AWS(Amazon Web Services)は12月13日(米国時間)、AWSの仮想サーバ「Amazon EC2」上で稼働する「Amazon Linux 2」のリリース候補(RC)版の提供を開始した。ベースとなるLinuxカーネルのバージョンは4.9で、5年間の長期サポート(セキュリティアップデート、バグフィクスなど)を含む。
Amazon Linux 2 LTS Release Candidate Available
Introducing Amazon Linux 2
Amazon Linux 2はEC2上で稼働する仮想マシンイメージ(AMI: Amazon Machine Image)として提供されるほか、Amazon ECSなどのコンテナ環境で動くDockerコンテナイメージも用意される。またオンプレミスでの利用を希望するユーザを考慮し、VMware、VirtualBoix、Hyper-Vといったサードパーティの仮想環境での利用/開発も可能になっている。
カーネルはLinux 4.9をベースにAWS用にパフォーマンスチューニングなどが実施されており、起動システムにはsystemdをサポート、また開発ツールとしてgcc 7.2.1、glibc 2.25、 binutils 2.27を含む。
Amazon Linux 2ではセキュリティの強化を図るため、SSHキーのペアを利用し、リモートのrootログインを無効にすることで、リモートアクセスを厳格に制限している。また、潜在的なセキュリティ脆弱性を減らすため、インストールされるパッケージの数を減らしており、ユーザは必要に応じて「Amazon Linux Extras」というAWSが提供するリポジトリからPostgreSQL、MariaDB、Python、Node.jsなどのソフトウェアパッケージを追加することになる。なお、AWSユーザであればAmazon Linux 2を利用するのに別料金は必要なく、自分のEC2インスタンス上で動かすことが可能。
現時点ではAmazon Linux 2の一般提供(GA)の時期は明らかになっていないが、RC版でのフィードバックをもとに、そう遠くない時期にリリースされると見られる。