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2018年10月11日Linuxとオープンソースを守るために ― Microsoft、「Open Invention Network」参加

Microsoftのコーポレートバイスプレジデントを務めるErich Andersenは10月10日(米国時間⁠⁠、Microsoftが「Open Invention Network(OIN⁠⁠」に参加すると発表、同時に6万を超える同社ポートフォリオのパテント(特許)をOINに持ち込むことを明らかにした。OIN参加企業はこれらのパテントをロイヤリティフリーで利用することが可能になる。

Microsoft joins Open Invention Network to help protect Linux and open source -Erich Andersen
Microsoft Joins the Open Invention Network Community - Open Invention Network / Press Release Details

Open Invention Networkは2005年に設立された企業連合で、Linuxやオープンソースにまつわるパテント関連の訴訟リスクを避け、自由なオープンソース活用を妨げないために、複数の企業によるパテントプールを運営してる。メンバーにはGoogle、IBM、NEC、Red Hat、SUSEといった大手ITベンダのほか、トヨタ、ソニー、Philipsなどユーザ企業も参加している。なお、メンバーのほかに、2600社を超える企業がライセンシーとしてOINに登録している。ライセンシー以上であれば今回のMicrosoftが持ち込んだ6万以上のパテントを自由に使うことが可能だ。

「MicrosoftはLinuxとオープンソースを守るためにOINに参加する」というタイトルを見て、Bill GatesやSteve Ballmerが現役だったころに「⁠⁠Linux/オープンソースは)Microsoftの権利を侵している」Linuxはガン細胞など、数々のLinuxおよびコミュニティに対する過激な発言をなつかしく思い出す向きもいるだろう。Andersenも「MicrosoftがOINにジョインするという決定に驚く人たちがいるのも無理はない。かつてパテントをめぐる争いでMicrosoftとオープンソースコミュニティの間には摩擦があったのは秘密でも何でもなく事実なのだから」とブログで触れており、続けて「一方で我々の進化をフォローしてくれる人々にとって、今回の発表が顧客とデベロッパの声に耳を傾け、Linuxとオープンソースプログラムに深くコミットしているいち企業にとって、次へと踏み出すロジカルなステップであると思ってもらえると願っている」とコメント、あらためてMicrosoftがLinux/オープンソースを大切にする企業であることを強調している。

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