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2017年1月20日LinuxやGitだけじゃない ―Linusが生んだもう1つのソフトウェア「Subsurface」4.6に

Linuxの生みの親であり、いまもLinuxカーネル開発を率いるリーダーとして活躍する我らがLinus Torvalds。彼が作り出したソフトウェアとしてはほかにもGitが有名だが、実はもうひとつ、Linusがかかわるオープンソースプロダクトが存在する。スキューバダイビングのログやプランニングのためのSubsurfaceがそれだ。そのSubsurfaceが1月18日(米国時間⁠⁠、メジャーアップデートである「Subusurface 4.6」を発表した。

Announcing Subsurface 4.6

SubsurfaceはLinuxのほか、WindowsやmacOSをサポートするマルチプラットフォームなオープンソースプロダクトで、ライセンスはGPLv2。対応するLinuxディストリビューションはUbuntu、Mint、Debian、Fedora、OpenSUSEなどで、メジャーなディストロはほぼすべてサポートしている。

Subsurfaceの画面
Subsurfaceの画面

また、ダイビングに欠かせないダイビングコンピュータについても非常に多くの製品をサポートしているのが大きな特徴だ。Subsurfaceはダイブコンピュータからログを読み取り、ダイビングごとに詳細なログを自動でクラウドストレージ上に残せるほか、ダイビングの計画を立てることも可能。GPSとマップインタフェースを連動させダイビングスポットの詳細な情報を表示させることもできる。英語のほか、フランス語、ドイツ語、フィンランド語などで利用できるが、残念ながら日本語は公式サポートには入っていない。

新しくなったSubsurface 4.6ではインタフェースやダイビングサポートなどの面で多くの改善がなされており、減圧状態を可視化するヒートマップやHeinrichs Weikamp製のダイブコンピュータ「OSTC 4」サポートの改善、⁠Citizen Hyper Aqualand」⁠Dive Rite NiTek Q」といったダイブコンピュータのサポート追加などが含まれる。

Linusの趣味がダイビングであることは広く知られているが、Subsurfaceのサイトによれば、2011年、カーネル開発のフラストレーションを晴らす手段として、Linusが過去のダイビングログを残すと決めたことがこのプロジェクトのきっかけだという。Linusは開発者を集めてチームを構成、はじめはLinuxだけだったが、現在はマルチOS対応のプロダクトに成長した。いまもLinusはSubsurfaceの開発に関わっているが、2012年秋からはVMwareのChief Open Source Officerを務めるDirk Hohndel氏がメンテナーとしてプロジェクトをまとめている。

LinusとDirk Hohndel氏といえば「LinuxCon Japan」⁠2人放談⁠を思い出す人も多いのでは? この写真は2016年の「LinuxCon Japan」での2人。Subsurface開発でも息の合ったコンビとして活躍している。
LinusとDirk Hohndel氏といえば「LinuxCon Japan」の“2人放談”を思い出す人も多いのでは? この写真は2016年の「LinuxCon Japan」での2人。Subsurface開発でも息の合ったコンビとして活躍している。

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