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2018年3月23日Linuxが「もっとも人気のある開発プラットフォーム」 ―Stack Overflow調査

世界最大級の開発者向けナレッジコミュニティ「Stack Overflow」が毎年実施している開発者を対象にしたレポート「Annual Developer Survey」が公開された。8回目となる今年の調査は1月に行われ、世界中から10万人を超える開発者が参加し、過去最大の規模となった。ここではその調査結果の中からいくつか興味深いトレンドをピックアップして紹介する。

Stack Overflow Developer Survey 2018
  • 調査に参加した開発者でもっとも多かった職業は「バックエンド開発者(57.9%⁠⁠」で、つづいて「フルスタック開発者(48.2%⁠⁠フロントエンド開発者(37.8%⁠⁠モバイル開発者(20.4%⁠⁠」となっている。昨今のITトレンドを反映してか、⁠DevOpsスペシャリスト(10.4%⁠⁠」や「データサイエンティスト/マシンラーニングスペシャリスト(7.7%⁠⁠」も見受けられる。
  • 「オープンソースにコントリビュートしている」という設問に対し、⁠Yes」は43.6%、⁠No」は56.4%という結果に。開発者が主に使っている言語によってオープンソースへの関与の割合が変わってくるという結果も出ており、たとえばRust、Julia、Clojureの開発者は70%がオープンソースに関わっているが、VBA、VB.NET、C#などMicrosoft由来の言語の開発者の場合は40%以下となっている。
  • 調査に参加した開発者のジェンダーの割合は「男性」が92.9%、女性が「6.9%⁠⁠、圧倒的に男性が多い結果に終わっているが、米国に限れば女性の割合は9%とのこと。なお、0.7%がトランスジェンダー(MtoF、FtoM含む)だったとしている。人種に関しては「白人またはヨーロピアン」が74.2%、⁠インドなど)南アジア」が11.5%、⁠ヒスパニック/ラテンアメリカ」が6.7%で、⁠東アジア」は5.1%。
  • 人気のあるプログラミング言語(スクリプト言語、マークアップ言語含む)に関する調査(複数回答)では、1位が「JavaScript(69.8%⁠⁠、2位が「HTML(68.5%⁠⁠、3位が「CSS(65.1%⁠⁠」という結果に。JavaScriptは6年連続の1位。つづいて「SQL(57.0%⁠⁠Java(45.3%⁠⁠」となっているが、今年は「Python(38.8%、7位⁠⁠」の人気が高かったという。ちなみに「Ruby」は10.1%で13位。
  • フレームワークの1位は「Node.js(49.6%⁠⁠」で、⁠Angular(36.9%⁠⁠React(27.8%⁠⁠.NET Core(27.2%⁠⁠」がこれに続く。また「TensorFlow」が7.4%でランクインしているのが注目される。
  • データベースに関しては、1位が「MySQL(58.7%⁠⁠、2位に「SQL Server(41.2%⁠⁠、3位に「PostgreSQL(32.9%⁠⁠」という結果に。⁠Elasticsearch(14.1%、7位⁠⁠」や「MariaDB(25.9%、8位⁠⁠」も人気。
  • 開発プラットフォームの人気調査では「Linux」が48.3%で1位に。2017年の32.9%から大幅にポイントを伸ばしている。2位は「Windowsデスクトップ/サーバ(35.4%⁠⁠、3位に「Android(29.0%⁠⁠、4位に「AWS(24.1%⁠⁠」がランクイン。また、Linuxは「もっとも好きなプラットフォーム」でも76.5%で1位に。

本サーベイでは調査結果からAIやDevOpsを現在もっとも重要なトレンドとして位置づけており、Pythonの人気上昇もそれにひもづいていると分析している。また、開発者の職業や人種、ジェンダー、活動、収入などについても興味深い調査結果が示されており、2018年の開発者の動向を知る上で示唆の多いサーベイだといえるだろう。

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