Ubuntu Weekly Topics

2010年4月16日号 10.04のFinal Freeze・10.04 Japanese Remix Beta2・UWN#188

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10.04のFinal Freeze

10.04の開発が,Final Freezeを迎えました。致命的なバグ修正以外はRelease Teamによる査読・承認後に反映される形となるため,以降はリリース上致命的なバグ修正のみが適用され,機能拡張は(ほとんど)行われなくなります注1)⁠と言いつつも,インストーラに駆け込みでmpt2sasドライバが追加されたり注2)⁠まだi845ドライバのフリーズバグが直りきっていなかったり注3と,厳しめの問題がまだ幾つか残っている状態です。また,開発の最終段階で行わざるを得ない翻訳作業も,最後のスパートに入っています。ソフトウェア側の翻訳後,さらにリリースノートや技術概要の翻訳が行われる予定です。

あわせて,リリースまで2週間を切ったため,カウントダウンバナーの公開も行われています(しかも今回は4種類)⁠

この後,RCのリリース(4月22日)⁠universeリポジトリのフルビルド(4月26日から数日)を経て,クリティカルなバグを除去した状態で4月29日(日本時間では4月30日)にUbuntu 10.04がリリースされるはずです。

注1
「ほとんど」行われないだけで,まだ追加・補正が行われる可能性はあります。
注2
LSI社製SASコントローラの,SATA 3.0(6Gbps SATA)対応品各種のドライバ。Intelの56xx番台Xeonなどの『2010年の新製品』にしばしば搭載されているRAIDコントローラがこれです。言い換えると,この対応がないと,最新世代のサーバーをインストールする際には手動でドライバを適用する必要がありました。
注3
パッチが追加されることで直るはずです。ちなみに,このあたり「簡単なquiltの使い方」として良質なHowToがあります。

また,Ubuntu Japanese Teamでは,Ubuntu 10.04 Japanese RemixのBeta2をリリースしました注4)⁠テストとフィードバックをお待ちしています

注4
10.04のBeta2をベースにしているので便宜上「Beta2」としていますが,⁠Beta1」は存在しません。以降,RCとリリース版を準備する予定です。

Ubuntu10.04・10.04 Japanese Remixともに,デフォルトではウインドウの「最大化・最小化・閉じる」ボタンがウインドウの左上に配置されます。これまでのようにWindowsと同じ「右上への配置」が良い場合は,システム→設定→外観の設定から,⁠Human」テーマなどを選択してください。

もしAmbiance・Radianceテーマのままウインドウの配置を変更したい場合,mwbuttonsユーティリティを利用してください。ターミナルを開いて,次の操作でmwbuttonsユーティリティを入手できます。

wget https://launchpad.net/mwbuttons/trunk/v0.2/+download/mwbuttons -O mwbuttons && chmod +x mwbuttons 

次の操作で実行してください。

./mwbuttons

mwbuttonsを起動したら,⁠Settings」メニューから「Karmic Style」(これまでのUbuntuと同じ=Windows互換)⁠「Lucid Style」(10.04からのUbuntu標準)⁠「Mac OS X Style」(OS Xと同じ。Lucid Styleの設定に加えて,右上にウインドウメニューを開くためのボタンを表示)を選択することができますし,個別にボタン形式を選択することも可能になります。

図1 mwbuttonsのGUI

図1 mwbuttonsのGUI

Ubuntu Weekly Newsletter #188

Ubuntu Weekly Newsletter #188がリリースされています。なお,Chief Editorが募集されています

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-925-1:MoinMoinのセキュリティアップデート
  • 現在サポートされているすべてのUbuntu(6.06LTS・8.04LTS・8.10・9.04・9.10)用のアップデータがリリースされています。CVE-2010-0828, CVE-2010-1238を修正します。
  • CVE-2010-0828は,スパム防止のためのDespam機能において,XSSへの対策が不十分な問題です。不正なコンテンツの挿入により,JavaScriptの実行によるセキュリティ侵害が可能です。
  • CVE-2010-1238は,自動的なスパム投稿への対策となるTextChaが,特定のリクエスト方法をとることで迂回できてしまう問題です。この問題は8.10にのみ影響します。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-926-1:ClamAVのセキュリティアップデート
  • ClamAVがmainコンポーネントに含まれているすべてのUbuntu(8.10・9.04・9.10)用のアップデータがリリースされています。CVE-2010-0098を修正します。
  • CVE-2010-0098は,ClamAVがCAB形式アーカイブの中身をチェックするコードに問題があり,特殊な加工を施したCABアーカイブを用いることで,ウイルス検知を迂回できてしまう問題です。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-624-2:Erlangのセキュリティアップデート
  • Ubuntu 9.10用のアップデータがリリースされています。usn-624-1で修正された,PCREライブラリに由来する問題を解決します。
  • PCREライブラリの正規表現解釈エンジンに問題があり,特定の文字列が入力されると,ライブラリにリンクしたアプリケーションがクラッシュすることがありました。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-927-1usn-927-2:NSSのセキュリティアップデート
  • Ubuntu 9.10用のアップデータがリリースされています。 NSSに含まれるCVE-2009-3555への対策を行います。usn-927-2は,当初リリースされたusn-927-1のエンバグへの対策版です。
  • CVE-2009-3555は,TLS・SSLv3のプロトコル上に存在する脆弱性です。秘匿された通信時にrenegoが行われた場合,中間者攻撃により平文の挿入を許します。
  • 備考:CVE-2009-3555の詳細は,2009年11月27日号を参照してください。
  • 捕捉:usn-927-1の導入により,Firefoxのセキュリティ通信モードが正常に初期化できなくなっていました。usn-927-2はこの問題への対応です。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます(新しいrenego方式が導入されます)⁠
usn-927-3:Thunderbirdのアップデート
  • Ubuntu 9.10用のアップデータがリリースされています。 usn-927-1によりセキュリティ通信モードが利用できなくなったエンバグへの対策リリースです。
  • 対処方法:アップデータを適用した上で,Thunderbirdを再起動してください。
usn-920-1usn-921-1:Firefox 3.0・Firefox 3.5とXulrunnerのセキュリティアップデート
  • Firefox 3.0.19・Firefox 3.5.9に相当するアップデータです。
  • 対処方法:アップデータを適用した上で,Firefoxそのものと,Xulrunnerを利用しているアプリケーションを再起動してください。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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