのかに注目したい。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。

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