Ubuntu Weekly Topics

2013年9月20日号 vUDS 13.08(4)・13.10のカーネル・中国でのUbuntu搭載モデル・UWN#334

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vUDS 13.08(4)

前回までに続いて,Ubuntuの開発会議,vUDS 13.08で話し合われた項目を見て行きましょう。今回CommunityApp Developmentです。

  • community-1308-quality-testreview:自動・手動を問わず,各種テストを充実させて,ソフトウェアの品質を高められるようにしよう。自動的にテストすべきところはなるべく自動的に,そして人力でテストせざるをえないマニュアルや,あるいは自動テスト項目の充実に人手を集められるようにしよう。
  • community-1308-app-story-hardware-requirements:ソフトウェアの中には,どうしても特殊なハードウェアを必要とするものがある。たとえばUbuntu Touch上で動作する地図アプリケーションにはGPSがほとんど必須だろうし,電話機能を扱うにはアンテナやモデムに相当するチップが必須だ。メディアプレイヤーには一定の解像度と,音声を再生するデバイスが必要になる。Ubuntu Touchで動作するアプリケーションでは,こうした機能の要求を,ソフトウェア側でうまく定義できるようにして,⁠インストールしてみたはいいが,まったく意味がない」という事態を防げるようにしよう。
  • community-1308-policy-of-default-click-packages:13.10のリリース時点で,⁠Click Package」としてコミュニティ制作のソフトウェアをある程度準備しておこう。
  • community-1308-quality-reporting-bugs:Ubuntuのバグ報告には一定の知識が必要で,一般ユーザーにとって「なんとかできる」ものとは言いがたい。これをもっと簡単にできないか検討してみよう。少なくともアプリケーションのクラッシュについてはApportを使ってもう少し良い状態にすることができるはずだ。
  • community-s-discussubuntu:Discourseを使って,discuss.ubuntu.comを立ち上げよう。
  • community-1308-xda-community:Ubuntuとして,XDAコミュニティとうまく連携する方法を考えてみよう。
  • appdev-1308-browser-user-agent:Ubuntu Touchで利用するWebブラウザの,user-agent文字列を検討しよう。今のところは「"Mozilla/5.0 (Ubuntu; $formFactor) WebKit/$webkitVersion"」になっている。これはどうあるべきで,そして,どういうメカニズムで更新されるようにするのがいいだろうか。
  • appdev-1308-email-app-planning:Ubuntu Touch向けのEメールアプリケーションはどのようにあるべきだろうか。13.10には何をどうしても間に合わないので,次のリリースに向けてメーラーのあるべき姿を検討してみよう。

13.10のカーネル

13.10のKernel Freezeが10月3日にせまり,最終調整が進められています。タイミング的にvanilla kernel(kernel.orgのカーネル)の3.11.xx系列から3.11.1をベース注1にすることになりそうです。Kernel Freezeを過ぎた後に行われる修正は原則としてSRUによるものになり,変更に大きな制約が加わります。入れてほしいパッチやコンパイルオプションがある場合,今のうちにkernel.orgのカーネルからのcherry-pickを要請するのが良いでしょう。

タイミング的には9/26にFinal Betaもありますが,開発に直接関与しない場合はKernel Freezeの影響の方が大きいので,このタイミングで「ほぼリリース候補版」に近いものができあがり,ここからバグ修正をして10月17日のリリースを迎えることになります。

注1
Ubuntu Kernelは現在のところ,⁠Ubuntu Patch」と呼ばれる各種パッチ群を適用したツリーを用意しておき,kernel.orgの特定の系列のカーネル(13.10の場合であれば3.11.xx系)が更新されるたびにrebaseする,というパターンを取っています。⁠Ubuntu Patch」は基本的にはLive環境サポートのためのaufs・overlayfsパッチ,AppArmor(13.10世代では3系AppArmorを独自にバックポート)⁠各種ARMサポート(omap3,omap4,highbank,midway)と,kernel.orgでリジェクトされたり,あるいはリジェクトされるだろうと確信が持てるものを加えたものです。実際にはこれらのパッチに加えて,より新しいバージョンのカーネルで追加された機能のcherry-pickや,各種デバイスドライバの先行投入やDell・Lenovo・HP専用の調整も入っています。

UWN#334

Ubuntu Weekly Newsletter #334がリリースされています。

その他のニュース

  • 中国向けにHPがUbuntu搭載モデルを展開しているという記事。⁠Chinese-centric version of Ubuntu 12.04 LTS」はおそらくUbuntu Kylin(の,12.04へのバックポート版)と見られます。なお,同様の動きはDellも展開しており,中国の市街地のPCショップではUbuntuプリインストールモデルを気軽に入手できる状態になりつつあります。
  • Apache 2.4とPHP 5.5の導入に関するテスト要請。
  • JujuがMicrosoft Azure環境を正式にサポートするようになりました。AWSだけでなく,Azure上でも簡単に分散ストレージ(Ceph)や各種Webアプリケーションを利用できるようになります。
  • Ubuntu TouchにFacebookアプリが加わりました。

今週のセキュリティアップデート

usn-1950-1:Light Display Managerのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2013-September/002238.html
  • Ubuntu 13.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2013-4331を修正します。
  • LightDMが生成する.Xauthorityファイルのパーミッションが過剰なものになっていたため,ローカルユーザーに対して適切なアクセス制御を提供できていませんでした。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,システムを再起動してください。
usn-1951-1:Firefoxのセキュリティアップデート

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

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