Ubuntu Weekly Topics

2016年8月5日号“Bash on Windows”リリース・Bubblegum-96 boards向けUbuntu Core・IntelCompute Stick向けのインストールイメージ・UWN#476

“Bash on Windows”のリリース

Windows 10にUbuntuがやってきました。Windows 10にアニバーサリーアップデートの提供が開始され、⁠Bash on Windows⁠こと⁠Windows Subsystem for Linux⁠が公式に利用できるようになっています[1]⁠。Windows環境の上でELFバイナリがそのまま動くという、新しい時代を感じさせる新機能を試してみてはいかがでしょうか。

利用のための最小限の手順は次の通りです。

  1. スタートメニュー上で右クリックし、⁠プログラムと機能]を開きます。
  2. [Windowsの機能の有効化または無効化]を開きます。
図1 ⁠プログラムと機能]から[Windowsの機能の有効化または無効化]を開く。
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  1. 「Windowsの機能」ダイアログで、⁠Windows Subsytem for Linux (beta)]にチェックを入れ、⁠OK]ボタンを押下します。
図2 ⁠Windows Subsytem for Linux (beta)]にチェックを入れる。
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  1. これにより、⁠bash」コマンドが実行できるようになります。この「bash」コマンドは、Bash on Windows環境(≒Ubuntu)のランチャー兼インストーラーです。開発者モードが有効でない場合、警告のみでインストールは実行されません。
図3 開発者モードが有効でない場合の「bash」実行結果。
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  1. スタートメニューで「設定」を検索して設定ウインドウを表示させ、⁠開発者向け]ページにおける[開発者モード]にチェックを入れ、開発者モードにおける注意を確認してから「はい」を選択します。
図4 開発者モードの有効化。
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  1. 再度「bash」コマンドを実行すると、Bash on Windows環境のインストールが可能になります。⁠y」を入力することで自動的にインストールが行われ、Windows上で動作するUbuntu環境がセットアップされます。

Bubblegum-96 boards

「Ubuntu Coreが利用できる」環境がまたひとつ増えました。uCRobotics Bubblegum-96向けのオフィシャルなUbuntu Core[2]イメージの提供が開始されています。

Bubblegum-96は廉価かつ小型のARM64ボードで、ミッドレンジ〜ハイエンドスマートフォンのメインボードをそのまま抜き出したようなスペックを持ちます。豊富なIOと、⁠いまどき」の環境として不足のないCPUパワーを兼ね備えており、リッチなIoTやデジタルサイネージ・組み込みといった用途に適しています。主なスペックは次の通りです。

  • CPU: Actions S900(Cortex-A53 1.8GHz, quad-core)
  • GPU: Imagination PowerVR G6230(600MHz)
  • RAM: 2GB LPDDR3
  • Storage: 8GB eMMC + microSD
  • USB: USB 3.0 (Type A x1) / USB 2.0 (Type Ax1, microUSB x1)
  • Network: 802.11b/g/n WiFi, Bluetooth 4.0
  • Display: HDMI 1.4 with HDCP
  • Peripheral: 40pin(+1.8V, +5V, SYS_DCIN, GND, UART, I2C, SPI, PCM, GPIO x12) + 60pin(SDIO, MIPI_DSI, MIPI_CSI, I2C , USB2.0)
  • Size: 85mm x 54mm (L x W)

夏休みの自由工作や自宅用の常時稼働サーバー、あるいは新サービスのプロトタイプ用のボードとして入手してみてはいかがでしょう[3]⁠。

Intel Compute Stick向けのインストールイメージ

Cherry Trail世代のIntel Compute StickでUbuntu 16.04 LTSを簡単に利用するためのインストールメディアが登場しました。このインストールメディアを利用することで、WiFiやBluetoothなど、セットアップの面倒な機能も有効な状態で16.04を利用できます。

なお、このインストールイメージはUbuntu/Canonicalが公式にリリースしているものではありません。セキュリティ的な懸念がある場合は、独自にインストールして個別に設定を行うとよいでしょう。

UWN#476

Ubuntu Weekly Newsletter #476がリリースされています。

その他のニュース

  • Snapパッケージのデモを兼ねた、Linux Kernelが出力するエラーメッセージカタログを生成するkernelscanについて。
  • 新しい等幅フォント、Hackの紹介。

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