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2016年8月2日つねに変化し続けるOSへ ―Solusプロジェクトがローリングリリースに移行

DebianやUbuntu、FedoraなどメジャーなLinuxディストリビューションをベースにすることなく、Linuxカーネルから独自のスクラッチOSを開発しているオープンソースプロジェクトのひとつにThe Solus Projectがある。もともとは2011年にスタートしたSolusOS Projectに端を発するが、当時はDebian/GNOMEベースのデスクトップ向けOSだった。

その後、2014年からあらたにスクラッチから開発するThe Solus Projectとして始動、現在の最新バージョンはLinux 4.4をコアとするSolus 1.2となっている。独自のデスクトップ環境である「Budgie」⁠GNOME互換)のシンプルでエレガントなUIも大きな特徴のひとつだ。

Budgieの画面(Solusのブログより)
Budgieの画面(Solusのブログより)

現在、SolusはポイントリリースであるSolus 1.2.1の公開が当初の予定より遅れているが、プロジェクト側はその理由のひとつとして「ローリングリリースへの移行」を挙げている。Arch LinuxやGentoo Linux、openSUSE(Tumbleweed)など、中規模なLinuxプロジェクトで採用されることが多いローリングリリースだが、Solusも「スタティックなリリーススケジュールに縛られることなく、アップデートのスピードを上げていきたい」と主張している。

Solus 1.2.1ではGCC 6.10、GNOME 3.20、X.Org Server 1.18.4といった主要なソフトウェアのアップグレードが予定されているほか、デスクトップ環境のBudgieのアップグレードもターゲットに入っている。もともとはこのBudgieを現行バージョンの10.2.6から10.3に上げる予定だったが、現在の開発状況では難しく、10.2.7へのメンテナンスアップデートにとどまることを余儀なくされた。こうした個々の問題に対応しながらも、⁠フィックスした個所や変更点がアベイラブルな状態になってから順次提供できる」ローリングリリースを選んだとしている。パッケージ内のすべてのソフトウェアを最新かつ整合性がとれた状態でいっせいにリリースすることは簡単ではなく、とくに開発人数やリソースが限られたSolusのような中規模プロジェクトの場合はより顕著になる。こうした理由から今後もローリングリリース採用のLinuxプロジェクトは増えていくと見られる。

Replacement of Release Schedule| Solus

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