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2018年10月2日"完璧な"フリッカーフリー起動をめざすFedora 29

Fedoraプロジェクトの開発者でRed Hatに在籍するHans de Goedeは10月1日(オランダ時間⁠⁠、自身のブログに「Announcing flickerfree boot for Fedora 29」と題した投稿をポストし、10月末にリリース予定の「Fedora 29」においてフリッカーフリーな起動が実現する可能性が高いことを明らかにした。

Announcing flickerfree boot for Fedora 29 - Hans' hacking log

現在、FedoraやUbuntuといったメジャーなディストリビューションでは、起動時にブートシステム「Plymouth」を通してロゴやテーマ画像、アニメーションといったスプラッシュスクリーンが表示される。この間、バックグラウンドではカーネルによるさまざまな処理が行われているが、それらをユーザに見せるかわりにスプラッシュスクリーンを表示し、起動処理が終わったあとにログインマネージャが立ち上がる。ここで解像度やモードセットの急な変更が生じると画面に不要なちらつき(フリッカー)があらわれるため、Fedoraプロジェクトではユーザエクスペリエンスの観点から改善が望まれていた。

Goedeは「GRUBブートメニューを非表示にすることで、フリッカーフリーに大きく近づいた」としているが、ほかにも起動中の不要なモードセットの操作を無効にするIntel DRMドライバの「Fastboot」機能をサポートしたり、Plymouth起動中にEscキーを押すことでカーネルメッセージの表示に切り替えられるようにするなど、フリッカーフリーな起動に向けていくつかの成果を上げてきた。

そしてFedora 29ではこれらに加え、以下の2つパラメータをカーネルコマンドラインに加えることで、ほぼ完璧なフリッカーフリーな起動が実現するとしている(ただしGRUBメニュー非表示を有効にする必要がある)。
  • i915.fastboot=1 … i915ドライバを使った場合、不要なモードセット変更が起こらない
  • plymouth.splash-delay=20 … スプラッシュスクリーンが表示されるまでの時間を(デフォルトの5秒から)20秒に変更する

もっとも現時点ではIntelハードウェアでのみしか動作が確認されていないこともあり、Fedora 29の"デフォルト"になるには至っていないようだ。GoedeはAMDやNVIDIAとの共同作業も模索しているとしており、ユーザに対してもさらなるサポートやフィードバックを呼びかけている。Fedoraプロジェクトが注力してきた"完璧"なフリッカーフリーな起動の実現まで、あと少しのところまでたどり着いたのは間違いない。

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