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2019年3月20日 SUSE,ふたたび独立企業になる

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日本ではライバルのRed Hatの影に隠れがちだが,グローバルにおけるエンタープライズLinuxの世界ではSUSEのシェアは高く,とくに本拠地の欧州では多くの企業がインフラ基盤にSUSEのプロダクトを採用している。また,主力製品の「SUSE Linux Enterprise Server(SLES)⁠はインメモリデータベースの「SAP HANA」や列指向データベースの「Teradata Database」といったハイパフォーマンスなデータベースとの親和性が高く,さらにレガシーなメインフレームから最先端のパーシステントメモリに至るまで,幅広いハードウェアに対応できる柔軟性をもつことから,ヘテロジニアスな構成になりがちなエンタープライズ環境での評価は高い。もちろん,オープンソースの世界でも(これも日本では若干影が薄いが)openSUSEの開発元として,100を超えるオープンソースプロジェクトをサポートする企業として知られている。

そのSUSEが3月15日(ドイツ時間)⁠ふたたび独立企業として新たな一歩を踏み出したことを発表した。2018年7月,SUSEのオーナーであったMicro Focusが投資会社(グロースインベスター)のEQTにSUSE事業を25億ドルで売却すると発表していたが,その買収が8ヵ月越しでついに完了したのである。今後,EQTはSUSEのオーナーではなくパートナーとして同社の経営をサポートする。

SUSE Completes Move to Independence, Reaffirms Commitment to Customers, Partners and Open Source Communities as Industry's Largest Independent Open Source Company -SUSE Communities

Micro Focusの傘下にあったころから引き続きSUSEのCEOを務めるNils Brauckmannは「現代のITトレンドではオープンソースがエンタープライズにおいてより重要な地位を占めていることは明らかだ。そしてその事実は,真の独立系オープンソースカンパニーとしての我々のステータスを,これまで以上に高めてくれると確信している」と語っているが,最大のライバルであるRed Hatが年内にもIBMによる買収が完了する予定でもあることから,あらためて名実ともに世界最大手の独立系オープンソース企業としてのポジションを狙いにかかる姿勢をうかがわせる。

1992年に会社が設立(当時の社名はSuSE)⁠1994年に最初のディストリビューションである「S.u.S.E Linux 1.0」を出したのち,2004年にNovellに買収されたものの,2010年にはそのNovellが投資会社のAttachmate Groupに買収され,SUSEは一時的に独立企業に復帰する。しかし2014年に親会社のAttachmateがMicro Focusと合併したことにより,ふたたびMicro Focusの一事業部門となったものの,今回のEQTの買収により晴れて3度めの独立を果たすことになる。これほど経営母体がころころと変わっているにもかかわらず,SUSEのビジネス自体は成長を続けており,またオープンソースコミュニティのopenSUSEも長期に渡って健全に運営されている点も,事業継続が難しいとされているオープンソース企業にあって非常にレアなケースだといえる。

独立企業として新たなスタートを切ったSUSEだが,今後は欧州だけでなくRed Hatの後塵を拝していた米国や日本でのシェア拡大も期待される。新生SUSEのグローバル戦略にも注目していきたい。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。

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