Linus Torvaldsは7月2日(米国時間)、「Linux 4.12」を正式公開した。5月中旬から約2カ月弱、7本のリリース候補版(RC)を経てのリリースで、とくに大きなトラブルもなく正式公開に至っているが、Linusは「Linux 4.12は歴史的に最も大きいリリースのひとつ」とコメントしている。
- Linux 4.12: Linus Torvalds
カーネルサイズが大きくなった原因についてLinusは「AMD Vega(製品名: AMD Radeox RX Vega)サポートのためのヘッダファイルの追加」を挙げており、これが全体のパッチの約半分を占めているという。AMDの次世代GPUアーキテクチャであるVegaはマシンラーニング分野などでの導入拡大が見込まれているが、Linuxカーネルにおいても今回はじめてサポートされることになる。
グラフィックドライバ関連ではもうひとつ、NVIDIAのGPUアーキテクチャ「Pascal」を搭載した「NVIDIA GeForce GTX 1000」シリーズのNouveau DRMによるサポートだ。GTX 1000シリーズのサポートも今回が初となる。
その他の主な新機能としては
- I/Oスケジューラ「BFQ(Budget Fair Queing)」および「Kyler」のメインライン追加
- BtrlfsのRAID 5/6における改善およびMD(Multiple Device) RAIDの最適化
- Raspberry Piユーザ向けに「Broadcom BCM2835」サーマルドライバの追加
などが挙げられる。
LinusはLinux 4.12の公開に伴い、次のリリースである「Linux 4.13」に向けてすでにマージウィンドウをオープンしている。