Ubuntu Weekly Topics

2010年4月30日号 10.04のリリース・日本語Remixのリリース予定・10.04の注意点(2)・UWN#190

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Ubuntu 10.04のリリース

4月29日(木;ただし現地時間,注1),Ubuntuの新バージョンとなる10.04 LTSがリリースされました。10.04はLTS(長期サポート版)として,デスクトップ版が3年・サーバー版が5年のサポート期間を持つ,Ubuntuにとって大きな節目となるリリースです。Ubuntu独自のカーネル・GNOME関連パッケージに加えて,ベースとなっているDebian GNU/Linuxの2010年初旬のtestingリポジトリからインポートされた,多くのパッケージを利用可能です。

現在,各ミラーサーバーへファイルが転送されています。数日中に世界中のミラーサーバーからISOイメージをダウンロードできるようになるでしょう。また,BitTorrentによるダウンロードでも入手可能です。

注1
裏ではインストール後に他のOSがGRUB2から検出されないというバグがあり、各種ISOイメージが作り直されていたため、ミラーサーバーの管理者としてはちょっと涙目になったりしましたが;)

リリースノートと技術概要を読んだ上で,既存の環境のバックアップを行ってから試すことをお勧めします。

10.04日本語Remixのリリース予定

10.04の日本語Remixは,ゴールデンウィーク中のリリースを予定しています。アナウンスはメーリングリストで行われます。

10.04 における注意点

今回も,リリースの前後で判明している10.04の注意点を説明します。リリースノートも参照してください。

“Light”テーマ

10.04からは,新しくデザインされたLightテーマが利用されます。これは黒系のAmbianceと白系のRadianceの二つのデザインとなっています。これまでのUbuntuと同じテーマ(“Human”)を利用したい場合,「sudo apt-get install human-theme」を実行し,Humanテーマを追加導入してください。

なお,デフォルトではAmbianceが利用されます。

10.04へのアップグレードにより,フォント設定が妥当でなくなる

これは複数のfontconfigの設定の衝突によるもので,ttf-wqy-zenheiの導入によって顕在化します。ttf-wqy-zenheiは9.10など,10.04よりも古いバージョンでの繁体字中国語の標準フォントであったため,環境によっては依存性によって暗黙で導入されていることがあります。。結果,10.04へのアップグレードにおいて,次のような現象に遭遇する可能性があります。

  • フォントがビットマップを利用して表示される
  • 漢字の一部が繁体字中国語のものになる

この場合は「sudo apt-get remove ttf-wqy-zenhei」を行い,古い中国語フォントを削除してください。このフォントは8.04・9.10までの中国語環境・一部のJAVAパッケージ・TeX環境などで必要とされていましたが,10.04では不要となっています。

FTBFS状態のパッケージ

10.04のリリースは行われていますが,FTBFS(Fails To Build From Source; ソースからのビルド失敗)状態のパッケージが現状でも大量に存在します。10.04にアップグレード後,以前のバージョンでは存在していたにも関わらず利用できなくなったパッケージがある場合,FTBFSによってパッケージが完成していない可能性があります。

ただし,多くのケースではバージョンアップによってパッケージが存在しなくなっただけで,FTBFSによるものとは限りません。上述のudd.debian.org上の一覧を確認し,自分にとって必要なパッケージがFTBFS状態にある場合,なんらかの形で報告が必要な可能性がありますあなたにとって重要なパッケージであることが,メンテナに知らされていなければ,メンテナによって修正される可能性はあまり高くありません)。

dvipsk-ja パッケージが準備されていません

Ubuntu 10.04のリリース時点では,dvipsk-jaパッケージが準備されていません。TeX/DVI環境を利用しているユーザーで,直接PSファイルを作成する必要がある場合,問題が解決されるまで10.04へのアップグレードを延期するか,仮想環境等を用いてTeXLive2009などを動作させ,別途TeX/DVI環境を準備してください。TeXの利用そのものは,DVIからdvipdfmxなどのコンバータを利用して直接PDFを出力することで可能です。

これは,TeXの基盤環境をTeXLive2009ベースのものに移行する途中で,dvipsk-jaが依存するlibkpathseaライブラリの4系から5系への移行が(FTBFSにより)完了していないためです。Ubuntu 10.04のリリース以降に改善のための調整が行われる可能性があります(LP#511502)。

この件については明示的なバグ報告がほぼ行われていないため,dvipsk-jaパッケージの必要性が不明瞭なままとなっています。問題が重要なものとして解釈されていないため,解決が必要であればLP#570858を開き,「This bug affects 1 person. Does this bug affect you? Edit This bug affects 1 person. Does this bug affect you?」をクリックして「自分にとって影響がある」ことを宣言する必要があるでしょう。

Ubuntu Weekly Newsletter #190

Ubuntu Weekly Newsletter #190がリリースされています。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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