Fedoraプロジェクトのプログラムマネージャを務めるBen Cottonは7月18日(米国時間)、2018年10月にリリースが予定されている「Fedora 29」においてFPGAのサポートを行うことを明らかにした。カーネルレベルではLinux 4.4からFPGA managerに対応していたが、FedoraがディストリビューションとしてFPGAをサポートするのは今回が初めてとなる。
- F29 Self-Contained Change: Basic FPGA Support
FPGAサポートの理由としては、AI/マシンラーニングのニーズが急増しており、これらのワークロードを処理するのにGPGPUやFPGA、ニューラルネットワークプロセッサといった、ベーシックなCPUの処理能力を超えた技術が求められていることが挙げられている。Fedora 29ではLinuxカーネルで現在サポートされているAltera、Zynq、LatticeといったFPGAプロセッサをイニシャルサポート対象に加えていく予定だ。FPGAをサポートするFedora側のメリットについてCottonは「テクノロジ業界ではFPGAの活用が進んでおり、とくにIoT分野におけるAI/マシンラーニングのユースケースや、特殊なワークロードの稼働が求められるケースでの利用が増えている。ディストリビューションとしてFPGAをサポートすることは、こうしたワークロード実行の支援につながる」とコメントしている。
Fedoraプロジェクトは今後、最初のサポートハードウェアとしてLinaro 96Boards仕様の「Ultra96」とIntel Alteraベースの「UP2(Squared)」のテストを開始し、その他のFPGAデバイスについても順次サポートに向けて動き始めるとしている。