Ubuntu Weekly Topics

2017年7月21日号Microsoft SQL Server 2017 RC1 、UWN#513、Azure環境むけIBドライバ

Microsoft SQL Server 2017 RC1

MicrosoftのSQL Server 2017のRelease Candidate1がダウンロード可能になっています。SQL Server 2017の特徴は、Linux環境のTier-1サポート、ミッションクリティカル用途での利用が可能となっていることです。

SQL Serverの動作環境として、LinuxがWindows Server同等の扱いを受ける時代がやってきました。もちろん当該バージョンはあくまでRCでしかなく、実際のプロダクションシステムへの投入はリリース版を待つべきですが、Active Directory integrationやLinux独自のHAミドルウェアの利用等、⁠Linux版SQL Server』として期待されるさまざまな機能が適切に準備されています。

なお、直接は関連しないものの、⁠個人としてではあれ)Microsoftの人間が」⁠BoWとはいえ)Ubuntuのインストール方法を説明する」記事がQiita上に掲載されています。

繰り返しますが、⁠Microsoftの人間が、Ubuntuのインストール方法を説明している」という光景です。SQL Serverにせよ、おそらく10年前であれば半信半疑、15年前であれば「夢でも見たのか」という扱いを受けそうな組み合わせですが、2017年の現在ではごく普通に受け入れられている、ということがポイントとなるでしょう。

UWN#513

ubuntu weekly newsletter #513がリリースされています。

その他のニュース

  • linux-azure(Azure向けUbuntuカーネル)において、非常に特徴的なinfinibandドライバサポートが行われています。簡単に言うと、⁠1) infinibandを利用したRDMAを適切に実行するにはホスト側とインスタンス側でドライババージョンが要求されるので、ホスト側に合わせてドライバを持つ必要がある。2) 複数のドライバを保持しておき、ホスト側のバージョンを検知した上え、適切なバージョンのドライバを読み出す仕組みはある。3) これを活かすために、Ubuntuではinfinibandドライバを複数のソースツリー実体として保持しておき、複数のドライババージョンを簡単にメンテナンスできるようにした。4) ということで、今のところ全く同じソースツリーが2つ入っている。将来的に片方は更新される」という、きわめてプリミティブな解決策です。
  • artful(17.10)現在の姿。GNOME+GDMに切り替えられつつ、以前のデザインモチーフを引き継いだ新しいUbuntu Desktopの姿が確認できます。
  • 最近行われた『アップグレード』動作の変更について⁠すでにEOLしたバージョンはスキップする」という動作が加わり、⁠16.04から17.10に更新するには間にある(すでにEOLしている)16.10や17.04を経由しなければならない」注1というアップグレードの面倒が省略されることになります。

今週のセキュリティアップデート

usn-3351-1:Evinceのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-July/003937.html
  • Ubuntu 17.04・16.10・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-1000083を修正します。
  • Evinceがcbtファイルを扱う際の処理に問題があり、悪意ある加工を施したファイルを処理した場合に任意のコードを実行される畏れがありました。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
  • 備考:このアップデータはcbtファイルの処理機能を無効にすることで問題を回避します。
usn-3352-1:nginxのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-July/003938.html
  • Ubuntu 17.04・16.10・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-7529を修正します。
  • レンジフィルタに意図して発生させうる整数オーバーフローが存在するため、秘匿すべき情報の閲覧に利用できる問題がありました。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3353-1:Heimdalのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-July/003939.html
  • Ubuntu 17.04・16.10・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-11103を修正します。
  • 適切でないKerberosチケットを有効なものと誤認させることが可能な問題がありました。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、Heimdal由来のライブラリに依存しているアプリケーションを再起動してください。
usn-3353-2:Sambaのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-July/003940.html
  • Ubuntu 17.04・16.10・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。usn-3353-1のHeimdalの修正をSambaにも適用するためのアップデートです。CVE-2017-11103を修正します。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3347-2:Libgcryptのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-July/003941.html
  • Ubuntu 12.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-7526を修正します。
  • usn-3347-1の12.04 ESM向けのアップデートです。有償のESM契約を所持している場合のみ利用できます。

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