Ubuntu Weekly Topics

2012年7月13日号 12.04のIvyBridge内蔵GPU対応・インターネット接続性の自動チェック・Ubuntu TVの開発・OSC Sendai・UWN#273

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Quantalの開発

今週は開発の折り返しに近い位置にあることもあり,大きな成果物はあまり出てきていません注1)⁠ただし,⁠12.10で利用するカーネルは3.5? それとも3.6?」という問いかけに対して,来週確定させるよという回答が出ていることもあり,来週にはいくつか大きな動きが見えてきそうです。

注1
すぐに作業が完了する成果物はUDSの直後に,そして大物はFeature Freezeの前後まで引っ張る,というのがUbuntuの開発のよくある光景です。

“IvyBridge”内蔵GPU対応カーネル

12.04を⁠IvyBridge⁠(第三世代Coreシリーズ)を搭載した環境で利用している方に朗報です。12.04には「IvyBridgeの内蔵GPUに負荷をかけると固まる」というバグ(LP#999910が,proposedリポジトリでテスト中の3.2.0-27.43で改善しています。

IvyBridge搭載システムでフリーズに悩まされている方は,proposedになるカーネルを試すか,updateリポジトリに投下されたものを利用してみてください。

Ubuntu TVの開発レポート

Ubuntu TVの週刊の開発レポートが始まりました。Ubuntu TVを構成するコンポーネントの開発状況や,その週の開発の進捗,現状の課題などが毎週報告されていく予定です。

今週は初回ということで目を見張るような情報はありませんが,いくつか興味深い項目が含まれています。面白そうな部分だけを抜き出してみました。

  • Unity 3Dへの移行を進めている注2)⁠Qtで実装されていた部分をNUXに置き換えつつある。
  • Unity 3DをUbuntu TVで利用するにあたって,⁠Standalone」モードを準備する必要がある。テレビで動作するからには単体動作が必要だからだ。Unityを起動するコマンドの引数として,--force-tvを付けると「Standalone」になるようにした。
注2
12.10ではLLVMpipeとOpenGL ESによるUnity 3Dサポートが予定されており,これがうまく行くとUnity 2Dは廃止になる予定です。このあたりにさらっと書いてあります。Ubuntu TVプロジェクトでもNUXへの移行が進められている(どころかdeprecatedと言い切っている)ことから考えると,ほぼ確定した路線と言えそうです。

インターネット接続性の自動チェック

12.10では,⁠Network Managerにインターネット接続性を自動的に監視させる」機能が検討されています。

しかしながら,この機能は実装方法によっては「Ubuntuが動いているマシンを把握することが可能」というものにもなってしまうため,実装方法に議論が巻き起こっています。

同等の機能そのものはインストーラー(Ubiquity)にも搭載されており,Ubuntuのインストール時に,⁠うっかりインターネットにつながらないままインストールしてしまったために,言語サポートが中途半端に入った状態になる」といった問題を回避できるようになっています。これを踏まえ,⁠インストーラーは一回限りだから問題ないが,これを常時機能させるようにすると,企業内ではまるでUbuntuがシステムを見張っているかのように見えるのでマズイだろう」といった意見をはじめ,⁠便利だから実装しておきたい」派と「うかつに実装するとビッグブラザーになる」派の間で,いろいろな検討が続けられています。

ゴールがどこになるのかはともかく,議論の進め方や,こうした機能を実装する場合の常套手段などなど,いろいろと参考になる点も多いでしょう。興味のあるかたは実際の流れを追いかけてみてください。

オープンソースカンファレンス2012 Sendai

Ubuntu Japanese Teamは,7月14日(土)に東北電子専門学校で開催される,オープンソースカンファレンス2012 Sendaiに参加します。ブース展示のほか,恒例のセミナーも予定しています。近隣の方はぜひお越しください。

  • 日時:2012年7月14日(土)10:00-17:30
  • 入場:無料
  • 会場:東北電子専門学校(JC-21)
  • 主催:オープンソースカンファレンス実行委員会
  • 共催:東北OSS利活用検討会・東北学院大学 産学連携推進センター・学校法人日本コンピュータ学園 東北電子専門学校(JC-21)⁠株式会社仙台ソフトウェアセンター(NAViS)
  • 後援:宮城県高度情報化推進協議会 (予定)・社団法人宮城県情報サービス産業協会(予定)
  • 内容:オープンソース関連の最新情報提供(展示・セミナー)
  • twitterハッシュタグ:#osc12sn

UWN#273

Ubuntu Weekly Newsletter #273がリリースされています。

その他のニュース

  • MAASに関するWebinarの情報。
  • Tunnelbroker(IPv6トンネルを提供してくれるサービス)を利用して,12.04でIPv6環境を利用する方法
  • 複数の入力デバイスが存在する環境で,どの/dev/input/event*がどの入力デバイスに相当するのか,ということを追い詰めた話と,それを自動化するスクリプトについて。
  • イタリアで販売されているUbuntu搭載Netbookとラップトップについて。
  • chromium-daily PPAが止まっているchromium-browserの,更新版を提供するPPAについて。
  • 実際に出荷されたCalxeda EnergyCore搭載サーバーについて。

今週のセキュリティアップデート

usn-1498-1:tiffのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-July/001751.html
  • Ubuntu 12.04 LTS・11.10・11.04・10.04 LTS・8.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-2088, CVE-2012-2113を修正します。
  • 不正なtiffイメージを読み込んだ際,任意のコードの実行の可能性を含むクラッシュが生じる問題がありました。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1499-1:Linux kernel (OMAP4) のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-July/001752.html
  • Ubuntu 11.10用のOMAP4カーネルがリリースされています。CVE-2012-2375を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので,カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるので,通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-1500-1:Pidginのセキュリティアップデート

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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